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まいたく名画座No12 - バティモン5 望まれざる者

どうも、まいたくです。
今回、12回目のまいたく名画座の上映となります!🎥

本日上映される映画は、、、、

『バティモン5 望まれざる者』 です!!

「こんなの人が生き死にするところじゃない」/「フランスは好きですか?」

◇監督・キャスト&あらすじ

  • 原題:Batiment 5

  • 制作年:2023年

  • 制作国:フランス・ベルギー合作

  • 監督:ラジ・リ

  • キャスト:※太字 主人公
    アンタ・ディアウ
    アレクシス・マネンティ
    アリストート・ルインドゥラ
    スティーヴ・ティアンチュー/オレリア・プティ/ジャンヌ・バリバール 他

  • あらすじ:
    労働者階級の移民家族が多く暮らしている、パリ郊外(バンリュー)の一画にあるバティモン5。この地区に立ち並ぶ団地の再開発をめぐり、日頃から政治と住民の間の軋轢が存在していたが、ある事件をきっかけに両社の衝突がさらに激しいものに発展していく・・
    今まであまり描かれることがなかった、現代のフランス・パリの暗部を浮き彫りにした、社会派ドラマ。

◇感想

本作は社会性の側面が強い作品ですので、非常に考えさせられることが多かったです。。

私の知識不足なのかもしれませんが、あまりにもパリという都市がもつ、「スタイリッシュでありながらも深い歴史が色濃く残る伝統的な街」みたいなイメージとかけ離れているので、一瞬「コレ、アメリカのスラム街の話だったけ?」みたいな感覚に陥りました。

でも、確かに「フランスの移民問題」は結構有名な話ですし、国際系のニュースなどでたまに耳にするテーマでもあるので、冷静に考えれば他の国よりも起こりえる話なんですよね。
そんな当たり前の問題について、改めて考えさせられる作品です。

ということで、注目ポイントに行ってみましょ。
ではいく!

◇映画の見どころ

  • 移民問題を抱えるフランスという国の暗部に注目!
    私まいたく、映画紹介系の記事ではちょいちょい話していることなのですが、映画を鑑賞する際には余計なバイアスを避けるため、あまり情報を入れずに臨むんですね。情報を得るのは、大体映画の予告編くらいで。

    ただ、今回の映画については、この情弱っぷりがちょっとアダになったかもしれません。。
    とはいっても、情報を得るのは映画の内容ではなく、フランスという国の問題についてですけど(^^;)

    というのも、本作は、本国フランスの方と、それ以外の国の方とで、この映画から受け取る印象に、結構な乖離があるような気がします。

    当然、この乖離は、フランスが非常に古くから抱えている移民問題への理解度であり、恐らく、フランスの方のように、学校などで深く学んでいるであろうこの問題の歴史や背景、さらにはそこに付随する文化や宗教観、人種差別といった問題を肌で理解している人々と、その問題を知らない、または知っているとしても、あくまで書面上の理解に留まる人々とでの、この作品に対する観かた(または、見かた)は大きく違うと感じました。

    当たり前ですが、私は後者側なので、まず、フランスの暗部についての驚きから入ってしまうんですよね。
    また、細かい点においても、例えば宗教が絡むようなシーンが散見されるのですが、「そのシーンに宗教的な側面があるんだな」と気付くまでにちょっと時間がかかったような気がするんです。

    端的に言うと、移民問題に対する理解度が低いと、物語の本質に触れるまで、少々時間を要するんです。

    そういった意味では、このフランスの移民問題に対する理解度を深めておけば、もっとより楽しめたかなと思いました。

    なかなか、敷居の高い感じの注目ポイントになってしまい恐縮ですが、もしよければ参考にしてみてください!

