こころのなか
テーマパークに行った帰りの満員電車、女の子がとにかく泣いていた。鼻をすすりながら終点で降りるまでの20分間涙が止まることはなかった。一緒にいた男の子は背が高くて見えなかったけれど、恐らく楽しそうな表情ではなかった。
夢から解き放たれた電車の中なのに、2人の頭は可愛く飾られたまま。
その日私はとっても楽しくて久しぶりに心から笑えた素敵な1日だった。
でも誰かにとっては、心に深い穴が空いてしまう日だったりする。
そんなことを思い知らされた帰り道だった。
最近よく、胸の奥底からこみあげてくる息ができなくなるような内臓にドライヤーを当てられてるようなそんな気分になる。視界的にはモノクロの世界がずーっと続いている。
「モノクロに見えるんだよ!!ねえ!!わたしだけなの!?色がみえないの!!」
って叫んでいても誰にも届かないし聞こえない、金縛りみたいな感覚さえある。
モノクロが晴れたテーマパークだったからこそ、もしかしたらこれからモノクロになってしまう人を目の前でみたときにありきたりな言葉だけれどギュッと抱きしめてあげたかった。大丈夫だよ、聞こえてるよって声をかけてあげたかった。
色のある世界は美しいってこと、私は知っている。
だから大丈夫。がんばれ。がんばれ。
がんばろう。