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普通になりたい

普通と違うと言われることが
いつも怖かった。
相手が褒め言葉で言っても
その言葉の裏を探ろうとした。

特に、独特だよねって言われると
どこがだめなのか
(だめだと言われてないのに)
聞きたがった。

何がそう思わせるのか。
なんでなんでと聞いた。
そこを消したかった。

自覚のしてない鬱だったからだと思う。
でもどこかで自覚していて
普通になりたかった。

普通になりたいと打ち明けたら
面白いって答えが返ってきた。
みんな反対のことを思うのに、と。

いや、
私は個性的なのではなく
どこかおかしいんだよ。
欠けていた。

時々普通になれた。
普通になって、働けた。
感覚を研ぎ澄ますと、痒いだろうところをかいてあげられた。

時々ズレてしまった。
ズレたら
期待ハズレよと
がっかりした顔をされた。

一つの失敗が
今までの頑張りをさらっていった。

わたしはその社会の一員にはなれなかった。

消えるようにその場を去って、
去ってから、最初から無かったものになった。

誰も私を認めてくれない社会だった
いや、今思うと私が引き寄せた世界だった。

認めてくれる世界がどこかにはあるはずと
果てしないずっと先の未来を思い浮かべて
いっかは見返したいと

おかしくても
おかしいがゆえに
そこに行けたのねって
私が言えたら
私は、おかしさを受け止められるのに

今思うと。

そんなものはないよと
世界は見せてくれていた

厳しいようで優しい世界だった

自分でいなさい。
そのままでいなさい。
欠けているだなんて誰も言っていない。

あなたがあなたを一番認めていなかっただけ。