    ただ、これはあくまで私の意見ですし、社会派ドラマとはいえ、本作はドキュメンタリーではないので、しっかりとしたストーリーと個々のキャラクターの個性が際立っている、非常に素晴らしい作品です。

    背景を知っておくとより楽しめるかも?という参考意見ですので、知らなくても、充分楽しめると思います。そこは、ご安心下さい(^^)

  • 三人の登場人物の群像劇としての観点に注目!
    先述した通り、本作は、社会派ドラマという側面だけでなく、しっかりとした良質の物語でもあります。
    また、本作の主人公はアンタ・ディアウ演じるエビ―なのですが、それ以外の登場人物にも結構スポットが当たっているので、群像劇としての要素もあるように、私まいたくは感じております。

    主要人物としては、エビ―の他には、アレクシス・マネンティが演じる臨時市長のピエールとアリストート・ルインドゥラ演じるエビ―の友人のブラズですね。(副市長ロジェ役のスティーヴ・ティアンチューも候補に入りそうだけど、若干印象が薄いかなと思うので、除外(^^;))

    まず、エビ―役のアンタ・ディアウ。彼女の役は言わば、住民の代表的立ち位置で、彼女を通して、住民たちの苦悩や、生きづらさ、が伝わってきます。また、彼らが抱える問題に対し、自らが先頭になって立ち向かう、という一貫とした信念を持つ、強い女性、として描かれてもいます。
    そういったキャラクターに見合う、非常に強い光を持った目を持つ、素晴らしい役者さんですね。彼女は。

    次にブラズ役のアリストート・ルインドゥラですが、彼の立ち位置は恐らく、住民が抱える、我慢や怒りを表現している役どころだと思います。
    そして、彼は物語の前半と後半でかなり印象が変わります。
    彼が徐々に変わっていく姿に注目するのも面白いポイントだと感じます。

    最後にアレクシス・マネンティが演じる臨時市長のピエールです。
    彼は捉えどころが非常に難しい役柄、だと私は感じますね。
    これは私見ですが、先述した「フランスの移民問題に対する理解度」によって、人によって印象が変わるような気がするんですよ。
    ただ、理解度がどうあれ、彼もブラズ同様、物語の前半と後半でかなり印象が変わると思うので、その点は注目すべきポイントかなと思います。

    以上、注目ポイントでしたー(^^)/

◇Next step

ということでいつものNext stepです。
この映画を観たら、次はこちらを観てはいかが?(^^)

  • レ・ミゼラブル 
    本作の監督であるラジ・リ監督の長編映画デビュー作。
    勘違いしそうですが、こちらは2019年公開の作品で、2012年に公開されたビクトル・ユゴー原作の同名のミュージカル映画ではございません(^^;)

    これ、私も未鑑賞です、、
    というかこっちを先に観ておけばよかったかな?

    ということで、紹介しておきますね。もしよければ、みなさまもぜひ!

  • 灼熱の魂
    移民問題繋がりでのご紹介。
    、、、ですが、この作品はホントに凄いです!
    私が今まで鑑賞した映画の中でも、群を抜いて衝撃的な作品で、私史上、一番好きな映画でもあります。


    こちらは別途紹介記事を書こうと思いますが、この記事でもNext stepとしてご紹介しておきます。

◇おわりに

今回は「バティモン5 望まれざる者」を紹介しました!

いやー、今回の作品は個人的に考えさせられることが多かったので、かなりお堅い記事になっちゃいましたかね?
まあ、そういうときもありますよ。だって人間だもの(^^;)

ということで、最後にちょっとしたコメントをば、、
この映画、もしかしたら続編あるかも?ってちょっと思いました。
このまま完結しても良いとは思いますが、まだ回収できる要素は多分にありますし、登場人物のその後が凄く気になる部分もあるので、続編、アリだと思います。

誰か、フランス語の堪能な方が、この記事を気に入ってくれて、、

そしてこの記事をフランス語にしてくれ、、、

そしてラジ・リ監督に届いて、、、

そして続編が作成される!
、、という、見事なロジックが展開されるであろう、期待を込めて!
締めの言葉にさせていただきます!(太字で協調!)

なお、本記事を投稿する段階(2024/5月下旬)では、まだ絶賛劇場公開されておりますので、ご興味があれば、ぜひお近くの劇場へ!

ということで、この映画に対する感想などありましたら、コメント頂けると幸いです。(でも、ネタバレはやめてね(^^;))

以上、ご愛読ありがとうございましたー!!

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