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娘に爪を切ってもらいたい!課題を解決しにいくのではなく、きっかけを促す環境を作る

娘の爪が長い!!

これがここ半年くらいの僕の悩みでした。
切らないと友だちと遊んだ時に危ない、娘も危ないし、友だちも傷つける。爪が剥がれた私の友人のエピソードとかを話しして、爪が剥がれたときの悲惨さも話してみました。

それでも全く切らない。というか、私が話すたびに、うるさい、と言われる。
あー、思春期になりかけてるー、と思って、どうすれば爪を切ってくれるか悩んでいました。

そんなある日。
妻と娘で料理をやろう、と娘が料理本から作りたいものを選んで、楽しそうにこれ作りたいー、と話していました。そして、材料を買って、これから作るという時に妻が
「料理する時に爪が長いと雑菌が入るから切っといて」
というと、すんなり娘が爪を切り始めました。

もう私には衝撃的で、テンション上げて「爪切ったね」とか言うと、切るのをやめそうなので、できる限り触れないようにそっと見守りつつ、内心はもうテンション上がりまくりで血圧あがるあがる。

まさに自分ごとになった瞬間に立ち会えた感じでした。

ギャップフィードバックで人は動かせれるのか

この娘の爪切り話が、最近会社でやったフィードバックワークショップのロールプレイと重なったので、ちょっと対比して書いてみます。
(いま会社でフィードバック文化を作ろうといろんな取り組みをしています。)

ロールプレイは、毎日お昼にコンビニ弁当を食べている同僚(単身赴任)にもうちょっと健康的な食事を取ってもらいたい、というフィードバック。

「お昼を欠かさず買ってきてえらいね」
「だけど、コンビニ弁当ばかりだと、家族が心配するんじゃない?」
「コンビニ弁当だと栄養が偏るから、健康にも良くないからね」
「健康にいることが家族が一番喜ぶよ」
「発酵食品が体に良いので、味噌汁とかつけるのはどう?」

という感じに、まず褒めてから、ギャップの状態と影響を伝えて、改善案を提示する、みたいな感じで相手に伝えると、相手も受け入れやすいかも、という話しをしました。

このときは、いい感じにフィードバックできるかも、と思ったのですが、後から考えると、絶対やらないなー、という感じがしていました。

その後、「みんなのフィードバック大全」という本が会社から配られ一通り読んでみると、一般的な善悪のストーリーで善を押し付けるんじゃなくて、どれだけ相手のことを考えて伝えられているか、欠点を指摘するのではなく、なってもらいたい像を持って相手に伝えているかが大事、ということが書かれていて、テクニックに溺れたらダメだな、というのを教えられました。

フィードバック大全を読んだ感想はnoteにまとめています。

(ちなみに、フィードバックワークショップでは正解がどうこうというのではなく、みんなでやってみてどうだったかを考えるワークショップでした。上のやり取りが正解として教わったわけではなりません。正解を押し付けるのではなく、みんなで育てるという文化を作ろうとしている会社で働けて、実は幸せなのかもって思います。いまできてるかどうかはさておき、そういう文化にしようとしていることが素晴らしい!)

相手になってもらいたい像を真剣に思い、信じて伝えられるか。

このフィードバック大全の学びを活かそうにも、爪を切ってもらいたい、というのは、相手の何を真剣に願っているのか。。ちょっとよくわからなくなりました。単なる親のエゴの可能性もある。いや、親が子に教える一般常識で安全の知恵なのか。

そんなときに妻がさらっと爪を切らせていたのが本当に衝撃的で、「なってもらいたい像」とかの前に、自分の中でのやっても良いと思えるタイミングがあるんだろうなって思わされました。

機を熟すのを諦めずに信じて待つ

娘の爪切りエピソードの場合、爪が割れて悲惨なことになった、とか、友だちを傷つけた、とかは、爪を切らないといけないタイミングになると思うのですが、できれば失敗前に行動に移せるようになりたいですね。失敗してから気付くというのも大いにあり、小さな失敗をするのが大事、とも言われますが、でもやっぱり失敗前に行動に移せる方がいいですよね。

娘にとっての爪を切るタイミングは、料理をしたい、という欲求だった。

こんなのわかるわけないし、狙ってやれたらもはや気付きのプロですね。

そして、料理をする時に、
「爪を切らないと料理できないよ!」
と今まで切らなかったことを攻めた形でいうのではなく
「料理ときは雑菌が入るから爪切っといて」
とあくまでポジティブに理由も添えて、自分ごととして伝えたのがすごく良かった気がします。

何かをやるきっかけって人それぞれ違う。

だから、今できてないことを攻めるのではなく、やれと言ったけどやらない相手が悪いという自己責任として押し付けるでもなく、必要になったタイミングでやろう、と言う。

フィードバックってタイミングで、そのタイミングを諦めずに待ち続けられるかが娘の爪切りエピソードから学ばされました。

きっかけが散りばめられた環境を作る

いつになるかわからないタイミングをずっと待ち続けられることが会社でできるのか。よいタイミングが来るまで、できない社員をそのままにしておけるのか。

これはお互いうれしくない状態だと思う。

だから、僕はきっかけを与える環境作りをやっていきたい。タイミングを待つのではなく、タイミングを作りに行く。狙ってやるのではなく、きっかけになりそうな環境や場作りをたくさんやる。その中で、相手の関心事を感じて、きっかけを促す。そういう環境や場作りは組織として積極的にやってもいいと思います。

僕が哲学を面白いと思えたのは、荒木博行さんのvoicyのおかげ。荒木マスターが熱く面白さを語ってくれたからこそ、私もその面白さに共感できました。

こういう相手を持ち上げていける環境づくりを頑張りたいです。
例えば、最近私が会社で開催した読書会なんかは、相手の関心事を感じて、持ち上げていくいい機会なのかもしれないです。

まだ具体的にどういう環境作りや場作りをしたらいいのかわかってないですが、少なくともできてないことを相手の自己責任にせずに、なってほしい状態を想像した上で、良いきっかけを作る努力はして行こうと思います。

即効性はないだろうけど信じて続けていこう

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