定年について🇺🇸アメリカ人は何歳まで働くの?
実は50代もガッツリ後半戦の私。なので最近新卒で就職した会社の男子の同期が定年を迎えたという話を聞くようになりました。私が就職した昭和の時代は女子は4年制大学に行くと就職に苦労するという、今から考えると信じられないような時代でした。なので私の同期の女子(私も含めて)は短大もしくは2年制の専門学校卒で20歳で就職。そして同期の男子達は大卒なので私よりも少なくとも2歳は年上なのです。そっか〜、A君も定年か〜。と思いながら、日本の友人に「アメリカの定年は何歳?」って聞かれたことを思い出しました。
さて問題です。アメリカの定年は何歳でしょう?
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答えは「定年はありません」です。
まずアメリカの職場で世間話は別として、ビジネスの場面で年齢を聞かれることはありませんし聞いてもいけません。私もマネージャーとして採用の面接やら部下とのワンオンワンミーティングやら散々してきましたが、一度も私から年齢を聞くことはなかったですし、これからもないでしょう。何故ならば、そのような質問は年齢差別につながると理解されてしまう恐れがあるからです。なので、基本的にアメリカの職場で相手に年齢を聞くことはタブーです。
年齢を聞いちゃいけないんですから、当然年齢による降格もしくは退職勧告の仕組みである日本スタイルの定年はアメリカには存在しません。働きたい人、もしくは働く必要のある人は何らかの理由ができない限りは働き続けているような気がします。私の職場にも70代の同僚が人数は多くはありませんが数人働いていらっしゃいました。
会社で定年は決まっていませんが、長年働いていたら流石に「もう働くの疲れたわ」って人も出てくるのは世の常です。私が見た限りではある程度の年齢になると自主的に退職したりしていく人が一定数いらっしゃいます。そして企業側でも人の入れ代わりが必要だと感じた時には解雇時に払う一時金を割り増ししたりする形で早期退職を促すことも珍しくありません。その場合にも「何歳」という縛りではなく「勤続年数と年齢を足した数が一定数以上」という条件だったりします。
因みに私の周りで、ある程度の年齢になられてから退職していくパターンはいくつかありました。
①早期退職制度に乗っかる
業績が芳しくなかったり職歴の長い人が増えて人件費が上がってきたりすると、企業はアーリーリタイアメントと言って早期退職の希望者を募ることがあります。これは結構美味しくて、解雇時にもらえる所謂セベランス(一時金)が上乗せさることが多いので、ここぞとばかりに早期退職を希望していく人は結構います。そして実は暫くしてからまた職場復帰する人も結構な数いるんですよね。やっぱりみんな家にいたら暇みたい。私が以前いた職場にかなりお年を召したパートタイムで働いているエンジニアの方がいらっしゃったのですが、前職を退職して家にいたら奥さんに「家にいたら邪魔だから、どこかに行ってちょうだい」と言われてパートで働いてるって言ってました。
②ソーシャルセキュリティーがもらえる年齢になる
アメリカの年金制度であるソーシャルセキュリティーがもらえる年齢になったから年金生活に入る気になるということと、後はメディケアといって国が提供する健康保険に定められた年齢に達すると加入できるようになるのです。これが大きい。アメリカは日本のように国が提供する健康保険のシステムがなくて、個人で何とかしなさいという仕組みになっています。会社員の場合には会社が提供してくれる健康保険に入る人が大半なのですが、会社員でない場合に個人で入る健康保険の保険料はバカ高い額になり、家族で加入すると一ヶ月に10万円以上の保険料が取られることもあります。なので、健康保険のために会社員として働き続ける人も非常に多いのがアメリカです。そしてメディケアに入れる年齢になると、やれやれ、これで安心だわって感じで退職されていく方も多いみたいです。
③定年がある職業に就いている
アメリカには定年がないと言いましたが、ある一定の年齢になったら退職することになっている職業もあります。例えば警察官や消防士など。そして彼らの年金はメチャクチャ良いです。まあ体を張って仕事をしているということもあるのでそれくらいのご利益はあっても良いと思いますが、私の友人によると定年になってからも現役時代のお給料の9割が貰えると言っていました。但しアメリカあるあるで、住んでいる地域や勤めている組織によって退職年金の仕組みは違うと思うので、アメリカだったらどこでもこんなに恵まれているかどうかはわかりません。
私は自分がいつまで働くのかちょっとまだ決めかねていますが、年齢の括りがなくやる気やスキルがあれば雇ってくれる会社があるというのはありがたいことです。ジョブ型雇用の労働環境では、ポテンシャルよりも経験とスキルで採用が決まることが多いので、経験のない若い人よりも経験豊富なベテランの方が有利になることも多いのです。正直言って、若い頃のように力任せに馬力で乗り切るような働き方はできませんし、しようとも思いませんが、長年培ってきた知恵と経験で残りのキャリアを乗り切っていこうと考えています。
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