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パワハラで心身症を患って退職した話(2)

(1)実際に起こったこと、経緯
(2)当時の精神状態、今思うこと  ←
(3)どうすればよかったのか。近い状況にあっている人にしてほしいことと、周りにしてほしいこと

経緯は(1)の記事の通りで、今回は(2)
この出来事を文章化して振り返って、最も異常だったのは自分の精神状態だったと思う。

<当時の精神状態>
上司に罵倒されながら当時何を考えていたかといえば自分を攻めること
「せっかく正社員で採用してもらったのになんの役にも立てない」
「大学も出たのに会社に適応できず親に申し訳ない」
「私は社会人失格だ」
と言われるがままに思っていた

そして人は、眠らないと正常な判断ができなくなる。
仕事以外でもおかしい状態だった。
・異常な職場環境にいる私を案じて「職場がおかしい、あなたは悪くない」と言葉をかけてくれた友人に対して口出しするなと反論
・仕事だからといって休日の約束を謝罪の一つもなくドタキャン
・会社関係のイベント集客のために半ば無理やり大学の後輩を深夜に呼び出す
・空腹を感じないのでろくに食事をとらず、突然チョコレート1箱一気食い
どれもありえないことだったけど、通常の思考ができなかった。

<あのとき仕事を続けていたらどうなっていたかー 死んでいたのは私だったかもしれない>
(1)の最後に書いたとおり、今振り返って、当時の私が線路に飛び込まなかったことに本当に感謝している。当時その選択をしていても、おかしくない精神状態だったから。
この睡眠不足と極度のストレス状態にいると、思考というものが機能せず、
常識AとありえないBの選択で簡単にBを選択する。
例えば駅のホームで
電車に乗る【A】と
線路に飛び込む【B】

ありえないと思われるかもしれないけど、当時の精神状態だと、
会社に行かなくてすむ選択肢【B】を選んでいてもおかしくなかった。あの状況下ではゲームのコマンドAとBを押し間違えるくらいのことだった。


ある大手企業で新卒社員の女の子が過労自殺をしたのは私が退職した数年後だった。彼女はギリギリの状態でAをなんとか選んできたけれど、ある日ふっとBを選んでしまったんだろう。私はBを選ぶ前にたまたま仕事を辞めれただけ。

<パワハラによる弱者の洗脳>
加害者は被害者の立場の弱さに漬け込んでくるので、被害者は強く出れない。
会社という組織だと、他人は助けてくれない。
加害者はそれをいい事に狭い組織で「それが当然という」大義名分を振りかざして、被害者を”洗脳”してくる。
「お前が仕事ができないのが悪い」
「社会に適応できないのが悪い」
「これができないなら社会人失格だ」

私の場合、長時間労働と恫喝が加わっていたので完全に”洗脳”された。
「仕事ができない私が全部悪い。雇ってもらっているのに申し訳ない。」
「これができないなんて社会人失格だ。」
「この会社でやっていけないならどこに行っても私はクズだ。」

〈パワハラという名の殺人未遂〉

あの朝涙が止まらなくなり声が出なくなる症状、体の拒否反応が出ていなかったら、
それでも「会社に行く」という選択を機能しない頭でしていたら…
私は今生きていなかったかもしれない。
想像すると、心底ぞっとする。


<パワハラされやすい性格なんてない>

蛇足だけれど、パワハラの話が上がると、被害者に否があると言う人、攻める人が必ずいる。
「される方も悪いんじゃない?」
「嫌だってはっきり言わないほうが悪い」
「他人に助けを求めればよかったのに」
「もっとしっかりしていれば被害に合わない」
「そんなことで追い込まれるなんて、メンタル弱い」とか。
私もメンタルは強いほうだと思ってた。基本性格ポジティブだし。昔から割と言いたいことハッキリ言うし、嫌なことは引きずらないタイプ。
当事者になってみて、会社の上下の立場を利用されて、何もわかってない新卒であの状況に立たされると、何も反撃できなかった。

一方加害者は、会社の立場を利用して、自分の優位性と歪んだ自尊心を守るために弱者を攻撃する。
何度でも言う。
パワハラする方が100%悪い。