見出し画像

「会社全体を巻き込み、ITで事業を加速させる」情報システム部部長、山城郁也が目指す世界

一般的な情報システム部のイメージとは一線を画す、マイスターエンジニアリングの情報システム部。社内システムの運用・保守といった「守り」の業務だけではなく、「攻めの管理部門」の一角を担う情報システム部の業務内容、今後の挑戦と展望について、同部で部長を務める山城郁也が語りました。


入社の経緯、最初の課題

ーー入社までの経緯を教えてください。

新卒で入社したENEOSではプラントエンジニアを経験し、IT系のコンサルティングファームのアクセンチュアへ転職して、プラント企業へのコンサルティングやシステム導入などの支援をおこなっていました。

転職から2年ほどが経ち、アクセンチュアでマネージャーとして仕事をしていました。偶然、他のコンサルティングファームに転職していたENEOS時代の同期に連絡をとると、彼がマイスターエンジニアリングで働いていたんです。

その際、事業内容として面白いので一度話を聞いてみないかと声をかけていただき、平野さん(ME代表取締役)と小田さん(ME常務取締役)とお話しする機会をいただいたのですが、転職には至りませんでした。ですが、社会的に重要なインフラの領域でM&Aを活用して事業を拡大している、ポストコンサル経営メンバーが集まっている、メンテナンスの業界を本気で変えようとしている、など面白そうな会社だなという印象はずっと心に残っていました。

それからまた2年ほど経ち、「もっと現場に近い環境で、今まで培ったITの知識を活かし、事業の根幹に携われる仕事がしたい」と転職を考え始めたタイミングでちょうどまたお声がけいただきました。その際に「数百億の売り上げ規模に対してITの活用が進んでいない状況を変えるため、是非情報システム部の部長職で働いてみないか」と古今さん(ME取締役)に言われ、入社に至りました。私の状況を見ていたんじゃないかと思うほどの、絶妙なタイミングでしたね。

コンサルティング業務では、案件単位で顧客の対応が中心になっていて、事業に入り込んだ手触り感が薄れていました。もちろん難易度の高い案件はやりがいもあったのですが、自分が直接事業に貢献している、その結果事業が成長していることが徐々に少なくり、「マイスターエンジニアリングでなら、上流からより現場に近い場所まで、これまで培った自分のキャリアや知識を活かせる。自分の活躍で事業を成長に貢献できる。」と考えたのが決め手でした。

情報システム部部長の山城

ーーどんな活躍を期待されての入社だったのでしょうか?

会社全体、グループ全体としての「ITの仕組みをどうしていくか」を考え、筋道を立てることを期待されていました。当時は社内のERP中心に、元々想定していたスコープのうち会計機能だけしか使えていなかったり、各事業部で個別にシステムが導入されていたり、そもそも事業部の業務システムがなかったり、といったさまざまなITの課題を抱えている状況でした。そのような中で一番最初のオーダーは会計機能しか利用できていないERPをリプレースすべきか、するならどうすべきか、というテーマでした。

一方、社内システムや仕組みを理解しないと総合的な判断ができないと考え、まずは2ヶ月ほどかけて現状を整理するところから着手しました。情報システム部のメンバーに手伝っていただきながら、検討対象となる業務と業務をカバーするシステムの範囲を全て書き出しつつ、各システムで扱っているデータとシステム間の連携を整理しました。

蓋を開けてみると、システム間のインターフェースがほとんどなく、データの連携が全くできていないなど、想定外のことがいくつも発覚したんです。また、各事業部の業務が大きく異なるため、それらを満たす統合的なERPではなく事業内容毎にソリューションを考える必要があること、その中で業務がほとんどシステム化できていない事業が見えてきて、会計機能のみしか使っていないERPのリプレースを検討するよりも、まずは事業側を支える業務システムの導入を優先するべきだと提案しました。

