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歴史・人物伝~エピソード編㊲:小栗忠順「先見の明を持っていた悲劇の幕臣」

幕末・維新の戦いでは、新政府軍対旧幕府軍という表現を使われます。そのイメージから連想されるのは、新政府軍=革命・革新、旧幕府軍=守旧・保守という感じですが、今回紹介する小栗忠順は幕臣でありながらも、先見的な考えの持ち主でした。

小栗は、開国後の日本にとって何が必要なのかを十分理解していました。やみくもに攘夷を唱えるのではなく、諸外国と対等な立場になり得るだけの軍事力が必要だと考え、海軍力強化のため横須賀市に製鉄所を創設しました。

小栗のライバルとされるのが勝海舟で、小栗に対し「人材育成が最も大事」と主張していたようです。ただ、小栗もそれは十分承知していたと思います。人材を育てるためにも、その環境である施設を整備することが重要だと考えていたのでしょう。

小栗は、大阪から江戸に逃げ帰った徳川慶喜に対し、最後まで徹底抗戦を訴え続けたといいます。そのために罷免され、最後は新政府軍に処刑されました。ですが、小栗が創設した製鉄所は明治になって本格操業し、横須賀を海軍の街に導いたのです。

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