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ノースリーヴ・メロウと夏のあとがき/tie the “Sparkles”

ノースリーヴの季節が終わる。

透けるリボンも、ピーコックブルーの羽のついたイヤリングも、砂糖水とレモンの自家製レモネードも。

ここ2カ月ほど、ぼんやりと考えていること、ふと閃光のように思いついたこと、ただ好きなこと、強い風に流される雲を虫とり網で掬うように書いていた。全部は拾いきれないからこそ、すこしでも残せて良かったと思う。きっと未来の私はいくぶんの恥ずかしさをもって、ドリーミングな己をふりかえるんだろうけれど。

いいことも悪いこともあった。時間をむだにしたと感じることもあったし、人に裏切られたような気持ちになることもあった。

◇8月31日のtweet

何かを作り出そうとするといろいろなことがあるけれど、私はビルとビルのすき間にふりそそぐ光を信じたい。

暗い場所で毛布をかぶせ、視界をさえぎり優しい言葉で語りかけてくるものに、いっそ堕ちたらどんなに癒されるだろうと思う時も、私は私自身をあきらめたくない。次こそは絶対にあの光に届いて、たとえ僅かでもきらきらしたものを取って来たいと思う。

一片のスパンコールみたいな、タイニー・タイニー・リトルスター。私はそれらを集めてつないで、懸命に何かを残そうとした結果として大切に持っていたい。

願わくは私は私の人生を、きらめきに飾られたロマンティックな詩集みたいにしたいのだ。

きっとこれは、少々甘めの文体で書く、私の夏のあとがき。

誰かが上手に作品解説してくれるだろうか。「ちょっとよく分からないけれど、いいところもあるよね」と。

自由自在に両腕を、思いきり伸ばすことをゆるしてくれたノースリーヴを洗って、いくつかの夏の思い出とともにクロゼットへ。

誰のクロゼットもこんなふうにいま、ひと夏の記憶と生まれたての夢を混ぜ合わせる。季節の変わり目のチューニングは、きっともうしばらくつづく。

まとまりのつかない、ゆるく垂れたままの思考を整理して、明日から遠方へ取材に行く。台風が心配ではあるけれど、私にオファーして下さった方に会えるせっかくの機会だから延期されないといいな。そしてまた書こう。

まるで、紙がいちまいいちまい浮かび上がって吸い込まれていきそうな高い空に、いままでのように、これから始めるように、ありったけの言葉を。





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読んでくださってありがとうございます。夏のあとがき。


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