パワハラで心身症を患って退職した話(3)

(1)実際に起こったこと、経緯
(2)当時の精神状態、今思うこと 
(3)どうすればよかったのか。近い状況にあっている人にしてほしいことと、周りにしてほしいこと ←

1,2と振り返って、最後に当時のわたしはどうすればよかったのか、同じ状況にある人にしてほしいことと、第三者としてしてほしいことを書いてみたい。

<被害者としてどうすればよかったのか>
パワハラ環境で3ヶ月働いた末、精神科には「心身症。うつ病のちょっと手前、仕事やめれば治るよ」と診断され、そのとおり普通の生活に戻ることができた。
その前にできたことがあったのかと今考えてみる。

結論、
「早めに見切りをつけて早々に会社を辞めること。」

身も蓋もなんのひねりもないが、
何ができたのか、辞めない方法があったのかを何度もシミュレーションしてみたけれど、結論はこれ。

パワハラ加害者は自分のことが正しいと思っていて、それを黙認されている立場である事が多い。逆に被害者はその会社で立場が弱いので、その状況をひっくり返すのはかなり、難しい。
試みるのもいいがその労力と対価を考えると、そんな会社は早々に見切りをつけて自分の価値を発揮できるところに行く方が絶対にいい。
私はその後2社、どちらも正社員として転職したが、労働条件も給料も格段に良く、楽しくキャリアを積むことができたし、プライベートも充実している。転職は当時私が思っていたほど難しいことではなかった。合理的な選択として転職はポジティブな選択でしかなかった。
10年前と比べたら働き方も多様化しているので、会社に必ずしも勤める必要もないだろう。選択肢は無限にある。

(ついでに若手の転職に関して言えば、3年は1社で働かないとどこに行ってもダメ、とか、会社の文化に適応出来ない人間は何をしてもダメ、とか言う人が必ずいるけど、そういう人はせいぜい1社、2社の狭い社会のことしかしらない人な事が多いので、耳を傾ける必要はない。
本人のキャリアとは別の話だ。)


<近い状況にあったらしてほしいこと>
・記録をつける、録音をすること
パワハラ被害にあっている人には、記録や録音を進めている。
仮に使わないとしても、録音や記録があれば後々証拠にもなって、気持ち的に少しは楽になるかもしれない。誰も守ってくれないのだから、一つでも切り札は持っておいたほうがいい。
実は退職後、正気に戻って労働基準監督署に相談に行った。もう終わったことだけど、パワハラ上司は私の前任の社員も追い込んで辞めさせていたので、今度は後任が被害に合う可能性があったから。
結果もう当事者が退職しているし、録音などの証拠がなくては何もできないと言われ、無駄足に終わった。
仮に証拠があって退職前に相談に行ったとしても、やはり労力と手間を考えると、パワハラを野放しにしているような会社は、早々に見切りをつけてやめたほうが、良いとは思う。

・体調に敏感になる
不眠、動悸、めまい、思考停止、時間が守れない。
おかしいと思ったら、悪化する前に休んでほしい。
私のように発症してから、では本当は遅いので。

・会社を当てにしない
人事部にパワハラを報告したから、良くなるはず…
私の経験上、人事部や他の社員は同情してくれても改善はしてくれない。
人事部は穏便に済ませる方法を考えるし、他の社員は関係がないのだから当然といえば当然かもしれない。
もちろん、会社には報告するべきだし味方は増やすべきだ。でも、当てにして、誰かに助けられるまで我慢して待ってはいけない。


<周りにしてほしいこと>
・被害者を肯定してほしい
加害者に人間性を否定されている被害者はズタボロだ。
うつ状態で耳に入らないかもしれないけど、「あなたは間違っていない」と声をかけてほしい。
気にかけていることを伝えてくれるだけでも、1ミリだけ引き上げられるかもしれない。

・第三者からみて異常であることを冷静に伝えてほしい
当事者たちはその異常性に気づいていない。加害者は自分を正当化して当然だと思ってやっている。被害者は洗脳状態だ。第三者が冷静にそれはおかしいと言ってくれたら、少し状況がかわるかもしれない。

・代わりに出来事を記録してほしい
ここまでする義理はあなたにはないかもしれないけど、見るに堪えないパワハラだったら録音や起こったときの時間、行動、をちょっとメモに残してくれたら、被害者が行動を起こす手助けになるかもしれない。

ここまで書いてみて、私が当事者ではない第三者だった場合、何ができたかは正直わからない。

会社の人は誰も助けてくれない、と書いたが、
私の場合退職後に多くの同僚や先輩が手を差し伸べてくれて、とてもありがたかった。転職先やつなぎのバイトを紹介してくれたり、私の訳あり職務経歴書を添削してくれたり。
何をしてくれるにせよ、気にかけてくれる人の存在はいつも助けになる。



1〜3と長文になってしまい、うまくまとめられなかった部分もありますが、パワハラについての実体験と考えたことのまとめ、
10年を経て私の黒歴史を掘り起こす作業をこれで一旦終了したいと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
もし質問などがあれば、喜んでお答えします。