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プロ野球チームを応援するのは一種の依存症か〜少し距離を置いてみよう〜

プロ野球見るのを辞めたい…

いわゆる「推しチーム」があると、何度もそんなことを思うものだ。

筆者もかれこれ30年以上も某乳酸菌飲料会社のチームのファンでありまして、電車で2時間くらいかけて、そのホームスタジアムに観戦に行ったり、20年近く前に、そのチームのファン向けチャットルームも主催していたこともあった。

そんなプロ野球観戦が、自分のQOL(クオリティオブライフ)を下げているように思えたので、少し距離を置いてみよう。というお話。

プロ野球(の特定チーム)ファンというのは、なかなか業の深い趣味である。

勝てばスポーツニュースのハシゴをして、ウッキウキしてるけど、負けると大変だ。再三チャンスを作るものの残塁を重ねる拙攻負けや、圧倒的有利な状況からリリーフが打ち込まれて逆転サヨナラ負け…orz。ともなると、次に推しチームが勝つまで悶々とした時間を過ごさないといけない。

ただ、推しチームがシーズン通して不調だと生温かく見守り、「ワシが育てた」と言わんばかりに若い選手の光る部分に目を留めたりすることもできる。もっと負けて来シーズンのために「膿を出し切った方がいい」などと思うことさえある。希望があるのだ。

推しチームの勝敗が気になって仕方がない!

不思議なもので、悶々とすることが多いのは推しチームが好調で優勝の可能性がある時だったりする。のるかそるかの大接戦になったらもうたいへんだ。そんな時はまさに一試合一試合が大きな意味を持つ。プロ野球の試合はシーズン中はほぼ毎日あるので、推しチームの勝敗が気になって胃が痛くなることさえある。

筆者が子供の時は、地元球団が無い地方だと例の全国放送をやっているチームくらいしかリアルタイムに知ることができなかった。今では困ったことにインターネットで逐一試合状況をチェックすることもできるし、すぐにファンとも繋がれて、一喜一憂する機会を簡単に手に入れられてしまうのだ。

特に中毒性が高いのは 5ch系の実況ch である。ファンが逐一テキスト実況してくれるやつだ。ファンの感情がストレートに書き込まれることが多く、チャンスをフイにしたり、打ち込まれると容赦ない罵声が浴びせられ、勝ち越しやピンチを凌ぐと「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」と書き込まれる。

かなりドーパミンが出てるはず

ファンはプレーヤーではないので、試合をコントロールすることはできない。また野球というスポーツは意外と「運」の要素も大きい。だから推しチームを実況応援している時は脳の内部は運任せのギャンブルをやってるのに似た状況になっていると思われる。

もちろん「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」が書き込まれる時が一番高揚するのだろうけれど、一打逆転のチャンス(あるいはピンチ)でハラハラドキドキしているときがたぶんドーパミンが出ていると思われる。誰もその一球先がどうなるのか読めないからだ。

ドーパミンというのは厄介なもので、それが放出されないとイライラや不安、体調不良といった症状が出てくる。いわゆる「離脱症状」だ。だからプロ野球は依存症になり得りうるものだと考えている。

現実的には

プロ野球というのは詰まるところ、私企業が宣伝広告のためにやっているに過ぎない。推しチームが優勝したところで、自分の生活が好転するわけでもない。勝者がいる限り、敗者がいるものであり、12球団のうちその年の最後に笑っていられるのは一球団のファンだけだ。つまり、「幸福感」の期待値はあまり高くない。だからこそ推しチームが日本一になった時の高揚感は物凄いのだろう。

さらに、「自分の推しチームさえ勝ってくれればええんや」という極めて唯我独尊・自己中心的な思考がもたげてきているかもしれない。推しチームの他にもプロ野球チームというものが存在し、そこにも多数のファンがいるにも関わらずである。これだと、自分がだんだんと狭量になってゆくようで、人格的に健全にはなってゆかないような気もしてくる。

少し距離を置いてみよう

いずれにしろ精神衛生上よろしくないので、距離を置くしかない。今回はいくらかの期限を決めて、シーズンの大勢(こう書くと、某チームの抑えピッチャーのことを思い出してうずいてくるのだがw)が付くまではプロ野球の情報をウイルスのようにみなしてロックダウンさせることにした。

ただ、これが簡単ではない。仕事から帰ってきて、ちょっとしたひとときとか、心配事でストレスを感じている時には、ふと手元のスマホを操作して推しチームの試合結果をチェックしたくなるからだ。やはり脳はドーパミンの放出を求めているのである。

それで、試合状況をチェックしたくなったら、以下の点を思い出すことにする。

・推しチームが勝っても、自分の生活がよくなるわけではないし、自分の人格が向上するわけでもない(かえって自己中にさえなる)。
・試合をチェックしても、またそのチームの心配やストレスが重なるだけ。
・試合をチェックしはじめたら、結局ゲームセットまで気になって時間が無駄になる。

試合結果をチェックしない!と決めてから1〜2週間は割と辛い。ドーパミンに基づく行動というのは簡単に習慣になってしまうのだろうね。 

果たして自分が設定した期限まで頑張って、ドーパミンに勝てるのか? その勝利と推しチームの勝利、どちらが幸福を感じるか?楽しみでもある。

[了]








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