スズムのめんどくさいオタクがあんまり語られないスズム曲について語ってみたよ

めんどくさいオタクって自称する辺りが一番めんどくさいな。

◎オリジナル楽曲


もぎたて☆カプレーゼ
歌唱:トマト(CV:前田玲奈)
作詞:成田耕祐 作編曲:スズム
(『BAR 嫌われ野菜 ミュージックコレクション』収録)


 2015年の作品。
 スズム編曲らしい鐘の音にキラキラにシンセベルやピコピコシンセ、そして少し堀江晶太っぽい勢いのドラム。一番が終わるとギターソロ→動きまくるオルガン(セリフパート)→高速ピアノソロ。最高だと思わない? もっとスズム楽曲として評価高くていいと思う。スズム的ポップスとして完成度が高く、楽しく、可愛らしくて美しい名作。
 インストで聴くとオルガンソロに集中できていいけれど、もちろんボーカルがある前提の曲だからどっちも買おう。


弱虫シグナル
歌唱:高槻かなこ
作詞:高槻かなこ 作曲:ブルックリン勝山 編曲:スズム
(『凡常シンデレラの汁気のあるお願い』収録)


 2012年の作品。
 AnimeSongCollaboの絶望性:ヒーロー治療薬のバンドアレンジ動画にてシンセを弾いていたことで有名なブルックリン勝山(=y@s)さん作曲。Bメロにスズムにはないキャッチーさがあり、スズムらしい盛り上げまくるアレンジでより印象的になっている。
 ピアノにきらびやかなシンセに激しいドラムに、といわゆるスズム節なアレンジ。2012年の夏の作品なのでSorarhythmのキラキラ感に近い。ストリングスが入っているのもあってアニソンっぽさが強め。
 イントロアウトロや要所に環境音・効果音が組み込まれていて、間奏もピアノソロで、ほんとスズムすきな人みんなすきでしょって楽曲(個人の感想)(こういう紹介文って個人の感想じゃないパートのほうが少ないだろ)。
 二番Bメロにレトルトアイロニーで鳴りまくってるタイプの時計の音入ってるのいいよね……。


ラストワード
歌唱:北沢綾香
作詞:魁 作曲:折戸伸治 編曲:スズム
(『折戸伸治パーソナルアルバム'circle of fifth'』収録)


 弱虫シグナルと同じく2012年作品。
 作曲は美少女ゲームメーカーkey所属の折戸伸治さん、作詞はkey作品のシナリオや楽曲の歌詞を提供している魁さん、歌唱は後に「リトルバスターズ!(key作品)」のアニメ二期EDを歌う北沢綾香さんなので、実質「もしもスズムがkey作品の主題歌に編曲提供したら」な楽曲。
 ちなみに収録アルバムは折戸さんが十四年間で作った主題歌などにラストワード含む書き下ろし曲を加えたCDらしい。堀江晶太さんもそういうのいつか出さないかな。
 編曲としてはやはりゲーム主題歌になりそうな雰囲気で、ピアノイントロから始まってギターが鳴って、シンセベルとギターがメインになって、という流れ。ギターはぎぶそんさんらしいけれどリードギターの音作りにあまりスズム曲では聴かないアツさがあるため新鮮(完全犯罪ラブレター寄り?)。ベースは白神真志朗さん、ドラムは杉之下将一さん。


ハッピーサウンド
歌唱:__(アンダーバー)
作詞&作曲:__(アンダーバー) 編曲:スズム
(『くぁwせdrftgyふじこlp;@:「どうも、アンダーバーです。」(仮)』収録)


 2014年の作品。
 出だしから8bitピッコピコでキラキラでオルガンもよいスズム曲だよ? 語ろう?
 AメロBメロサビどれもハイテンションでキーボードとシンセ動き回っててよいの。テンション高すぎて五分間があっという間。Aメロの「今日は晴れだよハッピー\デッデーン/美味しく食べようクッキー\デッデーン/」ってやつとてもすきだよ。一番Aメロ後半の「なんでどうして雨だよ」あたりのキーボードもすきだよ。
 間奏のピコピコシンセソロとか動きまくってて物語性を感じるし、曲の〆がオルガンかき鳴らしてからのドラムなのも気持ちいい。そんな感じのハッピーなサウンド。何気に歌詞がアンダーバーのスタンスそのまま現れててアンさんファンとしてもだいすき。
 シンセ含むキーボード大活躍なハイテンション曲書かせたらやっぱ強い。


