コミュニケーション

妹が「面白いから読んで欲しい」と『This コミュニケーション』という漫画を貸してくれた。
人から勧められた漫画を読むかどうかというのは、自分の中のタイミングによるところが大きい。
生活の隙間にうまく入り込んでくれたり、心の隙間にうまく入り込んでくれたりしたら読める。
日々、TLには「この漫画がすごい」という情報が溢れている。
当たり前だけど漫画の数より「この漫画がすごい」と言っている人の数の方が多い。そんなにみんなが良いと言ってるなら「読む/読まない」となるのもその時の自分のタイミング次第。
一話を読んで「確かにこれは面白い!」と思うがそれ以降も継続して最後まで読めた漫画は殆ど無い。
面白いという余韻に浸る間もなくまた次の情報がやってきて忘れてしまったり、生活の忙しさにより忘れてしまったりするからだ。

しかし、貸してくれた12冊の単行本が目の前に積まれている状態では忘れようもない。こういう所が、自分が電子書籍ではなく紙の本に結局戻ってきてしまう理由だと思う(一念発起して買ったkindleが紙の本の下に敷いてある)。

ネタを作る参考に少しでもなればいいか、ぐらいの気持ちで読み始めたが面白かった。久しぶりにマンガを読んで夜を明かす、という事をした。
物語の軸となる設定がありそうで今まで無いもので(厳密には違うのだが)ループものの新解釈という感じがして、のめり込めた。
この内容で「コミュニケーション」という言葉がタイトルに付いている事に最初は疑問だったが、最後まで読めばこのタイトルで合っていると思えた。

先日『ドライブ・マイ・カー』『悪は存在しない』を観て、どうしても同監督の『偶然と想像』が観たくなり、唯一近くで一週間だけ上映していると聞き千葉県の柏まで観に行った。
以前からこの映画の噂は聞いていて、タイミングを逃したけどサブスクに来たら観るか、ぐらいの気持ちでいたら全く来る気配もなく、自分が観なくてはいけない映画の予感がしつつも観れない事にもどかしさを感じていた。
そのタイミングで上映していると聞けば、柏にでも行くよ。

(ついでに柏にラーメン二郎があったので行った。単独前、最後の大食いだと思っている。駅から3キロ離れているので半分諦めていたけど、なんと無料のシャトルバスが出ていた。正確には店舗が入っている複合商業施設行きのバスだが”バスに乗って二郎に行く”という事を経験してみたくて、バスに乗った。乗り場に行ったら高校球児と思しき男子学生が20人いて、5分後にさらに30人増えて、自分がバスの乗車時間を間違えていた事に気づいた。バスに乗っている間、窓からの景色を見ていたがあまりにも地元に似ていて嬉しかった。大きい薬局とファミレス。関東にも地元に似た景色があると、こっちに来るまで知らなかった。ラーメンは美味しかったが、少なめにしたはずの麵量がおそらく少なくなってなかった。久しぶりに涙目になりながら食べて、地元を髣髴とさせる広いゲームセンターでチュウニズムを2回プレイして、バスに乗って駅に戻った。総じて夏休みだった。)

『偶然と想像』を観ている間も頭には「コミュニケーション」という文字が浮かんでいた。

ネタバレになるかも知れないので柏まで行く予定の人は注意を。

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