結果として当初の想定とは違う形で、システムの導入やマスタデータ管理のシステム構築が進む方針になり、これらの施策をまとめた3年間のロードマップが完成したのが入社から半年後のことでした。今は順次アップデートをしつつも、基本的にこのロードマップに沿って進めています。現在はローコードツールを活用したマスタデータ管理の基本的な仕組みの構築を終え、ERPリプレースの前段階として、事業部で利用する業務システムを導入している段階です。

会計機能しか利用できていないERPのリプレースを前提に取り組みを始めましたが、スコープを大きく変え、自ら方針を決めて実行まで持っていけるのは事業会社の特徴であり、やりがいだと感じています。これまでに経験したシステム導入やデジタル施策の構想策定の経験を活用しつつ、事業から会社全体を考え、自ら主導して変革を起こせる環境は、クライアントワークだけでは体験できない、まさに転職時に求めていたものでした。

情報システム部部長の山城

抜本的な組織改革を推進

ーー情報システム部の業務内容には、具体的にどのような変化があったのでしょうか?

社内におけるシステム導入時に、選定の段階から関われるようになったのは大きな変化だと感じています。以前は各事業部や部署で個別にシステム導入を検討しており、情報システム部はいわゆるネットワークやサーバ等のインフラ面やセキュリティ観点での検討事項が顕在化した際に声がかかっていました。そのため、業務に対してのソリューションが適切ではなかったり、他システムとの兼ね合いやインフラおよび運用面での課題が「時すでに遅し」となってしまっている状況でした。

当然セキュリティ面などの検討は重要ですが、私としては最適なソリューションを判断することこそ事業会社におけるシステム部門の役割だと考えていたので、「導入時のサポートをよろしく」という形での関わりをされていたことに、当時はとても驚きましたし、非常にまずい状態だと思いました。会社で使うシステムは一つひとつ個別で考えるものではなく、会社全体として考えていくべきものなので。

幸い、今の情報システム部にはそういった視点を持っていただいてる方が多くいて、積極的に伝え続けた甲斐もあって、今では新しいシステムを導入したい、仕組みを変えたいと考えたときには検討段階から情報システム部に相談してもらえるようになりました。選定からしっかり入って、情報システム部の意見も反映しながら一緒に進められるようになり、守りの色が濃かったところから、攻めの姿勢に変化したことが認知されてきたと感じています。

ITやデジタルへ積極的に投資するようになったのは今の平野さんの体制になってからですので、正直マイスターエンジニアリングのIT領域はまだまだ未熟です。裏を返すとそれだけ余白があり、伸び代のある状態です。

前職までで経験してきたシステム導入では、顧客や既存のシステムの事情で選定できるツールやソリューションに制約があったり、関係者との調整が煩雑だったりと、本質ではない部分で悩まされる部分も多かったのですが、マイスターエンジニアリングでは事業全体の成長を第一に正面から課題解決にとり組めています。

業務に感じる面白さとやりがい

ーー現在直面している課題について教えてください。

大きく分けて、2つあると考えています。

1つめは、マイスターエンジニアリングの管理部門として会社全体を支えるコーポレートサービスの土台を構築していくことです。マイスターエンジニアリングだけに留まらない、グループ全体を視野に入れた人事の仕組み、総務や経理の業務、最も重要な採用プロセスなど、システムよりももっと前段で考えなければいけないことから管理部門の一員として課題解決へ関与し、それを実現する手段であるシステム導入に今まさに取り組んでいます。

2つめは、マイスターエンジニアリングでコーポレートサービスの土台が出来上がったときに「各グループ会社の仕組みにどうやって落とし込んでいくか」です。各社の状況によっては、マイスターエンジニアリングで使ってるものを100%そのままの状態で使うことが正解とは限りません。もう少しライトな仕組みにするのか、仮にライトな仕組みを採用した場合、本当にやりたいことができなくなって本末転倒にならないか、むしろ、もっと適した仕組みがあるんじゃないかなど、グループ全体の視点と各社の状況とを何度も行き来しながら、場合によってはシステムの全体像をアップデートしています。

情報システム部の方針

ーー課題の解決に向けて、どのようなアクションをとっているのでしょうか?

