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私が思うソウル大大学院のいいところ

今回はソウル大大学院について、日本人留学生の立場からいいところを中心にまとめたいと思う。

長所と短所を一つの記事にまとめようと思ったのだが、長くなりすぎて読みにくくなってしまうので短所については次の記事にまとめた。

まずは目次から。


まずはじめに

ソウル大学は韓国でもトップクラスの大規模大学だ。「韓国の東大」的なイメージがあるかもしれないが、その専攻は東大より多様で、芸術、音楽、ファッション、体育などの分野もある。
当然だが、大学院は学部より専門性が高く、学科・専攻ごとに研究の方法も大学院の雰囲気もまったく違う。
この記事は私の体験談であり、ソウル大大学院すべてに当てはまるものではないということは十分注意してほしい。

私が思うソウル大大学院のいいところ

各分野の最高峰レベルの研究者がいる

これは非常に重要な部分だと思う。大学院で大事なのは授業よりも研究とその発表だ。どんな先生にどんな指導を受けるかが重要だが、やはりその分野の有名な先生に指導を受けると得られるものが多いのは確かだと思う。

ソウル大はもちろん韓国トップの大学なので有名な先生が比較的多い。私の専攻では、他の大学で講師や教授としてキャリアを積んでからソウル大に移籍した教授がほとんどだ。

また、教員だけでなく同じ大学院生の中にも研究者としてすでに第一線を走っている先輩が多い。これは大学院に通ったことのある人ならわかると思うが、修士の新入生と博士のベテラン学生では知識もオーラも雲泥の差だ。こういったスター大学院生と一緒に授業やスタディ(勉強会)をできるのもいいところだ。

ただ、当たり前だがソウル大だけにいい研究者が集まっているわけではなく、他の大学にも優秀な研究者はたくさんいるし、これには裏返しの悪い点もある。それは次の記事で説明しようと思う。

費用が安い

留学生として大学院に通うとなると、ほとんどの人が気になるのがその費用だと思う。私自身もソウル大に進学を決めた一番の理由は費用だ。

同じ韓国の大学院、同じ専攻でも、大学によって学費やその他費用はまったく異なる。ソウルにある大学の場合、私が知る限り最も学費が安いのはソウル市立大学、その次がソウル大学だ。(ソウル教育大やソウル科学技術大などの専門的な国立大学は除く。)
この二校は国公立大学のため、他の私大より学費や寮費が安い。

私が入学を検討していた他の私大と比較すると、

1学期あたりの学費が
私大:約400〜600万ウォン(入学金約100万ウォン)
ソウル大:約330万ウォン(入学金約10万ウォン)

寮費が
私大:約40〜70万ウォン
ソウル大:約20〜40万ウォン

といった感じ。인서울(inソウル)と呼ばれるソウル内の他の有名大学と比較すると、だいぶ優しい価格だ。

入試難易度がそこまで高くない

これは私の体感なのであまり当てにしないでほしいが、研究計画含めた書類がしっかり書けていて面接で韓国語(か英語)で受け答えができれば、外国人入試で落ちることはほとんどないと思う。
外国人入試の語学要件はTOPIK4級以上または英語資格なので、語学も意外と高いレベルを求められるわけではない。

韓国人は入試に第二外国語とペーパーテストがあり、それで不合格になる人が多々いるが、外国人入試にはそれがないので受かることが多いというのもあると思う。

ただ、これには落とし穴があるのでこれも次回説明する。

韓国人学生が多い

前回の記事で、韓国の学部には留学生が多いという話をしたが、これは大学院も同じだ。ただ、大学院の場合はそもそもの人数自体が少ないので必然的に他の属性の人とも仲良くなるチャンスが多い。

私の専攻のように、学位があっても就職に直接役立つわけではない人文系の場合、韓国でも大学院離れが顕著に起こっている。
同じ専攻の他の私立大学の話を聞くと、韓国人の新入生が全くいない学期もよくあるという。

その点、ソウル大学は比較的韓国人学生が多い方だ。韓国人にとっても、「どうせ大学院に行くなら一番いいところに」という意識があるのだと思うし、その分他の大学に比べれば活気のあるところが多いと思う。

韓国人学生が多いと、スタディや集まりも増えて活気が出るし、韓国に関連する内容を研究する場合ネイティブ学生が多いに越したことはない。

日本人学生が少ない

これは長所であり短所でもあるが、ソウル大は有名大学の中で圧倒的に日本人学生が少ない大学だ。

日本人が少ないのは、ソウル大が難しいイメージがある、日本語でのサポートがない、日語日文科がないなどの要因があると個人的には思っている。
(その結果、ソウル大に来る少数の日本人のほとんどが正規であれ交換であれ語学堂であれ、韓国語か英語ができる人がほとんどなので日本語でのサポートはいつまで経っても充実しないのである。)

私が思いつく限り、日本人学生が少ないことのいい点は、韓国語(もしくは英語)力が伸びること、日本語・日本関連の仕事が回ってきやすいこと、変に人と比べなくて済むことなどが挙げられる。

ちなみに、日本人学生が少ないだけで他の国からの留学生は結構いる。

日本人が少ないことの悪い点に関しては、これも次回説明していこうと思う。

ネームバリューがある

韓国で就職したり、韓国関連の職についたり研究者を目指すのであれば、やはりソウル大のネームバリューが効いてくる場面は多いだろう。

施設が充実している

これは大学院に限った話ではないが、ソウル大は韓国で最も広いキャンパスをもつ大学だ。キャンパスについての話は長くなるので別の記事でしようと思うが、23時まで使える図書館の自習室、複数の食堂やレストラン、フランチャイズのカフェ、プールやピラティスのレッスンが受けられるジム、学生ならほぼ無料で診察が受けられる診療所などなど…生活に必要な施設が詰まっている。

もちろん、図書館の蔵書や研究施設など、研究と直接関連のある施設もかなり充実していて、建物の老朽化はあるが施設がなくて困るということはほとんどない。

このあたりは日本の国立大と少し違うイメージかもしれない。ソウル大は日本の国立大と違い個人や法人からの献金募金も非常に多いので、私大のように企業名や個人名がついている建物や施設も結構ある。

イベントが多い

施設と似たような点だが、ソウル大の中では様々なイベントが開催されている。学術行事はもちろん、海外の著名な研究者の講演会から、アートのインスタレーションやDJイベント、オーケストラ公演など、学校主催の様々なイベントが毎日キャンパスのどこかで行われている。
私はあまり活動的なタイプではないので、たまに見に行くくらいだが、意外と学校内でもコンテンツに困らないかもしれない。


次回は、私が思うソウル大大学院の難点について挙げていきたいと思う。もしソウル大大学院を考えている人がいれば、この記事は適当に読んでもいいので、次の記事は絶対に読んでほしい。

冬の人文大の写真とともにさようなら

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