「アラジン/ジャファーの逆襲」感想
1994年の作品
監督:ジョン・マスカー、ロン・クレメンツ(共に「リトル・マーメイド」)
時間:1時間10分
1,あらすじ
前作のラストでアグラバーを乗っ取りランプの魔人の力を手に入れたジャファーだったが、相棒のイアーゴと共にランプに封印されて砂漠の果てまで飛ばされていった。イアーゴはランプからどうにか抜け出すが、ジャファーの横柄な態度に嫌気が差してランプを井戸に捨て、アラジンに取り入って再び王宮暮らしに戻るためアグラバーに向かう。
アグラバーに着いたイアーゴは、アビス・マルら盗賊団に襲われていたアラジンを偶然救ったことで、そのことに感謝したアラジンと共に王宮に戻る。その日の夜、アラジンはジャスミンとサルタン、世界旅行から戻ったジーニーと一緒に夕食を楽しんでいたが、イアーゴのことを中々言い出せずにいた。そこに、ラジャーに追われたイアーゴが乱入し大騒ぎになる。サルタンとジャスミンは、アラジンが自分たちに黙ってイアーゴを王宮に入れたことに怒ってしまう。落ち込むアラジンだったが、ジーニーとイアーゴの協力を得てジャスミンと仲直りし、翌日にはサルタンと仲直りのために遠出することになる。イアーゴもアラジンの人の良さやジーニーの底知れぬ明るさにあきれながらも、「いいヤツになるのも悪くない」と彼らと生活する中で心境が変わり始めていく。
一方、砂漠の井戸の中からランプを見つけたアビス・マルは、ジャファーを呼び出してしまう。ジャファーはアラジンに復讐するため、アビス・マルを丸め込みアグラバーに向かう。
引用;Wikipedia
2,感想(ネタバレ全開注意)
単純な友情の物語としてみれば、普通に楽しめる作品ではあった。
前作「アラジン」のヴィランであったジャファー、前作では支配欲などからアグラバーの侵略計画を立てたが、本作は共犯者アビス・マルとアラジンへの復讐という感情から誘拐や攻撃を仕掛ける。前作以上にヴィランの邪悪さが醸し出されていた点はよかった。
また、イアーゴが人を貶める立場から人を救う、善い行いから感謝される気持ちよさを布石として、ジャファーに逆らえなかったとはいえアラジンを騙してしまった罪悪感から、命を顧みずアラジンをジャファーから救出しようとした点は前作からのテーマではあるが、友情の良さみたいなものを守った点ではよかった。
アラジンが国務大臣を辞退した点、最後に一番印象に残る場面で、彼の性格らしくなりたい自分、外への気持ちや自由さが強調されていてアラジンの魅力が光ったフィナーレだった。
全体的には前作を「守る」ような作品で、続編らしい追加の要素は特に見当たらなかった。
フレンドライクミーのような曲調でありながら、どこか悪さを感じるジャファーの曲は聞いてて、とても興味深かった。
※追記:ジーニーが世界を回った果てに友のいるアグラバーに返ってきたことについて、我々が故郷を懐かしむのは実は場以上にそこで過ごした日々とか友とか形があるもの大きいものではなく、小さいものとか無形のものなのではないかと考えた。なのでイアーゴとアラジンの友情の良さを見せたのはジーニーが帰ってきたことがある意味の伏線となって演出されたものなのかもしれない。