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#5『カセットテープ・ダイアリーズ』

みなさんこんにちわ。
ご覧いただきありがとうございます!
荒牧です๑•̀ •́)

さて、少女東京奇襲の #try_of_girl #土曜は映画の日 をやってきましたが、今回で5回目なので2ヶ月企画としては半分になりましたね!
毎週のルーティンになってくると、それはそれでいいものだなぁと思いますね。大変だけど生活の中に組み込まれてくるという、映画や言葉が日常なのはやっぱり好きです。

早く舞台で芝居したいなあ、お客さんの前で芝居したいなあと思う日々です。


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2020年7月11日土曜日
ライブ配信アプリPocochaより配信
『カセットテープ・ダイアリーズ』について
17分30秒 企画説明
19分24秒 映画レビュー
(ポコチャ内アーカイブより)

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2019年に公開されたイギリスの映画。1987年のイギリスを舞台に、パキスタン移民の少年がブルース・スプリングスティーンの音楽に影響を受けながら成長していく姿を、爽やかに描いた珠玉の青春音楽映画。2019年のサンダンス映画祭をはじめ、多くの観客と評論家から大絶賛されている。
監督は『ベッカムに恋して』グリンダ・チャーダさん、主演はヴィヴェイク・カルラさんが務めた。原作はパキスタンに生まれ、現在は英国ガーディアン紙で定評のあるジャーナリストとして活躍し、自身もブルース・スプリングスティーンの大ファンであるサルフラズ・マンズールさんが2007年に発表した自叙伝『Greetings from Bury Park: Race, Religion and Rock N’ Roll』を原作としている。実話ということですね。
本作の原題はブルース・スプリングスティーンが1973年に発表した楽曲『Blinded by the Light』(邦題:光で目もくらみ)から取られている。


あらすじ

主人公は地方の町ルートンで暮らすパキスタン系の高校生ジャベド。音楽と詩を書くのが好きな彼は、日々の生活の中で鬱屈と焦燥を抱えている。閉鎖的な町の中で受ける人種差別や、保守的な父親との確執など、彼の悩みは尽きない。だがそんなある日、モヤモヤをすべてぶっ飛ばしてくれる、ブルース・スプリングスティーンの音楽と衝撃的に出会う。


鬱屈とした時代

まず、映画が始まって黒いスクリーンに文字が浮かんでくるんだけど、それがブルースの『バッドランド』という曲の「夢を語るなら実現するように動け」という1節が出てくるの。で、はぁなるほどなって、正直私はブルース・スプリングスティーンの『Born in the USA』ぐらいしか知らなかったし、知らないまま観に行こうと思って。曲も監督も原作も俳優さんのことも知らずに行ったんですけど。

リスナー[いい言葉だね]

そうそう、いい言葉だなと思ったの。夢は叶うよっていろんな言葉で言われてるけど、自分で動きなさいっていう…この言葉が頭に入って映画が始まって。で、この少年は自分が住んでる田舎町のことを最低な街だって言っていて、最低な街で何もなくて鬱屈としていて、という中でお父さんが保守的で厳格な人、日本でも全然置き換えられると思うんだけど昔ながらの絶対的存在、という家族。自分の意見を持つことが許されないから、日記に自分の思いを書いている、詩と日記が好きな男の子。ただそれを表出する場所はなくて。幼馴染の男の子は彼女もできて楽しそうなのに自分には何もない…という人生。あとは、パキスタン移民だから「パキ野郎」ってめちゃくちゃ差別を受けている、という時代。だからそいういう中で、夢なんて見るもんじゃないと思ってるんだよね。

彼が高校生になった時に学校の先生に作文?小論文?みたいなのを提出するの授業で、で、日記とか詩を書くことは好きだったけど、自信はない、みたいな、ただ認めてほしいとは思っている、という中で先生に「ほとんどダメね、でもここだけは良かった、ここはあなたの言葉だったから」って突っ返されて。「でも僕の書いたものはゴミみたいなものなんで…」って言うと「ゴミでも自分のゴミよ」って!かっこいい!!!!ってなるのよ!この先生かっこいいのよ!!ゴミだとしてもあなたから出たゴミなんだと。


人生が変わる瞬間

それでもお父さんに物書きなんてお金にならないって言われて夢なんて、って思ってるんだけど、まずその抑圧された状態のお芝居が、結構上手だなと思っていて。ほんとに、つまんなそーな(笑)少年なんだろうなって。とてもいいなと思ってたんだけど。これ私もね、すごくよく分かるのよ。親が正しいとか、お金にならないとか、私もそうだったから。芸術がやりたいと思ってて、でもお金にならないって親に言われてそうだなと思って芸術の道を選ばなかったから。

