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失敗の科学

最近読んだ”失敗の科学”という本が面白かったので、感想

この本は、失敗から学ぶことの重要性、如何に人間が失敗から学べないか、そしてそれに対する対策等を主に行動経済学や心理学の実際の研究結果や理論を例にだしながら詳しく書かれています。

真っ先に医学界と航空業界の例を対比として載せてありますが、そこで納得してしまって引き込まれました。

いろいろな話を自分に当てはめてみて、勉強になったし、完璧主義の罠にハマりがちな自分には科学的な見地から考えられて、非常に為になった

「確証バイアス」、「認知的不協和」等々、世の中の動きを見ていると陥っている人、たくさんいるなー、なんて考えながら読んでました

特に、現在の流行病に関して、マスコミ、医学界、政治家、(自称)専門家の方々には是非一読してもらいたい。日本、ニューヨーク共に(笑)2年前から全く総括が行われていないし、自分達が言ってきた事と、ここに書かれていることを見比べてほしい笑

社会人なら読んでおいて損はないと思う、面白い本です

アメリカの哲学者ヒラリー・パトナムはこう言った。「科学とそれ以前の思想とでは、真実を発見する方法が異なる。科学者は自らの理論を進んで検証し、自分が万能だとは考えない。(中略)自然に問いかけ、うまく理論が成り立たなければ、その考えを進んで改めていかなければならないのだ」

"失敗の科学"本文中

ベーコンは17世紀における科学の停滞を指摘したが、現在の我々も同じ状況に直面している。ただし、今日ベーコンがもたらしたような革新が求められているのは、自然科学(物理学、化学など)よりも、社会科学(政治学、法学、経済学、社会福祉学など)の分野においてだ。
中世の科学に関して、ベーコンは、知識が権威者から独断的に示される状況を批判していた。今日の社会におけるトップダウン的な知識の押し付けも、状況は似ている。
政治家が持論を展開するときがいい例だろう。「制服にすれば規律が高まる」「非行少年に刑務所を訪問させれば犯罪抑止効果がある」などがその典型だ。一部の政治家は自分の洞察を勝手に真実と確信し、データも検証も必要ないと考える。
皮肉なことに、人間社会は自然界よりさらに複雑だ。惑星の軌道を予測する一般理論はあるが、人の行動を予測する一般理論はひとつもない。だからこそ、我々が成功に向かって歩んでいくためには、進んで検証を繰り返していかなければならない。状況が複雑になればなるほど、トップダウンではなく、ボトムアップで真実を見出す努力が必要だ。

"失敗の科学"本文中

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