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歴史・人物伝~エピソード編⑲:本多政重「加賀藩に根付いた家老・本多家」

前田利家を藩祖とする100万石の加賀藩で、長く家老職を務めた本多家があります。その初代が本多政重で、父親は徳川家康の懐刀と言われた本多正信です。政重の前半生は、主君を次々に変えるなど波乱に満ちていました。

関ケ原の合戦後、政重は前田家に仕官しました。しかし、すぐに前田家を離れてしまいます。その政重に目をつけたのが、上杉家の重臣・直江兼続でした。兼続は自分の娘の婿養子に政重を迎え入れ、直江家を継がせようとしたのです。

当時、外様大名は徳川将軍家の顔色を常にうかがわなければならず、少しでも徳川家や徳川譜代家臣との関係を結びたかったのです。兼続の娘が亡くなり、やがて養子関係を解消した政重は、将軍家の意向もあって再び前田家へ戻ってきました。

前田家は、政重に5万石を与え筆頭家老として遇しました。将軍家との関係を重視したことは言うまでもありませんが、政重自身の力量も買われたのだと思います。以後、本田家は筆頭家老として幕末まで前田家を支えていくことになるのです。

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