その時にね彼が、友達から「ボスだ」ってカセットテープを借りるんですけど、それがブルース・スプリングスティーンなんだけど。お父さんと対立して鬱憤溜まってる時に見つけて何気なく聞いてみたら…それで!人生が変わる!瞬間!この演出が超いいんだけど!!超いいの!私はここでグッと来たし泣いた!歌詞が全部自分の中にガガガって入ってきて、『ダンシンインザダーク』という曲なんだけど。雷に撃たれたみたいな衝撃で、でもみんなもあると思うんだけど、「この曲私のこと言ってる!」「私のこと!?」みたいなのに出会うと感動するじゃないですか。

リスナー[あるある]

そう、その感動を視覚的に表現しているシーンで、これは演出として監督すげーと思ったんだけど。これは監督が「言葉が持つ意味についての映画だから」と言っていて、だからああいう風に歌詞を資格的に表したんだって。観てる方も主人公が感じる感動を追体験できるんです。で、歌詞もとてもいいの。とても映画的だし、芸術だなって思うの。自分が感じた感動、衝撃をいろんな方法で伝えるの芸術じゃないですか。うん興奮したな。ここが1番好き!

音楽だけじゃなくて映画とかでも、私にとって『ララランド』とかこの前の『スウィングキッズ』とか、自分とリンクして、出会うタイミングも含めて運命だと思うし、そして背中を押されるというね。で、この主人公がこの音楽に出会って人生が変わるんです、やった!最高!ハッピー!みたいに(笑)になってくのがいいの、高揚していく感じ。前向きになるんだけど。あ、好きなものがあるって素晴らしいなって、大好きって思えるっていいなって思える映画なの。


彼を支える女性ふたりの存在

それを支えるお芝居という意味で、ジャベドくんの彼女イライザ役ネル・ウィリアムズさんと、さっき言った先生クレイ先生がヘイリーさん、この女性お二方が彼の人生に大きく関わっていくんだけど、このお二方とてもいいなと思ったのが、すごく意志のある女性で、というのも、主人公が人種差別を受けている人なんだけど、偏見とか差別とかじゃなくて「あなたが持ってるものを大事にしなさい」「意見を持ちなさい」ってバックアップする存在。その意志のある女性を見事に演じていて、目の感じが、ご本人の持ってる目なのもあるけど、嫌味のない、意志が伝わる。彼を肯定する女性なんですよね。先生が彼を評価してくれたお陰で才能が伸びていくんだけど。私こういう女優さん好きですね。


現実を夢に繋げていく

で、それで、この映画のいいなと思うところが、最初にも言ったけど「夢を語るなら実現するように動け」というフレーズで始まって、とても現実的な映画だなと思うの。というのもね、最後に主人公がスピーチをするシーンがあって、彼が気づいたことを夢と大好きなブルースについてのことをスピーチするんだけど、感動的なんだけど。壮大な夢を語るというよりは、今の現実に気づいた、自分の周りに目を向けたからこそ言える思いを話すの。それが遠く離れた夢のことじゃなくて、現実を夢に繋げていくって話で。その終着の仕方が好きだったし、それが最初に出てくるワンフレーズととても一貫しているなと思って、なるほどなと思ったんだけど!ていうのも!このブルース・スプリングスティーンという人が何よりも等身大の歌詞を書く人なんだよね!ということなんですよ。ブルースという人は、劇中にもインタビュー映像が出てくるんだけど、自分のことしか書けないみたいなことをおっしゃってて。だから多くの人に、大衆に受けるんだよね。これはブルースのお話だから、ブルースの信念、訴えたいことを描く映画だから、そりゃそうだよなって。主人公が何に感化されたってそういうことなわけで。
そこが映画とリンクしていくのが、わぁすげぇ!ってなったの。そして振り返って最初に戻って「そうだ、自分が動かなきゃなって」なるし、主人公も自分で動いたから夢が叶ったって話だし。はぁって唸る感じでした。

リスナー[心動かされそうな作品ですね]

そうです、そうでした!好きな音楽に出会って背中を押されて自分を見つけて人生が救われていくって私にもあるし多くの人にもあると思うし、そういう彼の青春映画なので、とてもハッピーないい映画でした!


お父さんの身体表現

スピーチ後に息子と対面するときに、お父さんの頬がピクピクしてるのが好き!緊張とかうまく笑えないという表現が、わざと!?だよな!?と思って。そういう身体表現に心動かされがち女優です(笑)

正直、演出やシーンの繋ぎ、というか起こることがやや都合よすぎるところもあって、んーと思うところもあったはあったんだけど。大それた話ではないんだけど、多くの人に届く話だなと思います!歌詞もいい!!おすすめ!!


次回

わたし、次週7/18がマイバースデーなんですね!

ということで自分が好きな作品やっちゃお!
ということで、

『ララランド』にしまーす!!!!

いえーい!

7/18(土曜)
19:30頃予定
ポコチャにて配信

遊びに来てね☺️☺️☺️☺️


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