SNSで「質の高い教師の確保」というのは,教師を物扱いしているのではないかという書き込みを見て,「質の高い教師」とは何なんだろ,その確保はどうすればいいのかだろうかと思って,ChatGPTに聞いてみた。
以下,私が入力した時の答えであるが,御存知のようにChatGPTもタイミングによって答えが違うらしいので,笑いながら読んでいただけると良いと思う。
なお,相当に長いので,心の広い人だけがご覧下さい。
引用は全てChatGPTの答えをそのまま載せている。一部,HTMLの都合上,コピペできないところとか見やすく修正しているが,基本的には原文のままである。
Q 質の高い教師について教えて
納得。それなりの回答である。続いて質問した。
Q 質の高い教師の育成に必要なことは?
これもまた妥当と言えよう。ここまで求められるのであれば,気になるのは待遇である(笑)
Q 質の高い教師に必要な待遇は?
最初から妥当な報酬と来た。文部科学省や教育委員会が好きそうだと指摘される「やりがい」の文字は見受けられない(笑)
では,現在はこの待遇を満たしているのであろうか?
Q 日本の公教育の現場は、質の高い教師に相応しい待遇を確保している?
なかなか手厳しい。公教育は質の高い教師を望める環境にはないようだ。教師の質の高さを求めるのは不可能なのか。
Q そのような公教育の待遇の現状で、質の高い教師を求めることは可能でしょうか?
なかなか鋭いツッコミである。
Q では、文部科学省の施策は、現在の質の高い教師の確保や育成に相応しい施策を行っているといえますか?
待遇面等の話が続くかと思ったが,教員養成の話が最初に来たのが,少し意外だった。確かに,そこも重要だ。
文部科学省にも手厳しい。しかし,個人的には会議などで文部科学省の人の話を聞くと,結構,熱い思いを持って,一生懸命頑張っているなと感じる事も少なくないなと思っていることは伝えたい。
そんな手厳しいChatGPTに,具体的に何をすれば良いのか聞いてみる。そこまで言うなら,具体的に答えてみてほしいものだ。
Q 文部科学省が質の高い教師の確保や育成に今後、まず最初にやるべき最も効果が期待できる施策を3つ挙げて下さい。
やはり賃金の話は最初なのか…確かに仕事量に比べると妥当ではないという話もあるかも知れない。先日こんなtweetを見た。
部活動指導員で時給2,000円も貰える自治体があるのか!スゲーな(笑)
これを休日に何時間かやっても1日3,000円ぐらいしか手当が出ない教員の現状を考えると,恐ろしい。部活動指導員の時給ぐらいの手当を教員に払えば,少しは救われるのではないかと思うが,部活動指導員が全ての部活についているわけではないので,それは財源的にもあり得ないのでしょうな。
では,いくらぐらいの報酬が妥当なのだろうか。
Q 公教育において、質の高い教員の確保に必要な報酬の具体的な金額を25歳、35歳、45歳、55歳の教員を例に教えて下さい。
この辺から,面白いけど,だんだん面倒くさくなってきて(笑),質問の入力に教師という言葉が,教員という言葉に揺らぎが見られるが,個人的には教師というのは偉そうで教員ということが多いので,教員と書いてしまっている。入力で答えも変わると思われるので,原文に忠実にするため,直さずに掲載している。
話を戻す。それにしてもこの金額,校種や地域差はあっても,それほど大きく乖離していないように思う。地域差をまとめてわかりやすい数字にしたいと思い,次の質問をした。
Q 公教育において、質の高い教師の確保をするために現在の報酬の何倍を支払うのが妥当だと考えますか?
スゲーな,ChatGPT。まるでお役所のように明確な数字で答えることは避けてきた。さすが,人間の作ったデータを元に答えるだけある。やるな!
しかし,そんな答えで,答えたつもりになって貰っては困るのだ。質問を重ねよう。
Q 現在の公教育における教員の報酬は、質の高い教員の確保に妥当ですか?
最後の「ただし」以下が,おっしゃるとおりだが,文部科学省ならお金のかからない「ただし,教員にとって一番大切なのはやりがい」と答えてくれそうなので,ChatGPTはまだまだ人間には及ばないという理解で良いですか?(笑)
しかし,そんなに言うほど低いのか。先ほども書いたように提示している金額は,それほど現実と乖離していないのではないかと思い,聞いてみた。
Q 先程の各世代の質の高い教師の確保に必要な報酬は、現在の報酬と大きく乖離していないと思いますが、25歳、35歳、45歳、55歳の現在の公教育の教師の平均的な報酬を教えて下さい。
ムムム。これが平均値だとすると確かに先ほどの理想的な金額に比べると低いように思うが,このデータは何に基づいているのだろうか?