コーポレートサービスの土台の構築に向けては、すでにいくつかのシステム開発・導入をおこなっています。具体的な例としては、前述したマスタデータ管理の仕組みがまさにそれに該当しており、キーとなるETLツールにASTERIA Warpが最も最適だと採用を決め、複数システムとマスターデータを連携させるインターフェースの開発を行っております。また、情報システム部や総務を中心とした様々な利用申請から管理までの業務をExcelから脱却するため、ノーコードツールを導入すべきと部署内から上がった声を元にしてソリューションとしてJUST.DBを選定し、上記マスタデータを活用しながら自社でのアプリケーション開発を進めております。

マイスターエンジニアリングの特徴は、システム開発や導入のプロジェクトに誰かにアサインされるというより、自らが必要なものが何かを考え、最善だと思うものを納得いく方法で取り組めることだと思います。もちろん、会社やグループ全体としての優先度がありますので全てがそうとは言い切れませんが、自律的に考えることを求められますし、私を含めてそれを良しとして後押しする文化があるので、その色は強いです。クライアントのいるコンサルティング業務は特にそうなのですが、メンバーだとアサインされた案件次第でやり方が決まっていたり、自身で案件を提案してもクライアントの状況によってスコープを変えなければいけないシーンが多くあります。まあそれが面白さでもあるのですが(笑)。そうではなく、しっかりと物事を論理立てて自ら提案し、関係者の合意を得ることができれば新しいテーマでも挑戦させてくれる環境があります。

ーー課題の解決に向けて、上司からはどのようなサポートがありますか?

私がアイディアや考えを持っていくと、それに対して必ず建設的な意見をいただけるので、非常に助かっています。事業部視点での懸念点、予測されるユーザーの声を踏まえて施策で考慮した方が良いこと、巻き込むべき関係者の提案など、私がやりたいことを実現するためのコミュニケーションをとってくださるので有難いですね。もちろん良くない部分があればしっかり止めてもらえるので、安心感があります。

経営陣をはじめ、上司はみなさんすごく合理的で、きちんと論理立てて説明ができれば、びっくりするほど話がスムーズです。意思決定までのスピードが速いですし、任せていただける範囲も大きく、アドバイスを求めれば的確な意見をもらえるので、自分にすごく合っていると感じています。例えば、中途採用ではかなりの採用規模があったにも関わらずExcelベースでのオペレーションとなっていたので、中途採用管理システムの導入を期待される効果とともに打診したところ、翌週にはプロジェクトが開始していました。私たちとしてはもちろんしっかり検討をした上の提案ではあったのですが、「え?こんな早くていいの?」みたいな驚きは正直ありましたね。

ーー情報システム部の仕事の面白さ、やりがいを感じる業務について教えてください。

マイスターエンジニアリングはM&Aを通じて事業を拡大していますが、今後どう展開し、完成形がどうなるかはまだ見えていない状態です。いずれにせよ大きな組織として動いていくには、何かしらの仕組みとしてのシステムが必要になってくると考えています。直面している課題でも少し触れましたが、まだ完成形が見えていない状態から、手探りでいろいろと思案し、挑戦していけるのは非常に面白いですし、それが少しずつ形にできたときにやりがいを感じます。

例を挙げると、経理業務をコーポレートサービスの一部として各グループ会社へ提供するため、各社の会計システムをどうすべきか?という論点が社内で上がっていたんですね。その際、これまでのマイスターエンジニアリングの仕組みではなく、クラウドの会計ソリューションを試験的に数社で運用してみたんです。その結果、ソリューションの特徴を考慮すればほぼ経理業務が回せることがわかったので、約1年かけて他のグループ会社10社に導入しました。

このスピード感で10社もの会社の業務が変化していくのは、やっていて気持ちがよかったです。もっと大きな規模で、同じような改革をする余地がマイスターエンジニアリングにはまだまだたくさんあります。会計システムといった管理部門の領域に限らず、電気点検や土木関係など、それぞれの事業面を伸ばしていくために、どういった仕組みやソリューションが必要かを考え、事業横断で関与できることが情報システム部の面白さだと思います。

今後のロードマップ

今後の展望

ーー情報システム部として、今後どのような業務にチャレンジしていきたいと考えていますか?