星屑ガランドウ
歌唱:平野綾
作詞&作編曲:すずむp
(『vivid』収録)

 2013年、X-box 260に移植されたシューティングゲーム「怒首領蜂最大往生」のオープニング。
 作詞が別の人だと語られにくいのか? とも思ったけど星屑ガランドウも割と話題には出ない。
 というかすずむpってなんやねん。作曲依頼が来たときは「すずむp」としてオリジナルボカロ曲をやる案も捨ててなかったのかな。わかんない。
 イントロからしてkemu意識を感じるシンセで、そこから怒濤のドラムにシンセにとVOXX的スズム曲とでも言うべき作品。間奏は高速ピアノ→ギターソロの流れ。これまたkemu感。
 programming(打ち込み)に150pも参加しているらしい。終末-Re:write-っぽい響きのハンドクラップが入っているのはそういうことなのかもしれない。
 歌詞は「ペテン師」「偽りだらけ」「戻れない」といったスズムらしい単語が続出し、後に「ろんさんとやさいじゅーす」「続・へたくそユートピア政策」でも出てくる「PM3:00(午後三時)」という時間帯も書かれていて、もしかしたらスズムの世界観のなかの短編でもあるのかも。


放課後ロックンロール
歌唱:C-Class
作詞&作編曲:スズム
(Youtube『アイドリズム公式チャンネル』にて投稿)


 2015年。
 アイドリズム楽曲も作詞作編曲スズムにしてはあまり語られないなーと思う。ワンコーラスしかないからかな。フルって存在するんだろうか。放課後ロックンロールはバンドサウンド+シンセな趣で、カジュアルにスズムっぽさを摂取できる良曲だと感じてる。


◎アレンジカバー音源


羊水の記憶
歌唱:まじ娘
作詞:武内千佳 作曲:小島恵理 編曲:スズム
(『CONTRAST』収録)


 2015年。
 メインで聴こえる楽器の選択はスズムだし雨音やヒグラシの声が入ってるのもズムいんだけど、歌詞のテーマの深さと言葉遣い、神々しささえある美しくてゆったりとしたメロディ、鳴っている民族楽器の音色の効果なのか、スズムらしい尖り感はない。だからこそ純粋に編曲力が出ている。
 そういう風にひたすら歌詞やメロディに寄り添った、我をあまり出さない編曲なのも、「羊水の記憶」の原曲がまじ娘さんの母・小島恵理さん&小島さんとユニットを組んでいた武内千佳さんによる作品であり、この作品のアレンジカバーは「歌い継ぎ」であることを鑑みれば当然かな。
 美しくもゆっくりとした盛り上がりのある楽曲で、とくに終盤の、伴奏に雨音とヒグラシの環境音が混ざっていく→ピアノ→ラスサビという構成がグッとくる。

 ちなみに、聴けばわかるけど羊水(みず)の記憶。


セーラー服を脱がさないで
歌唱:vip店長
作詞:秋元康 作曲:佐藤準 編曲:スズム
(『NO』収録)


 1985年の楽曲を2012年にアレンジカバー。歌詞についてはニコニコ動画っぽいアレンジで聴くとすっかりネタ曲になるんだなあって思う。
 2012年の作品ながら後期スズム曲にも劣らない完成度のチップチューン。メリハリの効いた音の増減、「もったいないから→あげない」のあたりの焦らしを強調しつつ盛り上げる編曲がとてもすき。一番サビから二番Aメロを繋ぐパートが聴いていて楽しい。


