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歴史・人物伝~新選組同志編⑥天然理心流4代目を継ぎ、妻を迎える

近藤勇の少年時代(当時の名は勝太)に素質を見初めた天然理心流3代目の近藤周助が、勝太を養子に迎えるきっかけとなったエピソードがあります。永倉新八が「新選組顛末記」の中で語っています。

ある晩、勝太と兄が家にいる時に盗賊たちが押し入りました。退治してやろうと気がはやる兄を勝太は押しとどめます。兄に「賊は入って来た時は気が立っている。逃げる時にこそスキが生じる」と言ったそうです。

そして、引き上げようとする盗賊たちに対し、勝太は「待て!」と一喝します。驚いた盗賊たちは、獲ったものを投げ捨てて一目散に逃げ出しました。勝太が武勇だけでなく、知略も兼ね備えていたことが分かります。

こうして勝太は、近藤勇として4代目を継ぎます。

そして、「つね」という女性と結婚します。近藤は「つねは不器量だ」と語っていたそうですが、夫婦仲はよかったようです。つねが、近藤の稽古着に縫ったという「髑髏(どくろ)」の刺しゅうが現存しています。

つねとの間に一人娘「たま」を授かりますが、間もなく近藤は浪士隊として京都に向かい、つねに留守を任せます。たまは、明治になってから近藤の兄の子(勇五郎)を婿に迎え、5代目を継がせたのでした。

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