研究)「潜在看護師の復職支援」ー現職看護師の問題と対策

2-1.現状の問題点
 4年に一度行われている「2012年病院看護実態調査」(6)によると、
毎年看護師の離職率は低下している。
しかし、この調査における離職者には、
「働いていた病院を退職しただけで、他の病院等で再び働いている人」と、
「看護職自体を辞めた人」が含まれるため、
真の離職率である「看護職自体を辞めた人」の割合を見ることは難しい。
とはいえ、全体として、離職率が下がり続けていることは事実である。​

(図1:看護職員離職率の推移)
(6)日本看護協会(2013):2012年 病院における看護職員需給状況調査​.


2-2.日本看護協会の対策
 日本看護協会は、看護師の「労働条件の改善」を主体的に訴え続けている。
看護師の置かれている労働状況の抜本的な改善をすることで、
看護師の定着促進や潜在化を予防することを目的に、
日本看護協会が行った「看護職確保定着推進事業WE NEED YOU」(7)が効果を挙げたと言える。
 この取り組みは、2007年から3年間行われており、“離職されない”という視点に立って、
「看護師確保対策」から「看護師定着推進対策」へと、これまでの対策からシフトしたものである。
この取り組みでは、3年間の事業のうち、1年ごとに対象や目的を決めて計画が立てられた。(図2)

(図2:WE NEED YOU 3カ年計画)

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