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【ネタバレあり】「バイオハザード ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ」を観てきた話。

映画「バイオハザード ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ」を観てきたので、いろいろ感想を書いていきたいな、と思います。

以下、ストーリーのネタバレを含みますので、未視聴の方はご注意ください。






映画オリジナル要素の多いポール版とは違い、原作設定をベースにオリジナル要素も加えた今作。

 これまで、カプコン制作のゲーム「バイオハザード」を原作とした映画といえば、ポール・W・S・アンダーソン監督、ミラ・ジョヴォヴィッチ主演による映画シリーズが、2016年までに全6作公開されてきました。

今作は、ヨハネス・ロバーツが監督・脚本を務める、いわゆる「リブート作品」で、オリジナル要素が強かった”ポール版バイオハザード”とはまた異なったシリーズになり、こちらもオリジナル要素を含むものの、原作のゲーム要素も多く取り入れた作品となっていました。
なお、ポールは今作においてもエグゼクティブ・プロデューサーとして関わっているようです。

単純にゲームのストーリーを上からなぞっただけの作品かといえばそうではなく、実写版オリジナルのストーリーやキャラ設定が存在し、すでにゲームをプレイしたことのある人でも、ゲームと実写の違いなどを見つけたりするのも、楽しみ方の一つかもしれません。

ストーリーは原作「バイオハザード」と「バイオハザード2」をまとめたような展開に

 ストーリーのおおまかな流れを説明すると、クリスとクレアのレッドフィールド兄妹は、アンブレラが設立したラクーンシティの孤児院で育ちます。

しかし、怪しげな実験の被験体にさせられそうになったクレアは一人、孤児院を抜け出します。

それからクリスとクレアは離れ離れになるのですが、それから数年後、クレアはチャットで知り合った「ベン」という男から「アンブレラは裏でヤバい薬を開発していて、それが下水からラクーンシティに漏れ出している」と聞きます。

ラクーンシティでラクーン警察に勤める兄クリスを心配するクレアは、幼少期以来となる、ラクーンシティへ向かいます。

しかし、ベンからのメッセージをクリスに見せますが、クリスは相手にせず、普段どおりラクーン警察に向かってしまったのです。

一人、クリスの家に残ったクレアはそこでいきなり、凶暴化した隣人に襲われて、やはり何かがおかしいと感じたクレアは、クリスのあとを追いかけてラクーン警察に向かうのですが・・・。

 と、序盤だけで結構原作とは違ったアプローチになっているのが分かります。
一応、原作の「バイオハザード」と「バイオハザード2」の出来事を一日に詰め込んだような内容になっていて、クリス・ジル・ウェスカーらが洋館に向かい、レオンとクレアがラクーン警察から脱出を試みるシーンが同時間軸で行われていきます。

そのあいだに結構、原作のゲームファンなら「あ、これは・・・。」となるような、シーンがいくつかありました。

端々に散りばめられた原作オマージュ

 例えば、クレアがクリスの元に訪れるシーン。
原作「バイオハザード2」ではクレアはバイクに跨り、単身ラクーンシティに乗り込むのですが、映画ではヒッチハイクで大型トレーラーの運転手に乗せてもらっているシーンから始まります。

このシーンは完全に「バイオハザードRE:2」のオープニングのオマージュで、運転手は片手にハンバーガーを食べながら、運転しているのです。
このあとこのトレーラーがどうなったかは、原作をプレイした人なら容易に想像がつくと思います。

 その後、クレアがクリスの家でゾンビに襲われるシーンでは、ゾンビがガラスに血文字で”ITCHY TASTY”と書いているのです。
ご丁寧に下には字幕で、「かゆい うま」と書かれていて、さすがに笑いそうになりましたw

 クリスはラクーン警察(R.P.D)に勤務していることになっているのですが、映画では特にS.T.A.R.S(ラクーン警察直属の特殊部隊)の存在について触れられておらず、ジルやウェスカーはクリスと同僚という設定になっています。

