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Tears For Fears 『The Hurting』

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🎧 Tears For Fears 『The Hurting』

1983年にリリースされたTears For Fearsのファーストアルバム。まさかこのバンドが次のアルバム『Songs From The Big Chair』(そのまんま邦題:『シャウト』)であんなに大化けするとは。でも私はこのアルバムが今でもダントツで一番好き。でも言う程アルバムリリースしてないけどね。

出会い

AMラジオ「全英トップ20」でレギュラーチャートに突然現れ1位を獲得したいわゆる彗星の如く現れた新人デュオ。残念ながら本当に「彗星の如く」突然現れて「彗星の如く」デュオは分かれる事となった。厳密にはこの友人二人がディオで活動したのはわずか7年で、リリースしたのは3枚のアルバムのみとなった。しかしその後2003年に和解しライブなどの活動を再開、2004年にはアルバムをリリースしたが日本では未発売らしい。

普通に不幸な子供達

ジャケットの通り不遇な家庭環境の子どもたちがテーマを思われるこのアルバムは、物悲しく暗くそしてとても美しいメロディーと悩み多き歌詞が特徴だが、公営住宅で離婚した母親と暮らしていた友人二人は精神分析医の治療費を稼ぐ事を目標にバンド活動を開始したという。元々5人のスカバンド(想像できん)などいくつかのバンドで同じメンバーだったが、方向性の違いで2人が脱退(そりゃそうでしょ)し、新たに組んだのがTears For Fears(恐怖に涙を)という名のバンドだ。

「Suffer The Childen」

It's a sad affair
When there's no one there
He calls out in the night
And it's so unfair
At least it seems that way
When you gave him his life

And all this time he's been getting you down
You ought to pick him up when there's no one around
And convince him
Just talk to him
Cos he knows in his heart you won't be home soon
He's an only child in an only room
And he's dependant on you
Oh, he's dependent on you

And it seems so strange
That at the end of the day
Making love can be so good
But the Pain of birth
Ooo, what is it worth
When it don't turn out the way it should

それは悲しい出来事
誰1人いないところで
子供は夜の闇に叫ぶ
そして、それはあまりに不公平なこと
少なくともそのように 見える
君が彼に命を与えたのだから

彼はこれまでずっと君を疲れさせてきた
周りに誰もいないなら抱き上げなくては
そして、納得してもらうのだ
とにかく、彼に話すのだ
まもなく君がいなくなることを
心の中で感じているのだから
1つ残された部屋に1人残された子供
彼は君を頼りにしている

それはとても奇妙に見える
いろいろ考えてみたところ
愛し合うのは素晴らしいかもしれない
でも、生みの苦しみ
それは何の価値があると言うのか
あるべき形にならなかったなら


普通にいい子

さぞかし病んだ子供達かと思っていたが、しばらくしてMusicLifeで「暗い気持ちを保つにはどうしたらいいかとPeter Gabriel(多分そうだった思う)に相談した」という記事を読んだ。真意のほどはわからないがきっと根は明るくいい子なんだろうと思っていたら、セカンドアルバム『Songs From The Big Chair』からリリースされたシングル「Everybody Wants To Rule The World」のビデオでオープンカーでカリフォルニアを走るCurt Smithを見て、よかったねえ幸せになれてと思ったのを覚えている。

このアルバム

暗いシンセサイザーのメロディー、時折見せるアコースティク、Curt Smithの澄んだ声、悩み多き若者の静かな叫びと複雑な心がスピーカーを通して伝わってくる。でもそれは聴く人の心を暗い縁に落とすのではなく、静かに耳を済まして心が浄化されていくような気持になる。「分かる、分かる、そんな時期あるよね、でもそんな大したことじゃないんだよ、本当は」そんな気持ち。

Mad World

難解な内容で物議を醸し出し名作と言われる映画「Donnie Darko」の印象的な場面で使用された「Mad World」。いい曲満載なのだが私はこの曲が一番好きだ。映画では残念ながらカバー曲(なんで?)。この唄の歌詞が、Jake Gyllenhaal扮する病んだ若者がセラピーを受けながら摩訶不思議な幻覚の世界に落ちていく映画にとても合っていた。

「Mad World」

And I find it kind of funny
I find it kind of sad
The dreams in which I'm dying are the best I've ever had
I find it hard to tell you
'Cause I find it hard to take
When people run in circles it's a very, very
Mad world

そして、少し滑稽だと思う
少し悲しいと思う
自分が死んでいく夢が
これまでで1番良い夢
とても話すことができない
とても耐えられないから
人々は堂々巡りを繰り返す
これはとてつもない
狂気の世界

もし『Songs From The Big Chair』しか知らないという方がいたら、ぜひこのアルバムを聴いてほしい。彼らの全く違う側面を見る事ができます。勧め曲は「The Hurting」「Mad World」「Pale Shelter」「Change」「Suffer The Children」。ただ捨て曲まったくないです。ただビデオは全滅です。



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