サステナブル・ラベル 有機JASマークとは?
【サステナブル・ラベル】
(持続可能な原材料調達や環境・社会的配慮につながる国際認証ラベル)
身近にありながら、なかなか注目する事のないサステナブル・ラベル。
そのマークの意味を知ると、日常のお買い物の商品の背景を知ることができます。
見かけたことはあるけれど、よくわからなかったマークの意味を詳しく見ていきましょう!
Vo.1 有機JASマークとは?
「有機JASマーク」とは、日本の有機農産物や有機加工食品に対する認証マークです。JASは「日本農林規格」(Japanese Agricultural Standards) の略称で、日本の有機食品の信頼性を高めるために、農林水産省や農林水産技術会議などの関連機関によって設立されました。
農薬や化学肥料の使用量の制限、土壌や水質の管理、農産物の追跡管理など、有機JASに適合した生産が行われていることを登録認証機関によって検査及び認証された事業者のみが貼ることのできるマークです。
■ 有機農産物と他の農産物の品質のちがい
有機JASマークは、栽培のルールを定めたものであり、収穫した農産物の品質に関する基準ではありません。農産物の味などは、栽培の方法や農地の条件等の影響を大きく受けます。
■ 有機農産物をつくる、有機農業とは?
有機農業は化学肥料・農薬を原則使わず、可能な限り環境に配慮した栽培法であり、遺伝子組換え技術の利用等を行わず、土壌環境や生物の多様性など農業生態系を守ることにつながります。
有機農業を行っている水田は、農薬や化学肥料を使用する従来型の慣行栽培の水田と比較して、生物の多様性に富んでいるという研究データがあり、有機農業は生物多様性の保全に有効であると考えられています。
また、日本は化学肥料原料のほとんどを輸入しており、国際情勢に左右されにくい安定した食料供給実現のためにも、有機農業の推進を含め、化学肥料の使用低減を進めていく必要があります。
■ 有機JAS規格の種類
有機JASには、有機農産物・有機加工食品・有機畜産物・有機藻類等の規格があり、野菜、米、果実だけでなく、様々な有機食品があります。
しかし、国内で生産される有機農産物は野菜、米、緑茶が多く、格付実績全体の約9割を占めます。
■ 「オーガニック」「特別栽培」「無農薬栽培」のちがい
「オーガニック」
有機と同じ意味。表示販売するには 「有機JAS」マークが必須です。
「特別栽培農産物」
農薬の使用回数と化学肥料の窒素成分量を地域の慣行レベルの50%以下で生産したものです。
【注意:無農薬栽培について】
農薬を使わずに栽培していても、土壌に農薬が残っていたり、他の畑から飛散していたりすることもあり「無農薬栽培」という表記は優良誤認を招きかねません。国のガイドラインでは「農薬:栽培期間中不使用」等の表示をすることとされています。
■ 有機農産物の転換期間とは?
有機栽培へ転換して、種まき等をした時点で2年間が経過している「転換期間」が経過した後に、「有機農産物」と表示できるようになります。多年生作物の場合は、最初の収穫前3年以上の転換期間が必要です。 1年間が経過した段階で認証を受けると「転換期間中有機農産物」と表示できます。
■ 有機JAS認証を選ぶ人は増えているのか?
日本の有機農業の取り組み面積は過去10年で約4割拡大しています。国内の有機食品市場は2,240億円と推計されており、拡大傾向にあります。
有機食品の購入者層は、30〜39歳の小さい子供がいる世代や60歳以上も多く、定年退職後に食への関心が高まり、有機食品を購入する傾向が強いとされています。
■ 生産者から見た有機農産物
有機農産物の価格帯が慣行栽培品よりもやや高く取引されるのは、除草の手間や収量が減少するためです。
有機栽培米と慣行栽培米における労働時間や収量を比較してみると、有機栽培は化学的に合成された除草剤を使わずに除草を行うため、慣行栽培に比べて労働時間が長くなる傾向にあり、有機栽培では慣行栽培に比べて収量が減少するというデータもあります。
■ エシカル消費を目指して
私たち消費者からは見えにくく、普段あまり気にかけることがない“製品ができるまでの背景”を確認する方法の一つにサステナブル・ラベルがあります。
農産物や食品には、生産者の方々が自然環境を守りつつ生産した「有機JASマーク」がついています。お買い物の際には、この認証ラベルを頼りに選ぶ習慣を取り入れてみませんか?
執筆:mySDG編集部
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