ジルは原作とはかなりキャラクターが異なっていて、ポール版のジルに似ているのは、E・プロデューサーを務めるポールの影響かな、と思いました。

一方ウェスカーは、原作ではアンブレラ側の人間だったのが、映画では”とある人物”からアンブレラの秘密について情報を提供されていて、一人ウィルスを持ち逃げし、大金を得ようと企んでいたのですが・・・。
「とある人物」が誰かは、原作ファンならすぐに察しがつくと思います。

また、レオンは新人警官として勤務しているのですが、オリジナル「バイオハザード2」からさらにポンコツ感が増しており、他のR.P.Dのメンツからも笑いものにされる始末でした。

クリーチャーの出来の良さはポール版から遜色ないクオリティ

 登場人物やストーリーのほかに気になるのが、クリーチャーの存在。
公開前に「リサ・トレヴァー」が登場することが発表され話題になっていました。

原作「バイオハザード」では、リサはアークレイ研究所を設計した「ジョージ・トレヴァー」の娘で、新型ウイルスの実験台にされ、洋館内を彷徨い歩き、プレイヤーに襲いかかる姿が強烈なインパクトをプレイヤーに残していました。

映画では、クリスらが入所していた孤児院で、幼少期のクレアがリサと遭遇するシーンから物語が始まります。

その後、大人になったクレアとレオンがラクーンシティから脱出するため再び孤児院に訪れると、そこで二人はリッカーに襲われてしまいます。

そんな絶体絶命のピンチを救ったのは、なんとリサ。
リッカーの首を後ろから掴み上げるとぐっしゃぐしゃのボッコボコにし、二人のことを助けると、クレアのことを「トモダチ」と呼び、さらに地下施設に繋がる隠し通路も教えてあげる親密っぷり。

幼少期のクレアにひと目会い、二言三言言葉をかわした(ほぼクレアが一方的に)だけで、クレアをトモダチ認定するリサたん。
他の人間にチクらずに黙っていたクレアのことを気に入ったんでしょうか。

 リサの他に出てくるクリーチャーは、ゾンビ、ゾンビ犬(ケルベロス)、クロー(カラス)、リッカー、そしてG(バーキン)

どのクリーチャーもさすが、映画大国アメリカ製だなと思えるくらい出来がよく、特に実写映画では初めて登場するGもしっかり作り込まれていたな、と感じました。
ただし、尺の都合上か、全形態が登場したわけではなく、最後はわりとあっさりだったのが残念だったかなと思いました。

この先の展開が気になる終わり方と、気になるあのキャラクター

 正直、原作の2作品を同時進行したためかなり駆け足だった感は否めず、特に原作プレイヤーとしては、おおまかなストーリーの流れが予想がついたため、淡々とストーリーが進んでいったように感じてしまいました。
また、原作の細かい部分まで描ききれなかった点は、原作ファンにとって期待していたのと違った、と思われてしまうかもしれません。

 ポール版バイオハザードでは、「アリス」というオリジナルキャラクターの存在が、既プレイヤーに想像がつかない物語のワクワク感を演出していました。

それに対し今作では、前作で描かれなかった部分を映像化するために、(前作に比べ)ある程度原作に沿ったストーリー展開だったのかな、と思います。

ポール版の一作目で、研究所内での出来事を扱ったので、今作は一貫してクレアとレオンが主人公で、ラクーンシティでのアウトブレイクから脱出までを描いた作品でも良かったかな、というのが率直な感想です。

 ただ、ラストシーンでは次回作を匂わすような演出、そして物語終盤で登場した”あの二人の人物”

ポール版バイオハザードの二作目が原作の「バイオハザード3」を元に制作され、今作で1と2を元に作られたのを考えると、もしかしたら次は原作のあの作品を元に作られるのでは・・・、と予想できますね。

 あと、バイオハザードといえば「タイラント」の存在。今作では登場しなかったので、もし次回作が作られるのであれば次の登場に期待できますね。


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