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わたしはわたし

今日はこの曲を聴きながらつらつらと文章を書いている。

飲み屋で働いていれば都合の悪いお客さんを自分の意思で弾くことができる。けど風俗は、予約を入れられてしまえば行かなくてはならない。なので自分の好きなお客さんだけ接客するなんてそううまくはいかない——いや、うまくいく、うまくいかせるんだ。

昨日私が敬愛している女と少しの時間酒を飲んだ。彼女も私と同じく、夜に生きる人間だ。「私らは酒を酌み交わさないと、顔を合わせて話さないとダメだからな笑」とLINEを打って、約束の日までしばらく彼女と会えてないなあと思いを馳せた。

お金に色がつくなんて話を前にnoteで書いたけど、未だに変わらずそう思っている。それは歩合制で仕事をしている私ら水商売特有の考え方なのかもしれない。

私は風俗で書く写メ日記も全て本当のことを書いている。伏せるところを伏せるだけ。本当のことだけしか書かない。嘘を書いて嘘で固めて接客して、それで頂いたお給料で飲む酒や食べる飯、払わなければいけない家賃で生活するのは果たして幸せと呼べるだろうか。私はそんなものは嫌だ。風俗でも、名前は違えど飲み屋で立ってる私と変わらず「わたし」としてやっている。たくさんの名前を持っているが、たくさんの名前ひとりひとりが顔を合わせた時に恥ずかしいと思ってしまうようなことはしたくない。お金がなくてカップ麺を啜る日々を送ったって構わない。そのカップ麺を買うお金が幸せなお給料から出ているものであれば。

昨日彼女は「だから私はお金をたくさん持ちたくない。金持ちになりたくない。この感覚がなくなってしまいそうで怖い。仮に金を多く持っても、きっと人を幸せにすることに使ってしまうから」と言った。私も彼女と同じ考えだ。いつまでも金がなくていい。金が欲しくて風俗で働いているわけではない。人間は生きているだけで金がかかる厄介な生き物なので、必要なものだけ払えればそれでいいんだ。私にとって必要なものというのは、恩とか借りとか、そんな簡単な言葉で表せないようなものを返すのも含まれる。そしていつしか、自分のお城を持つためのお金も。

今、みんなの居場所になれる場所を借りるための推薦状を書いてもらうよう常連さんに頼んでいる。もちろん強制はしていないが、120人以上のお客さんとひとりひとり大切に連絡をとって、既に70人以上の人が協力してくれると言ってくれた。今までの私を爽やかな風で清算してる気分だ。かつて常連さんに言われた「あなたは愛されてる」という言葉が身体に染み込んでいく。もちろんのこと、私も愛しているよ。本当に愛してるんだ。だからこの間「お客さんに恋をしている」という書き方をした。私の不器用な愛を受け取ってくれてありがとう。私はみんなの居場所を作りたい。ここでお酒飲んで明日から頑張ろうって、ここがあるから大丈夫って、そんな幸せに満ち溢れた居場所を作りたい。

風俗のお客さんも、私の本当のことしか書かれていない日記を見て呼んでくれるモノ好き(いい意味で)もいる。素晴らしいことだ。わたしはわたしだし、あなたがあなたでいられることを願っている。ああ、この気持ちをうまく言葉で表現できないのが悔しいな。左脳を持ってかれたからな。文章で表しきれないものは今度、居場所ができたらゆっくり酒でも酌み交わしながら話そう。

みんな愛してるよ。本当に愛しているよ。返しきれないものがたくさんある。私はまだ死ねない。大好きだよ。本当に、大好きだよ。たくさんのありがとうを胸に大事に大切にそっと抱えて、わたしは幸せに生きています。

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