見出し画像

エネルギーが溜まったら、本当に学校へ再び行けるようになるのか?

不登校に関する本やネットをみていると、こんなことがよく書いてある。

「まずはゆっくり休んでエネルギーを貯めないといけないですよ」
「エネルギーが溜まったら、再び学校へ通えるようになりますよ」

一方、こういった意見に対して、
「単なる甘やかしだ」
と反論を唱えているものも見かける。

まず、私の意見を結論からいうと・・・
 「真実」
だと思う。

これには根拠がある。実際に私が不登校になって、再び学校へ通いはじめた経験から言えることだ。

私が学校へ行けなくなったのは、小学五年生の三学期。

そして、六年生の三学期の始業式から再び通いはじめた。学校へ行けなくなってから、約一年弱が経っていた。

「なぜ、再び学校へ通えるようになったのか?」という理由を問われると、実はこれといった決め手になる理由がない。

あえて言うならば、学校へ行けなくなる前からチャレンジしていた私立中学受験をするためには、ここでの復学が最後のチャンスと思ったのかもしれない。

あと、田舎に住んでいたので、ほぼ100%の生徒が地元の公立中学へ行く時代だった。だから、私立中学に合格すれば、自分を知る人が誰もいない環境で再び頑張れるからと思ったからかもしれない。

だけど、それだけの動機で再び学校へ通い始められるほど、学校へ行けない気持ちは生易しいものではなかった。

そう考えると、行き着く答えはやはり「エネルギーが溜まったから」ということになる。

そもそも学校へ行けなくなり始めた理由は、いまいちよく分からなかった。今から思えば、色々なことが積み重なり、エネルギー不足になっていたんじゃないかと思う。

もしくは見方を変えると、ストレスが貯まるコップに、少しずつストレスという名の様々な水が溜まっていき、ある日を境にそれが溢れ出し、学校へ行けなくなってしまったのかもしれない。

約一年弱の充電期間、学校へ全く行かず、家にひきこもった。だけど、それによって、少しずつエネルギーがたまり、ストレスのコップの水は蒸発し、余裕が生まれたのかもしれない。

次のような式が成立した時、再び学校へ通えるようになったのだと思う。

学校へ行けない気持ち < 私の中のエネルギー残量 + 何らかの動機づけ(誰も知ってる人がいない私立中学へ生きたい)

実は大人だって同じだと思う。

大人がうつ病にかかると、お医者さんから診断書が出され、休職を勧められる。そして、休職期間中は、旅行などの楽しい行事もストレスになりうるので、「家でゆっくりしてください」とアドバイスされる。まさしく、これはエネルギーを充電するためだ。

別の例でいえば、夜遅くまで残業した時、仮に22時頃としよう。その時間にとっても難しい仕事に取り組もうとしたら、全くいい案も浮かばないし、スムーズに進まない。

だけど、一晩よく寝てエネルギーを充電して、翌朝同じ仕事に取り組んでみると、頭がグルグル回転し、予想外にスムーズに片付けられることもある。

これは一日でエネルギーが回復する例だが、昔不登校になった私はギリギリのラインまで頑張り続けた。だから、エネルギーは干上がっていた。その結果、回復するのに、一年というとっても長い時間を要したのだと思う。

エネルギーは気合で手に入るものではない。仮に気合で手に入れられたエネルギーがあったとしても、それはすぐに消滅してしまう。

だから、今学校へいけない子供たちに伝えたい。

焦らず、ゆっくりとエネルギーを貯めてほしい。
それがどれだけかかるか分からない。
たぶん、ダメージを受けた大きさが大きいほど時間がかかるかもしれない。

でも、いつかきっと
 「学校へ行けない気持ち < エネルギー」
となる日が、必ず必ず訪れるから・・・。

それまで、自分を傷つけず、ゆっくり休んで自分を労ってほしい・・・