学校教育でChatGPTを使う云々が色々と話題だが,こういう答えに対して疑う目とか,バックデータを調べるような態度を養うことが必要なのだと思う。それはChatGPTに限らず,今までも同じだったと思うから,ChatGPTだけの問題ではないだろう。
また話が逸れた。いずれ,この平均値が正しいとすると,先ほどの質の高い教師の確保に必要な報酬とは乖離している。何故なのだ。
Q 大きく乖離していますね?その原因はなんですか?
教員は国家公務員などという話が出てきている。まぁ,この辺を見て「だからAIは!」と騒ぐ人がいるのだろう(笑)そんな微妙な答えが出てくることは分かって,質問している。それよりも問題なのは,このような答えを今の技術でもスラスラ答えてくることである。現状と未来を見つめると否定している場合ではない。
話を元に戻す。報酬を上げるといっても,結局は,財源ですよね。報酬の話はこのくらいにしておいてやりたいが,最後に一番大事な話を聞いておく。
Q 公教育で働く公務員の教師が、教育行政に任用させると事務職員の待遇となり、報酬が下がる。これは、質の低い教師が学校から処分されていると考えて良いのか?
あまり面白い答えではないが,教育行政で給与が安くなることは,世間ではあまり指摘されていない。だからこそ,最初の2文だけはそれなりの答えに見えつつ,後半では適当に引用した高校生のレポートみたいな文章が続いたのだろう。この辺が,世の中にあるデータを元に答えるChatGPTの特徴と言えるのではないだろうか。面白い。
お金のことだけを聞いても拉致があかないし,だんだん飽きてきたので,2番目の効果が期待できる施策についての次の質問に移る。
Q 教師のキャリアアップ支援をするとしても、教師の多忙化が問題視されている現在、そのような時間の確保や教師のやる気は期待できないと思うが如何か?
出だしが,「確かに」である。指摘に答える人間の言い訳みたいだ。人間っぽいじゃないか, ChatGPT。
環境に不満を持つだけではいけない。教員は努力しているのであろうか?
Q 教師は現在、キャリアアップのために十分な努力をしていると言えるか?
まぁ,面白くもなんともない優等生的な回答である。
最後の効果的な施策であるという「教員採用試験」についても聞いてみたい。
Q 質の高い教師の確保のために効果的であると思われる教員採用試験の具体的な事例を教えて下さい。
個人的には「具体的な事例」というのは,どこかの自治体で行っている具体的な事例を挙げてくれるかなと期待していたが,そういう答えでは無かった。たぶん,「具体的に行われている事例」とか聞いた方が良かったのだなと反省する。この辺は,答えは出してくれるけど,聞く側の国語力も問われるところだと思う。次回の学習指導要領改編では「AIに分かりやすく正しく質問する」を国語の単元として扱うべきだ(笑)
ところで,推薦入試というのは,なかなか斬新で面白いと思った。
大学側の評価の妥当性や推薦基準などの精査は必要かと思うが,数回のペーパーテストや面接等で決めるよりも,長期的に見て妥当だと思われる人間を推薦して貰うというのは,良いアイディアだと思う。
もちろん,教授に賄賂を送るとか,いろいろ問題も出てきそうだ。いや,賄賂を送ってまでなりたいとなるような人気な職種ではなかった。大事なことを忘れていた(笑)
ところで,残り2つの具体例であるグループディスカッションも面接も行われている。ChatGPTはやはり,行われていないようなアイディアを出すのは,難しいということだ。
以前の職場で話題とした「モノボケ採用試験」という秀逸なアイディアはChatGPTには,出せないらしい。現時点では人間様の勝利を確信した(笑)「モノボケ採用試験」については,またいずれ機会があったら(^^;;
そして,これまでの回答を見ていると,学生のレポートなら「同じ話の繰り返し」と言われるようなところも散見される。単体で見ると良いが,質問を重ねると聞いている方も飽きてくる。
そんなわけで,飽きてきたので辞めるが,まぁ,こうやって質問をしてみると,なかなか荒削りな部分があるにしても,優秀だなと思う。ChatGPTを否定している人達の気持ちが分からない。これが進化した時の姿を想像できないのであろうか。
そんなわけで,最初の「質の高い教師の確保」からだんだん話が逸れてきたが,面白かったので,記録のためにまとめてみた。
気が付いたら,10,000字超えになってしまった。ここまでお付き合いいただいたあなたに敬意を表する。お疲れ様でした。