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歴史・人物伝~エピソード編③:前田慶次(後編)「大河ドラマで存在を消された男」

先週に続き、戦国時代の武将「前田慶次」を取り上げました。今回はかなり残念な思い出話です(苦笑)


戦国時代の上杉景勝と腹心の直江兼続を描いた大河ドラマ「天地人」が2009年に放送されました。原作者の火坂雅志さんは新潟県出身で、上杉家には格別の思いがあったようです。謙信好きの私も、ドラマには大いに期待し、最初は楽しく見させてもらいました。

その年の4月に米沢市を旅行し、地元の方と「天地人談義」に花を咲かせました。その時「前田慶次は誰がキャスティングされるんだろう」との話題になり、地元の方は「パチンコのイメージが強いから出てこないかも」と心配していたことを思い出します。

慶次は、関ケ原の合戦の東北版ともされる「長谷堂の戦い」で、劣勢となった上杉軍の撤退に尽力したといいます。火坂さんも「自刃しようとした兼次を慶次がたしなめた」と記しており、ドラマでも当然描かれるものだと信じていました。

ですが、ドラマに前田慶次は出てきませんでした。事情があったのかもしれませんが、「せっかく1年間見続けてきたのに台無しにされた」という思いにかられたのです。火坂原作を生かしきれなかった脚本と演出は、今でも残念でなりません。

余談ですが、今年の大河ドラマ「青天を衝く」は、脚本の大森美香さんが「渋沢栄一の自伝」を忠実に再現しながら書かれています。エピソードの多くは、渋沢自身が記している逸話なのです。


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