ロミオとシンデレラ(Sharp Rock arrange)
歌唱:ぐるたみん
作詞&作曲:doriko 編曲:スズム
(『EXIT TUNES PRESENTS る ~そんなふいんきで歌ってみた~』収録)


 2013年。イントロから時計の針の音鳴ってるのすき。最初に聴いたとき「じゃあ別に時計の針の音は世界観の考察の際に考慮しなくていいのかな」とか思ったりした。間奏は安定の高速ピアノ。改めて思ったけど高速ピアノ間奏ほんと多いな。
 前奏のリードシンセは綺麗だしAメロ入りからガラス割ってくるの強すぎる。Bメロ後半で時計の針、サビ入りとサビ中間でガラス割り。割りすぎでしょ。聴いてて気持ちいいけどもはや破片まみれでしょ。ガラスの靴も蹴り割ってるでしょこのシンデレラ。
 もはやネタみたいなテンションの高さの編曲はぐるたみんさんというボーカルのテンションには合っているのかもしれない。ギターも要所要所で勢い付けに役立っててよい。


如月アテンション(Starpop's Arrange)
歌唱:赤飯
作詞&作曲:じん 編曲:スズム
(『赤BAN』収録)


 2013年。同アルバムには竹取オーバーナイトセンセーションのエレクトロ和ロックアレンジも収録。
 本家より少しキーが高い。エレピアノやシンセベル、打ち込みブラス、ハンドクラップで楽しいポップをやっている。サビ終わりのピアノとてもよい。間奏のキーボードソロ、落ちサビのエレピソロとキーボードセクションが大活躍。
 本家と聴き比べてみると、本家がストリングスとギターで盛り上げるポップスでこっちがブラスとキーボードで盛り上げるポップスという風味。甲乙つけがたいけど、取り敢えずイントロのベースの音はスズム派で、曲中のピチカートの音はじんさん派。
 赤飯さんの入れたいネタや盛り上げに合わせて音を入れているのもあって、オフボーカルで聴いたらだいぶ盛り上がり感が足りなさそう。確かめたいので一回オフボーカル聴きたい。


天樂 -Loud Piano Arrange-
歌唱:灯油
作詞&作曲:ゆうゆ 編曲:スズム
(『ライフイズビューティフル』収録)


 2014年。
 Loud Pianoというにはピアノよりオルガンやドラムのほうが目立っているような。スタッカートがなかなか印象的。ギターもソロこそないがカッコよいロック。サビのバッキングのピアノとシンセが綺麗。二番Aメロ前半の空間作りが好み。間奏は高速な筝っぽい音。アウトロのドラムと筝もかっこいいね。
 2014年の音源だけど、ガチャガチャ具合はSorarhythmっぽいなあと思う。

◎ニコニコ動画投稿音源


【バンドアレンジ】アンハッピーリフレイン 歌ってみた【そらる】
歌唱:そらる
作詞&作曲:wowaka 編曲:スズム


 2011年。
 そらる×スズム楽曲のなかで一番知名度低い説。
 ギターのうねりとかがスズム感ある。それ以外はあまり尖った個性はないように思える。2011年の、まだHallowsすら出ていない時期の作品のため、そもそも個性の確立はできていないんだよね。そういう意味では私は興味深さから聴いてるのかも。
 ぎぶそんさんがギターを弾いているのもあってバンドアレンジとしてのクオリティは高い。そらるさんめっちゃケロケロしてんな。


トエト アコースティックアレンジで うたった
歌唱:ろん
作詞&作曲:トラボルタp 編曲:スズム


 2011年動画。
 原曲がオーケストラ楽器などの豪華な編曲に対し、こちらは鈴とアコギを主体にしたアコースティック。3.11の震災後に投稿され、投稿者コメント欄に支援メッセージ動画のリンクが貼られている。あったかい。
 アンハッピーリフレインと同じく、作風の確立されていない初期なのでスズム曲として語れることはあまりないけど、こういうオーソドックスな編曲ができるからこその個性であるということは意識していきたいね。


