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【大分県日田市】サイクリングと酒と寒波


石松くんから今回の日田サイクリングのお誘いがあったのが昨年12月くらい。

2月23日~24日の1泊プランで休みを調整し、ホテルの予約やお店を調べたりしたがどデカい寒波が来るらしく…

24日の昼くらいから本気出してくるらしいので、朝イチでチェックアウトすれば行けるやろの精神で決行。

ボルト800のバッテリーをモバイルバッテリーとして使うアダプタ(?)を持参していた彼。便利でいいなー。

23日の10時に筑紫野セブン集合で、国道386をひたすら東に突き進むだけの迷う要素ゼロルート。

日田市内まで50km程度しかなく、ついつい練習ペースになったりしたので昼前くらいには日田着。
ここから石松くんが10何年ぶりに行くという高塚神社に参拝。僕も今年何だかんだで初詣行けてなかったし、いっちょう大吉、"獲"りに行きますか…!

日田駅前から登り区間までは本当すぐ近く。
過疎ストラバにセグメントが無いけど、下りを挟みつつ9kmで400mくらい登る感じ。


『高塚神社→』の赤い看板が見えて残り200~300mくらいが椿ケ鼻のラストよりずっと絶望的な激坂。サイクリングとは言いつつ、FTPくらいのペースで走っていたので最後にこの斜度は…キツい……
半強制的にSFRで激坂をノロノロ這いずり回って到着。少し標高が高くなったからとはいえ、路肩に残った雪を見ると明日大丈夫かと少し不安。

スピードプレイユーザーぼく、余裕の歩行。
学業成就、商売繁盛などのご利益が中心だけど、『諸事祈願成就』ということで割と何でもアリなオールラウンダー気質。
お線香の煙を浴びると賢くなるらしいので風下に立ちました。お線香の香りが脳に直接届く。
正式名称は『高塚愛宕地蔵尊』。
ずらりと並ぶお地蔵さまは2000を超えるらしい。

高塚神社は神仏習合の信仰体系っと……
神仏習合は日本古来の神さまへの信仰と、6世紀頃に伝来した仏教が混ざりあった状態。お寺に鳥居があるとか。

神道や仏教の歴史をここで長々と喋るつもりはないので、神仏習合で調べてください。

参拝を済ませ、交通安全のお守りを買ったあとは大吉を引きます。見てろよ。ゴソゴソ…

うおおおこの運命力ッッ‼️
お昼はちゃんぽん。この時震えはせずとも、かなり寒かった。
石油ストーブ、良い…

追い煙をして更に賢くなったところで神社を後にした。
市内まで10km程度なので、下り基調をサクッと走ってゴール。本日のお宿は安心と信頼のルートイン。予約の時点で自転車持ち込みを相談してくれていました。ありがとう。

15時からのチェックインまで時間が余っていたので、日田温泉街らへんをプラプラポタリング。カフェに入ろうと思ったけど、closed……

天才なので事前に着替えを送っておきました。
予約の名前が間違われていて話が噛み合わなかったという小ネタを添えて…


温泉に浸かって、洗濯が終わるまでの間で飲みに行く店を決めるけど…部屋のベッドでゴロゴロしていると…眠気が…

とりあえず、地元の老舗居酒屋に予約を入れて出発!
友達とサイクリング先で泊まって飲んで…最高の休日である。

日田駅前のメインストリートから望む夕日。
明日のことは…いけるやろ笑


今回向かったのは『いちふく』さん。
昭和10年から続く長い歴史をもつお店。

あさり酒蒸し、美味しかった…!

地元の方にたいへん愛されているお店のようで、色々な話をするうちに2軒目に紹介されたお店が…

訪れたのが『天領日田洋酒博物館』。
博物館???しかも開いてそうだけど営業してるのかパッと見じゃわからない。大丈夫なのか?

そろりと扉の鈴を鳴らすと、バスケのオールコート以上の広さはあるような薄暗いフロアにぎっっっしりと展示されたウイスキーの歴史そのもの。
こ、ここは…何?

