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06.デザイナーにとってのコトバとは

第2回の記事で、文系のデザイナーはイメージ先行の割合が高く、理系のデザイナーはイメージとリクツ(コトバ)を言ったり来たり、という弊社における傾向がなんとなくですが見えました。

その後個々のデザイナー頭の中を掘り下げるとそこにはまた個性的な考え方があったのですが、その際に一つ見えてきたことは、コトバとイメージの関係性にデザイナーそれぞれの形がある、ということです。(例えば、コトバが先行している形や、イメージとコトバを交互に繰り返して完成度を上げていく形、最初にコトバかイメージかを決めてしまう形など…)

そもそもこの旅を始める切っ掛けとなったのは、デザイナーとは本当に文系が多い=[感覚でデザインしているのかどうか]という疑問です。実際には、コトバはやはりデザイナーがデザインを考えるときの大きな要素の一つであり、完全にコトバ抜きというデザイナーはそう多くはない、ということが個々のケースを見ていて分かってきました。具体的には以下のような割合になっています。

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実際にコトバを介在させるデザイナーの割合が圧倒的に多い結果になりました。[イメージ先行型]と[リクツ先行型]で分けて考えてきて、[イメージ先行型]のデザイナーが多数という結果が出ましたが、そうしたデザイナーでも思考の整理や、他人に伝えるためのツールとしてコトバを使うなど、必ずしもイメージだけでモノを作っているのではなく、その思考においてコトバが果たしている役割が大きいと言えるように思います。

また、質問を変えてみるとデザイナー自身にとってもそれは顕著でした。

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質問の内容からすると当然の結果ではありますが、前の質問で、コトバが介在していないと答えた5名のデザイナーも、自分の作ったものをコトバで説明することの必要性についていろいろな場面で感じている、と答えてくれました。数多く聞かれたのが、第三者に価値を伝えるための客観性をもたせるツールとしてのコトバをうまく使いたい、という意見です。

こうした中で改めて考えてみると、デザイナーにおけるコトバの立ち位置を明らかにしてみると、[感覚でデザインしているのかどうか]という疑問への一つの道筋が見えてくるかもしれません。
ということで、次回からはコトバとデザイナーの関係を考えてゆきたいと思います。

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