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アンリ・ルソーとの出逢い

アンリ・ルソー[Henri Rousseau、1844〜1910]

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エル・グレコから原田マハの「楽園のカンヴァス」を思い返します。物語は主人公が監視員として務める大原美術館のからスタート。エル・グレコの"受胎告知"について語られるシーンがあります。「楽園のカンヴァス」はアンリ・ルソー の"夢"をきっかけに、ニューヨーク近代美術館の(MoMA)のキュレーターであるティムと共にコレクターから依頼された-謎-を解くアートミステリー小説。私にとっての原田マハ初めての作品でした。実在するアート作品や美術館などを舞台となっていて、登場する作品作者の専門知識とそこから派生する物語展開が非常に面白い。ここから彼女の小説を読み始めました。

2015年10月NYの旅 ニューヨーク近代美術館 

"夢"

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こちらは"眠るジプシー女"

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「楽園のカンヴァス」を読んだのはタイミング良くニューヨークへ旅する少し前のことでした。初めてのアメリカ、ニューヨーク。MoMAは勿論行く予定で、当初はゴッホ の"星月夜"が個人的には1番のターゲットでありましたが、この小説に出会いルソーの"夢"に導かれ、アンリ・ルソーの魅力に引き込まれました。勿論他のコレクションも非常に素晴らしく大満足でした。

単純なのでよく導かれます。NYもとても良かった。セントラルパークは毎日行きたいくらい気持ちが良かったしSATC好きとしても想像以上に楽しい街でした。頭の中はずっとEmpire State of Mind。単純でミーハーです。

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素朴派と呼ばれるアンリ・ルソー 。

不思議で、どこか懐かしくミステリアスな彼の世界。すっかり夢中になり、色々と調べ作品を見返していたら、あることに気付きました。見たことある絵があったのです。思い返すと、ルソーとの出会いは幼少の頃でした。

"蛇使いの女"です。

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幼稚園だったか、友人宅になぞなぞ本か絵本かで、この絵が使われていて、『この絵の中に蛇は何匹いるでしょう』といった問題でした。もっと蛇が追加されていたような気もするのですが、この描かれている女性の眼が恐ろしくもどこか惹かれて何度も開いてしまう。不思議な好奇心に駆られていた記憶がうっすらとあります。

あれは何の本だったのだろう、、絵本だと思いますが調べてもわかりませんでした。この絵だけ覚えていて、今もルソーの絵に親近感と懐かしさを感じるのはこの体験からだと思います。幼少期から今も引き継がれる記憶というものは不思議ですよね。どなたかこの本の存在を知っていたら教えて下さい。

2019年4月フランスの旅 オルセー美術館 

その後ルソーの大作にオルセーで再開しました。企画展や国内の常設展でも見かける事のあるルソーの作品ですが、こちらは圧巻でした。

"戦争"

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画家ってやはり凄いなと感じる瞬間です。

題材にそぐわぬ鮮やかな色彩に無邪気にも捉えられる少女の表情。横たわる無の人間達に舞い降りるカラス。颯爽とかける黒馬と黒煙と剣。戦争の虚しさと狂気がひしひしと伝わってきます。穏やかなタッチで表現される戦争の非道さと愚かさ。その対比が鑑賞者の心にインパクトを与えるのだろうなと思いました。ルソーの魅力はここにあります。

この時"蛇使いの女"には出会うことはできませんでした。これもまたら巡り合わせでしょう。いつかどこかで再会できる日を楽しみにしています。



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