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目標は高くしておいた方が良い理由

新しい年に入って今年の目標を決めた人も多いのではないでしょうか。今年限りではなく、人生の目標や数年後の目標など、いろんな目標があると思います。目標設定に際してSMART(Specific、Measurable、Achievable、Relevant、Time-based)という手法を使っていらっしゃる方もいるかもしれません。SMARTって何?という方にはググっていただくとして、目標を決める際にはちょっと無理かな?くらいの目標を立てると良いと思います。なぜならば、目標を立ててきちんと行動したことに対しては、結果がついてくることが多いからです。そして、無理そうに見えた目標にもいつの間にか到達していたということもあるのです。

私のノートを読んでくださっている方はご存知かもしれませんが、私が就職したのは昭和の時代。4年制大学を卒業した女子は就職先が少なく、短大もしくは専門学校を卒業して就職するのが一般的でした。私もご多分に漏れず英語の専門学校を卒業して無事一般職として外資系の会社に就職。新入社員として社内報の記事のアンケートがあり、どれくらい出世したいかという質問がありました。私は「社長」と答えたかったのを少し遠慮して「部長」と答えました。(笑)すると、結果は「部長」と答えたのは女子の新入社員では私1人だけ。社内報の記事には「女子でも1人だけ部長と答えた人がいるね」との若干嘲笑的なコメントが付いていました。

でもね、20数年後に私はちゃんとなるんですよ、部長に。アメリカでのポジションの扱いは若干違うかもしれませんが、私はアメリカでマネージャーに、そしてディレクターになれました。これは運が良かったこともありますが、私自身が諦めず、上のポジションに行くという目標を心のどこかでずっと持っていたからだと思います。

実は目標は高くしておいた方が良い、ということを学んだのは日本にいた頃でした。

私は日本にいた頃保険会社に勤めていて、英語ができたことから経営会議などで通訳を頼まれていました。ある年の経営会議で役員の方の1人が非常に高い営業予算を組まれ、その部門の人達からは悲鳴が上がっていました。私はたまたまこの役員の方と夕食のテーブルが一緒になったので「みんな無理だって言ってますよ」と、若気の至りで言ってしまいました。すると彼は顔色ひとつ変えず「良いんですよ、それで。」と言うではありませんか。彼曰く、達成するのは無理かもしれないが、高い目標を掲げるとみんなその目標に沿った努力をする。うまくいけば達成するかもしれないし、達成しないとしてもより高いレベルに達することができるかもしれない。80が達成可能であろう場合、あえて100を目標にすると100は無理かもしれないが85や90まで届くかもしれない。ひょっとしたら何かが起きて100に届くかもしれない。だから数値目標は高めを設定するんだ、ということでした。この会話をしてから30年近くが経っていますが、今だに忘れることができない会話です。

そしてもう一つのエピソードは、中谷彰宏さんのセミナーに行った時のこと。日本を離れる少し前に、私は中谷彰宏さんのセミナーに参加しました。申し訳ないことに、中谷さんがお話された内容はすっかり忘れてしまったのですが、質疑応答の場面はよく覚えています。なぜならば最後の質疑応答の時間になって、私は真っ先に手を挙げて、どうしてもしたかった質問をしたのです。実はその時期の私は仕事で行き詰まりを感じて意気消沈していました。環境を変える決心をしてアメリカ行きを決めたのですが、それは「負け犬」のような気持ちで、このまま日本にいてもしょうがないな、と感じたからでした。仕事を10年以上自分なりに頑張ってきたけれど、結局は報われなかったという思いを持て余していて、そんな気持ちをどう処理して良いのか分かりませんでした。そんな私の「頑張ってきたけど、報われなかった。どうしたら良いのか?」と言う質問に対して、中谷さんの答えは前述の役員の答えに非常に似ていました。私が頑張ってきたことで、頑張らなかったであろう私よりも頑張った私はより高い場所に到達している。目指していた場所には到達できなかったかもしれないが、目指していた場所により近い場所まで行くことができたのではないか、というものでした。そして中谷さんが仰った通りだと思います。アメリカに来て大学に通い、フルタイムで仕事をしながら8年かけて学位を取った後、2年足らずでディレクターのポジションに就くことができたのは、それまで長い年月をかけて高い目標に向かって歩みを進めていたからだと思います。

振り返ってみると、ポジション的な目標にしても金銭的な目標にしても、あまりにも高い目標で遥か彼方に見えていたものが、歩を進めるうちにいつの間にか手の届く範囲に近づき、頑張れば達成できていた経験をしてきました。私は一流大学を卒業したわけでも、資産家の家に産まれた訳でもありません。愚直に毎日人より少しだけ頑張って一歩一歩前に進むことで、いつの間にか目標に到達してきました。因みにこの記事はタイトルに上げた写真の景色を見ながら書きました。こんな素敵な環境に住むことができているのも、いろんな目標を持ってきた結果かもしれません。この記事を読んでくださった方の目標が、そして夢が叶いますように!

今年もよろしくお願いします。

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