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風景画

ランス美術館コレクション 風景画の始まり コローから印象派へ

名古屋市美術館で開催されているランス美術館コレクション企画展鑑賞の記録。

フランス バビルゾン派中心の19世紀風景画

それまでの風景画は、理想化され構成された伝統的な宗教的・歴史的な意味合いを持ったものが一般的でした。風景は背景であり主体ではなかった時代から、アトリエを飛び出し自然観察に重きを置き、写実的に森や田園風景を描く風景画が確立された時代から印象派までの流れがよくわかる構成となっていました。

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わかりやすくて面白いなと思ったのは、"より技術を磨くのであれば自然の光を見て描くべきだ"といった入門書等が作品と共にが展示されていたことと、鉄道の発達により遠方に行けるようになった時代背景、絵の具チューブの発明を知る事ができたからです。

また、風景画といえば個人的にはイギリスの画家ターナーが好きで、コローやドービニーは知っていたものの掘り下げたことはなかったので、フランスバビルゾン派の成り立ち、美術におけるロマン主義からの派生や、写実主義と自然主義、そして印象派に至るまでを一部理解できたことも大きな収穫でした。ピサロもいてそれも嬉しかった。

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出展はシャンパーニュ地方のランス市、ランス美術館。今現在は長期の改修期間中。ランス美術館は、大手シャンパーニュメゾン、ポメリーのアンリ・ヴァニエの個人コレクションをした基礎に発足した美術館です。シャンパーニュと絵画がリンクしました。探求している別ジャンル同士が繋がると非常に満たされた気持ちになり、自分の好きな世界観を再認識することができます。

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今回の作品で一番惹かれたのはアルビニーの"夜明け"。絶妙な雲の色と繊細な描写に魅了されました。直接その景色を見ているような気持ちになります。当時の人もそれを風景画に求めていたのでしょう。空や山、海の自然の美しさに引き込まれて癒されるのはどの時代であっても変わらないんだなと思いました。

ランス美術館の素晴らしいコレクション。現地は同ジャンルだけでなく、他も沢山の作品が観れると思うとリニューアル後が非常に楽しみです(行く気満々)。

また一つ、行きたいところが増えてしまったけれど、ランスは大聖堂もフジタの礼拝堂もリベンジしたかったから丁度良い。より深めた知識を持ってシャンパーニュ地方を巡ろう。


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