夢より大切なもの~舞いあがれ~

朝ドラの「舞いあがれ」。主人公の名前が自分のペンネームと同じなので毎朝「まいちゃんがんばれー」と思ってみている。

今週あたりからファンがびっくりする展開。
だれもが主人公の舞ちゃんがパイロットになる話だと思っていたのに、リーマンショックっでいろんなことが大きく変わる。
特にお父さんが他界したことが大きい。
なんとパイロットをやめてお父さんの工場を継ぐと決心した!!

裏事情の記事がTLで流れてきたんだけど、どうやら脚本家ははじめから、大阪の工場の話を書きたかったらしい。けど、プロデューサーが途中でパイロットも目指させてほしいと言い出したとか。
そう考えると、その二つが入り混じってこうなったんだな。

朝ドラの放映後の番組に死んだお父さん役を演じていた高橋克典さんがゲスト出演していた。
天国にいるお父さん目線で『舞、夢をあきらめるな』と熱く語っていた。
そう思っている視聴者もたくさんいるはず。
ただ、舞ちゃんの性格を考えると、ここでパイロットになっても、集中できないし後悔だらけになる。
そもそも。

人はそんなに自分に走れない。

たぶん、人間は体のどこかに「大切な人が幸せでないと自分は幸せではない」チップが埋め込まれている。
舞ちゃんはそのチップが普通の人よりがっちり深く埋め込まれている。
一大決心をして倒産寸前の工場の代表になったお母さんを放っておくことは
彼女にとっては自分で自分を追い込むだけだ。
舞ちゃんは自分のことをよくわかっている。
舞ちゃんは自分のために、方向転換をした。
そして、舞ちゃん以上に舞ちゃんをわかっているのが幼なじみで歌人の貴志くん。

ちょっと、ドラマから離れる。
現実の世界では自分の夢しか考えていない人は最終的に夢を果たせないとか、ぐちゃぐちゃな人生になる場合がけっこうある。
なぜかというと夢を果たすのも幸せになるのも本人の努力だけではなく、周囲との連帯がないとどうにもならない。
コロナで気がついたけど、思った以上に人は人との関係で生きている。
一つの店が休業しただけで、そこに材料を運んでいた人、買ってもらっていた人、その原料を作っていた人、ぜんぶストップになる。
世の中という得体の知れない流れの中でみんな生きている。
得体が知れないと、「だれも信用できないぜ」とロンリーになりたがることもあるが、実はそれすらもできない。

再びドラマの話にもどる。
舞ちゃんは幼いころはお母さんと上手くいかず、おばあちゃんにあずけられた時もあったが、そのおかげで逆に仲たがいしていてたおばあちゃんとお母さんが仲良くなったし、今度はお父さんが死んでしまったことで、舞ちゃんとお母さんが協力し合っている。
ここに来週からお兄ちゃんも参入するだろう。
家族の設定がパーフェクト。
やっぱり、はじめから大阪の家族と工場の話を書きたくて、プロデューサーの意見も取り入れ、飛行機の部品を作る話でタイトルが「舞いあがれ」だとしたら、すごい脚本力っす!
舞ちゃんがパイロットになろうと、CAになろうとお好み焼き屋になろうと最後まで見届けたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?