教科書食べたら音読できなくなった話

タイトルに、全てを書いてしまったので、
もはや追記する必要も無いのですが、聞きたいですか?
あなたも物好きですね……

高校生、教科書を食う。

社会科系の教科書の裏表紙に「この教科書はサトウキビを原料に含みます」みたいな文言を見つけ、一瞬で
「お前甘いんか!?!?!?」と思ってしまいました。
サトウキビに対して凄くポテンシャルを感じましたし、何より甘い教科書に興味がそそられました。
高校生ながらに、お菓子の家を見つけた気分です。

適当に後半ページを開き(後半部分は授業で取り扱わない内容が多いので支障がないと思っていました)、勢いよく破ります。

ビビビビ…ビリ。

破る前は「おいおい、もしかしてみんな気づいてないのかな、これ食べれるんだぜ…」と得意げでしたが、いざ破ってみると急に罪悪感が芽生えます。

思い返せば大体そうです。得意げな時ほど無敵だと勘違いしがちですが、少し時が経つともしかして世界で1番愚かすぎてギネス載るかも、と思います。

まぁ、少し申し訳ないですが。このまま捨てるのも可哀想なので、頂きます。

ムシィッ…ピリ

1口教科書を口に含むと頭の中が「?」で埋め尽くされました。

(全然甘くない………)

鼻セレブと同じくらい甘いだろうと踏んでいたので、無味だった瞬間時が止まりました。そして同時に、謎の焦りが出てきました。(いつものこと)

(やべーーー!普通に教科書食っちゃったよ!でも、授業で絶対やらない付録みたいなページだし、大丈夫だよね)

謎の授業で絶対やらないという自信があったので、自分を落ち着け、教科書を机にしまい、今あったことは忘れる事にしました。

再生される「食べた記憶」

我ながら教科書を食べるJKは居ないと思ってましたし、今回ばかりは(今回も)周りに言えない事やっちまったと思っていたので、早々に出来事を忘れようと努力しましたし、案外簡単に忘れました。

が。

「じゃあ、今日は付録を使いますからね、付録の文章を……白田さん読んでくれるかな」
『はい』

言われた通りにページを開…けません。
Not Foundです。ページが存在しません。

それまで忘れていた記憶が一気に蘇ります。
慌てて近くのクラスメイトに教科書を見せてもらおうと交渉します。しかし、その様子を先生に見られ、

「教科書忘れたのか?」と不機嫌そうな声が聞こえます。
『えっ、あ、いや、あ、あるんですけど、な、無いんですよね』
「誤魔化すんじゃない、忘れたなら最初に言いなさい」
『いや、あの…』

一瞬どう言い訳しようか迷いましたが、この千切られた教科書を見せて、いじめられて破られたなどと勘違いされては困ります。

『食べました』
「ん?なんだ?」

先生の声色的に「なんだ、食べたのか」のトーンだと思いましたが、全く違いました。単に聞こえてなかっただけです。周りのクラスメイトも「食べ、食…食べ?えっ?」とマジで心配しています。

『…………あっ、忘れました。すみません』
「気をつけろよ、はい、コピーあげるから取りに来い」

これで正しかったはず…と考えながら、教壇に近づき、『すみません……』と2度ほど告げながら教科書のコピーを貰い、席に戻りました。
冷静に考えて、サトウキビ使用の文字があったからと言って、教科書を食う高校生は普通じゃないですし、割と大事になりそうだと感じ、結局物忘れを報告しない生徒という事でチェックがつきましたが、これで済んで良かったです。
教科書むしゃぶりつきJKと呼ばれるよりは、物忘れ激しめ女子高生の方が全然マシですからね。
私自身もそうですし、きっと先生だってそうです。教え子が教科書食べてるなんて知ったら、気を病むかもしれません…。

ちなみに、教科書食うと便秘になるし、授業で恥かくのでオススメしないです。

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