よくわからないまま、入って右手の方にバーカウンターに続く扉をこれまた恐る恐る開いてみる。
「こんばんは…『いちふく』さんの紹介なんですけど…」
イケおじなマスターが歓迎してくれて、館内の照明をつけて簡単に案内してくれた。

カウンターの木材は日田産。
棚に置いてるウイスキーも全て飲むことが可能なのだそう。お値段は………………
ニッカウヰスキーのルーツは、大汁株式會社から。
当時はワイン製造が中心だったらしい。
ちなみに未開封品。(やばい)


マスター「この車はボトルです。中にウイスキーが入ってます」
ぼく「?????」
人形もボトル。マリリン・モンローのキャップの位置も首かなと思いきや…笑
この機関車もボトル。車両ごとにキャップが付いてる。
ボトルって何だっけ…
世界最小のボトル。
本当に指でつまんだだけで割れてしまう程繊細らしい。
栓抜きからコースターなどの小物にまで徹底的に網羅されたコレクションの数々。
クッキングパパで1話丸ごと使って紹介されていました。127巻です。
どでかい蒸留釜。
触れても良いらしく、ペンペンと不思議な音が反響してました。


マスターが中学生の頃から40年以上かけて1人で集めてきたコレクションなのだそう。
ぼくも失礼を承知で、いち個人のコレクションに対してな○でも鑑定団とか他の博物館とかから声かかったりしませんでしたかと聞いてみたら、なんで○鑑定団で査定する側のお方だった…。そっち側!?!?

もう上のリンク見た方が早いです。
ぼくが聞いた話なんて、南極の氷グラス一杯分にも満たないレベルの上っ面の面だと思います。

ウイスキーは詳しくないお酒好きだけど、素人目で見てもここの歴史的価値は明らかにとんでもないレベルですよこれは……

いちふくさんの導きで、2軒目はバーかなと思ったらとんでもない建物に来ちゃったって感じだ。そりゃグーグルマップで店探しても博物館が引っかかるわけがない。


偶然辿り着いた日田の深淵で普段飲まないウイスキーをキメる。
もう産地も味も何も分からないので、1本目はボトルの雰囲気で選ぶ。ジャケ買い。

ぼくはブラックベルベット。
煙っぽさは控えめでほのかに甘い香りが抜ける飲みやすいウイスキーだった。
グレン フィディック12年。
飲みやすい系の定番としてお出ししているのだそう。
ボトルの鹿のアイコンがオシャだ。


ぼくらが飲んでいると、地元の方で次々にカウンターが埋まっていく。
"そこでしか見聞きできない貴重なもの"を楽しませてもらい、最後の1杯が………

コールドベック(ジョニ黒) 50年代
(右が12年もの)

本当にウイスキー無知なんだけど、マスターや地元の方いわく『やばいお酒』らしい。
美味い。確実に美味い。濃いというか複雑、厚みがあるというか。12年ものと飲み比べをしてみると…なぜだろうか、妙に味が軽いというか薄っぺらい。いや、本当にそんな印象だった。決して安酒ではないはずなのに。

今この瞬間だけでいいから、持てる日本酒の知識をすべてウイスキーの世界に変換したかった。
味の深みとか香りの解釈とか、ウイスキーに対する理解が全く追いついていなかった…。
愛染が一護の霊圧を感じ取ることができなかった時もこんな気分だったのだろうか。

せっかく貴重なお酒を飲ませてくれたマスターに何だか申し訳ない気持ちさえ感じつつ、ありがたく味わわせて頂いて部屋に戻った。

むしろここがウイスキー博物館で良かったかもしれない。もし日本酒博物館だったら『ごめん俺だけ今日ラストまで飲んで更にもう1泊して帰るわ😁』とか言ってたと思う。笑

最後に記念撮影。ササッとカメラを構えてくれた地元の方…BIGLOVE……




そして翌朝……

そう簡単に凍ってもらってたまるかーッ!!
天気的にギリギリセーフ。7時チェックアウトで逃げます。


途中から向かい風と横風がとんでもない強さになり…

朝から気温が右肩に下がり続ける妙な予報になってる。

峠の路面は凍っていなくとも吹雪で足元や手先は氷水に浸けたような状態。
幸いにも追い風基調でどうにか帰れたけど、出発があと1~2時間遅かったらやばかったかもしれない。昼からバンバン吹雪いてたし、本当ギリギリセーフだった。


お互い無事に帰れたので、17時天神集合。


お疲れ様でした!!!

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