チャイニーズドラゴンと新宿二丁目

先日、チャイニーズドラゴンと呼ばれる準暴力団が乱闘事件を起こしたのが話題になりました。今回はそのチャイニーズドラゴンと新宿二丁目から連想した社会問題について論じていきたいと思います。

チャイニーズドラゴンとは

まず、チャイニーズドラゴンとは何かご存知ない方もいらっしゃると思いますので、ご説明します。
チャイニーズドラゴンというのは、中国残留孤児2世を中心として結成された団体で,準暴力団と指定されています。
中国残留孤児というは、戦後の混乱で中国に置き去りにされてしまった子供達のことです。彼らはそのまま中国に残り、子供を作りました。その子供がチャイニーズドラゴンの主メンバー達です。戦後の中国では、反日情勢により、日本人は差別されていたので、彼らも相当苦しい思いをしていたはずです。ところが、混乱が終わり、彼らも日本に帰ってくる事ができるようになりました。これで差別の苦しみから解放されると思った事でしょう。しかし、今度は日本でも中国人だと言われ、差別される事となったのです。ひどい仕打ちですね。こんな仕打ちを受けてはひねくれてしまうのも無理ありません。
このようにして差別をされ、グレてしまった中国残留孤児2世達が結成したのがチャイニーズドラゴンです。

チャイニーズドラゴンと新宿二丁目の類似性

私はこの経緯を聞いて、チャイニーズドラゴンと新宿二丁目は似ているなと感じました。
その理由をお話しします。
新宿二丁目は、LGBTの人々が集まっている街です。彼らは、多かれ少なかれ人生でセクシャルマイノリティとして、抑圧され、差別を受けてきました。そんな抑圧もなく、自分を解放できるのが新宿二丁目という街なのです。
LGBTの抑圧とは非常に辛いもので、私も学生時代は思い悩んだものです。
ここだけの話、新宿二丁目では高校生でも普通にゲイバーで働いて、お酒を飲んでいたりします。私も初めの方はびっくりしていました。未成年ばっかりなのですから。話だけ聞いていたら半グレですね。
でも、新宿二丁目で遊ぶ彼らは本当に楽しそうなのです。学校生活では自分を偽って生きている訳ですから、そんな彼らを見ているといい友達ができて本当に良かったなぁと思います。
このように、新宿二丁目も差別を受け、抑圧されていた人々の集まりなのです。
この点がチャイニーズドラゴンと似ていると思いました。

でも、私は思いました。

グレているチャイニーズドラゴンは本当に幸せか?

学校にもろくに行かずに、酒ばかり飲んでいる二丁目の高校生達は本当に幸せなのか?

この問いに彼ら自身は心の底からイエスと答える事はできるのでしょうか?また、私もこの状況には疑問を抱かざるを得ません。ほぼ毎晩酒を飲み明かしている二丁目の彼らはしょっちゅう心を病んでいる様子を見る事があり、手放しで幸せそうとは言えないのです。
でも、かけがいのない彼らの居場所を奪う権利は私たちにはありません。ではどうしたらいいのでしょうか?

健全で自然な居場所をつくる必要性

私は、このような問題が生まれないためにはやはり彼らにとって新たな居場所となるところが必要だと思います。でもその居場所は準暴力団であったり、バーであったりなどの彼ら自身が不健康になる場所ではなく、健全な居場所であるべきだと思います。
また、よくあるように、無理矢理、「みんなの居場所〜」などといって、胡散臭く不自然な居場所をつくっても人は集まらないと思います。居場所はお互いの傷を舐め合うものではなく、個々の意志から自然と生まれるものでないと自信を保てないと思うからです。
では、健全で自然な居場所をつくるためにはどうしたらいいでしょうか?
私は、カフェなどのアルバイトを提案します。アルバイトの店員を、マイノリティの属性に属するものだけに絞って募集するのです。
これは一つのアイデアですが、今後もっと他にマイノリティ達の健全で自然な居場所が増える事を祈っています。




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