管理部門の領域だけでなく、現場のエンジニアも視野に入れた事業部の業務領域にもITやデジタルを浸透させていきたいと考えています。今はまだDX以前に管理部門の仕組みをシステム化する段階ですが、本来注力していきたいのは現場のエンジニアの価値をもっと高めるためのDX施策です。

現場であっても重要になるのはやはりデータです。ビジネス上で求められる様々な判断は、それぞれ何のデータがあればよいのか、またそのデータはどこで発生するのかをしっかりと見極めつつ、その発生元の業務プロセスがアナログなままであった場合はシステム化をしていく必要があります。そうすると、目の前にある1つ1つの現場や事業部の業務をまずはシステム化しつつしっかりと使ってもらうという地道なステップをこなしていく、ということに行き着くんですよね。

これってめちゃくちゃ大変ですし時間や労力がかかることなんですけど、常に最終的なゴールを意識しつつ、完全じゃなくてもいいので少しずつできた現場の仕組みを回してもらいながら、そこからのデータを使うことでこれまで見えなかった現場の状態や判断をしていた人の頭の中がだんだん見えてくる。考えただけでワクワクしますよね。

ーー現場のDXを重要視するに至ったきっかけはあったのでしょうか?

新卒で入社したENEOSでOJTを担当してくださった、私よりも30年くらい先輩の方との出会いがきっかけだと思います。当時私は石油精製プラントのメンテナンスを担当していたエンジニアだったのですが、とある装置の機器で不具合が起きたのでその補修方法を相談したところ設計に問題があると言われたんです。ただ、設計ドキュメントだけ見ると実際に使われている環境は仕様を満たしているので、どういうことか?と尋ねてみると、「設計仕様だとたしかに問題はないが、その機器が頻繁な温度変化を繰り返す環境で使われている、ということまではドキュメントには書かれていない」と言われ、思わずその機器の補修履歴を調べてみたら、他の機器よりも明らかに故障発生数が多くなっていました。

恐らく、理論と経験に裏付けされた膨大な知識がその方の頭の中に入っていて、すごいなと思う一方、「この方がいなくなったら、原因を見つけられる人はいなくなってしまうかもしれない」という考えが頭をよぎりました。その時の経験がきっかけになって、今の私に繋がっている気がします。

私の目標は、ITやデジタルの手段を駆使してそんな優秀なエンジニアの方が頭の中に留めているナレッジを一つでも多く引き出して変換し、社会へ提供できる仕組みをつくることです。その仕組みを使いこなすことができれば、より付加価値の高いサービスが提供でき、エンジニアの地位向上や報酬アップにも繋がり、最終的にはマイスターエンジニアリンググループの事業成長に寄与すると考えています。

ーー今後の情報システム部にはどのような方が必要だと考えますか?

これから新しいものをどんどん取り込んで挑戦していくフェーズに入るので、物事を変革していきたいと考えていて、その上で情熱をもって取り組める方ですね。

具体的なスキルやバックグラウンドとしては、データプラットフォームを1から設計して実運用に落とし込んだ経験や、エクセルでおこなっていた業務をノーコードツールでアプリケーションに置き換えて社内で展開した経験などがあると理想的ですね。あとは、今後も発生し続けるであろう膨大なデータの分析もゆくゆく求められるので、そういった経験がある方も大歓迎です。

今まさに私たちが進めようとしている取り組みをしている会社も最近増えてきているので、SIerやIT系のコンサルティングファームに限らず、事業会社でITやデジタル領域での業務経験があれば活躍していただけると考えています。今後の情報システム部には、さまざまな技術的知見がさらに必要になってくるので、特定領域に尖った専門性も持っている方、技術的に新しい風を吹き込んでくれる方、新たな挑戦を楽しめる方がいらっしゃいましたら、是非一緒に働きたいですね。

マイスターエンジニアリングの情報システム部について、もっと詳しく知りたい方は以下のサイトもご覧ください。


この記事が参加している募集

#仕事について話そう

110,184件