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エレキベースのフレットを抜いてコーティングをした。その1
この春、外に向けられるようなトピックは何も無かったんだけど。自分の中で大きな出来事にあたるものが一つあったので、それを記しておく。
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タイトルになっているのがそれなんだけど、高校入学のお祝いとして買ってもらった昔からの愛機であるミュージックマン・スティングレイのフレットを抜いた。
前々からフレットレス加工はしたかった。それを工房に任せるか自分でやってしまうかどうかを悩んでいるうちにどんどん時は過ぎていってしまって、結局こういう決断は勢いが大事ということで、去る4月の上旬に作業を開始した。
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まずはネックを外して、指板をレモンオイルで磨く。工程的にはこの後ヤスリで削るのでこの作業は必要無かったかもしれない。
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マスキングをして、アイロンでフレットを温めてから
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ニッパーでフレットを抜く。食い切りがあれば楽だったんだろうけど、意外とニッパーでもいける。決して焦らず、ゆっくりと刃を挟み込ませて指板から浮かせていく。これを焦るとフレットと指板が引っかかって余計な傷がつく(一箇所やらかした)
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全部のフレットを抜き終える。15年余りの取りきれなかった汚れが見えてくる。歴史!
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レモンオイルで汚れを拭き取って
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なんとか見れるほどには綺麗に
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ヤフオクで購入した突板で
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なるべく隙間が出来ないように埋めていく。完全にボンド出しすぎた上に、突板が若干厚かった為中々うまく埋められずに2枚くらい割ってしまった。コツとしては、ボンドを流す前にフレット溝と突板の厚さを確認した上で、ハマりづらかったらヤスリで軽く削って突板側を薄くするのが良さそう。
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そうして全部のフレットに突板を入れて、ボンドが乾くのを待つ。俺は丸一日置いた。こういう作業全般に言える事なんだけど、絶対に焦っちゃダメ。はやる気持ちも分かるけど、ここで焦ると全てが台無しになる。それを常に言い聞かせながら作業をしていた。
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翌日、ボンドが乾いていることを確認して突板を削る。ノミとか彫刻刀でもあればもう少し楽だったのかも知れないけど、無いものは仕方無い。カッターナイフで地道に削る。
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どっちみちヤスリで指板を平らにするので、大まかに削って完了。
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この為に買った指板の曲線に沿ったサンディングブロック。
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荒目の番手でヤスリをかけて突板を削り切り、番手を上げつつ指板のサンディング。写真には写ってないけど都度ノギスで平らを確認しつつサンディング。他にもっといいやり方があるんだろうけど、あまり深く考えてもキリが無いのでザックリと、それでいて自分で納得のいくレベルまでは追い込む。
どうでもいいけど、この作業を部屋ではやらない方がいい。出来れば屋外でやるのがオススメ。マジで床が粉まみれになって掃除が大変だった。
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そして、オイルフィニッシュ。削った指板をそのままにするのは流石に良くないので、色々調べてメジャーなワトコオイルを購入。
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刷毛で全面ヒタヒタになるくらい塗って
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そのまま油研ぎへ。
この作業、やり方を調べていると結構人によって工程が違ってて面白かった。油を拭いて研ぐのか拭かずにそのまま研ぐのかとか、研いでから乾かすまでに置いておく時間とか、とりあえず色んな人の折衷案を模索しながら油研ぎを繰り返すこと丸4日。
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なんとも分かりづらいけど、サラッサラの質感に。指板の黒ずみは味と捉えこのままで割り切る。個人的には突板がちゃんと目立った色に落ち着いてくれて安心、やすりがけしてる時は全然目立たなくて内心突板材のチョイスをミスしたかと後悔しかけた。
あと、指板面だけじゃなくネック全体を油研ぎしたので、風合いが新品っぽくなった。買った当初あったメイプルの甘い匂いは完全に消えちゃったけど。
ちなみに、この作業も部屋でやったんだけどこれのせいで2週間くらい部屋の中が新品の家具みたいな匂いで充満してた。嫌いじゃなかったからまあ良かったけど、出来ればこの作業も屋外か、せめて広い場所でやった方がいい。
この段階で組み上げて完成としても良かったんだけど、スティングレイのフレットレスにはどうしてもラウンド弦を張りたかった。
しかしこのまま組み上げてラウンド弦を張ってしまうと指板を傷つけてしまう。都度ヤスリがけして指板を整えれば良いのかもしれないけど、そんな面倒な事をするよりも手っ取り早い方法があるじゃないかという事で
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コーティングを施すことにしました。
一般的にはエポキシを用いる事が多いんだけど、ヒートガンで気泡を飛ばしたり完全に平らな場所とホコリの入らない空間を作る必要があったので断念。瞬間接着剤を何層も塗り広げることによる塗膜でコーティングをする事に。
ここからは完全に未知の領域に突入。半分行き当たりばったりでの作業になる。こんな高価なベースにそんな作業をしてもいいのかとここに来て迷いが生じたが、ここまで来てやめてもしょうがないので突き進むことに。フレットを抜いた以上どっちみち骨董としての価値は見込めないので、俺の俺による俺のためだけの楽器へと染め上げるべく、作業を開始したのだった。
つづく
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