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スルーできない老夫婦


今度は父の補聴器案件です。
父は年齢相応に耳が遠い、経年劣化、90代だもの。
「耳が聴こえにくい、聴こえない」ことを本人も同居人(母)も生活の中で受け入れられない。だから、補聴器ユーザーなんだけど、補聴器にまつわる細かいトラブルが、まあ多い。補聴器本体との相性や、聴こえ具合の満足度、そして、補聴器屋さんに行くまでのあーだこーだと、補聴器屋さんでの父の恥ずかしい振る舞いと、母とのトラブルなど。
父は耳が遠いから声が大きい、母はそれが嫌みたい。
補聴器屋さんに夫婦で出向いて、父がささいなことで店内で大声を上げて嫌だった話を、私に電話で語る母なのでした。
私の持論は「補聴器なしで、聴こえない状態の暮らしでいいんじゃない?」です。運転しない、外出もほとんどしない。家事もしない。のであれば、聴こえない暮らしでやっていけると思うんだよなあ。エビデンスはうちの隣に住む私の義母。隣でひとり暮らしをしている義母90歳は、充分に耳が遠くて、対面会話も電話も難ありだが、ノー補聴器でマイペースで暮らしているのだ。
母に私の持論を展開すると、たいてい不機嫌になるので、一応伝えたけど、「おとうさんが補聴器を使いたいなら、使えばいいと思うよ」と結んだ。
年金潤沢老ライフって、なかなか厄介。
私が住む地方は、年金潤沢老人が少ないので、老人が聴こえにくいことで受診しても、「老化だからしようがないね」で済んじゃうことが多い。
だって、高機能補聴器はオーダーメイドだし、高額だもの。
父は、「今まで高額を払っているんだから、きちんと聴こえるようにならないのはおかしい」と考えている、まあ、当事者ならそう考えちゃうよね。
父の聴力が着々と衰えていることは、本人は自覚していないのだから。
子どもが親身に寄り付かないせいなのだろうと思っているが(わかっています)父母は、厄介事を自分たちで迎えに行っている。厄介事になりそうなこと、過去に厄介だったことなどに、自分たちで突っ込んでいく印象。
スルーできない理由がわからない。スルーできるものはスルーすればいいのにね。




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