ペテン師が笑う頃に 歌ってみた【PV付き&アレンジオケ&RAPver】
歌唱:melost(天月-あまつき- × はしやん)
作詞&作曲:梨本うい 編曲:スズム RAP:はしやん


 2012年に投稿。激しいギター・原曲再現の活きのいいベース・ドラムとオルガンの活躍。原曲の時点でベースがお洒落なんだけどそこにオルガンとラップが加わってもはやチャラい。はしやんさんのラップとてもすきだな……。
 天月さんへの編曲提供はこれと天ノ弱くらいだと思うんだけど、スズムが色々やらなかったら作詞作編曲スズム歌唱天月-あまつき-もあり得たのかな? と思わなくも。
 まあスズムの性格が違ったら曲調の進化の方向性も違ってただろうけど。


シャバドゥビタッチヘーンシーン!!はロックだと伺ったのですが
サンプリング元:仮面ライダーウィザード(など)
作編曲:スズム


 2012年投稿。
 小洒落た音色のピアノイントロからハードロック、からのイケイケなシンセ、からのオルガンソロと「全力でおふざけ」な作品。後に「Hypocrite Syndrome」とか作るのも納得なラウドさ。
 コメントでも言われてるけどこれが他人の作った曲だったら怖いわ。


◎おまけ


マジックコード
歌唱:初音ミク(動画版。初出CD『Re:alize』ではりょーくん、『EXIT TUNES PRESENTS Vocaloextra feat. GUMI、IA、MAYU』ではMAYU)
作詞&作編曲:add9(ヘリp) ピアノ:スズム

 2014年。
 八日目、雨が止む前に。の調声で有名なadd9(ヘリp)の名曲で演奏参加。スズムの真価としてよく扱われるピアノが存分に楽しめる。キーの違いの関係上、りょーくん版とボカロ版でピアノの聴こえ方が違う。私はボカロ版派。
 爽やかなメロディと切ない歌詞、ストリングスやギターが光るポップロック。楽しい。


「Mr.Music」 歌ってみた 【MR,SOUND_SMS】
歌唱:OLD,うらた,将太,すこあ,まふまふ,DC,りもこん
作詞:れるりり&ロンチーノ=ペペ&かごめP
作曲:れるりり&ロンチーノ=ペペ
編曲:れるりり
ピアノソロ:スズム ギターソロ:まふまふ

 2012年。
 れるりり楽曲の合唱動画。間奏でのスズムのピアノソロ→まふまふのギターソロって流れは今考えるとやばい組み合わせだ……。当時は仲好かったんだなあ……。
 ピアノの雰囲気は終焉-Re:write-限定盤の、スズムアレンジCDに入っている孤独ノ隠レンボっぽいおしゃれ感。原曲のとくPによるピアノソロもおしゃれでよいので聴き比べてみてほしい。


これら6個の項目をごみ箱に移動しますか?/猫にブラストビートしてみた
歌唱:鏡音リン
作詞&作編曲:涼雅 ブラストビート:やまじ 間奏:スズム


 なにしとんねん


過食性:アイドル症候群 -ギガP Remix- feat.そらる&ろん(Bonus Track)
歌唱:そらる × ろん
作詞&作曲:スズム 編曲:ギガp
(『絶望性:ヒーロー治療薬』初回限定盤に収録)


 2013年。
 あすにゃの『青春の味と空論の君』の過食性をギガPがアレンジした音源。
 イントロのビートからしてすき。詰め込まれた音がとにかくクールで、そらるさん・ろんさんの歌声の電子的な加工にマッチしている名作だと思う。デジタルなピアノバッキングも素敵。二番終わり直後のギターやら「よいよいよいよい」のときの音やらがかっちょよい。ラスサビ前の「あらあらあら」ラスサビの「ほらほらほらほら」の処理がRemixとして完全正解すぎる。
 原曲がスズムで他の人がアレンジした作品では一番すき。絶望性、まだ限定盤が定価で売っているので持ってない人は買うべき。

あと他にもりょーくんのアレンジカバーとか色々あるからもっとみんな色んなスズム曲の話をしよう。してください。

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