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大人になって読書感想文を考えてみたら、私のスキがわかった。

読書感想文が苦手だった。「読書感想文が苦手という人が多いけど、私はけっこう好きだった」という人はすごいなあと思う。

読書は大好きで暇さえあれば本を読んでいたが、それと得意不得意は関係ないらしい。本を読むのは私自身がその世界に入り込むということで、そこにはなんの感想も生まれないと思っていた。
読後は、面白かった、あまり好みではなかった、怖かった、そのくらいの感想だった。とりわけ読書感想文の型、みたいなものを意識してしまうとまったく筆が進まなかった。

だが大人になった今なら、どうであろうか。
自由にどんなことでもいいなら、書けるかもしれない。

たとえば、私がすきな東野圭吾さんの加賀恭一郎シリーズ(主人公が刑事さん)。
もちろん物語の内容はとっても面白く色々と考えさせられるのだが、感想文を書くとしたら…

私は、小説に出てくる食事やお茶のシーンが大好きです。この人はどんなものを食べるのだろう?飲むのだろう?とついつい注目してしまいます。
このシリーズは刑事モノということもあって、よく刑事さんが話を聞くのに、喫茶店もしくはコーヒーショップに入ります。そこの描写がたまらなく好きです。
物語の本筋に関係なくとも、この人はこれを頼むんだとワクワクしてしまいます。
「さっきはコーヒーだったから、ここでは紅茶を頼んだ。」的なことが書いてあると、そっかそっかと嬉しいです。
コーヒーショップという書き方もなんだか味わい深いなあと思います。今風に言うと、エモさを感じます。
被害者が殺される間際、ケーキ屋さんに寄って帰ったという箇所でも、なんのケーキを購入したかったのか、きちんと書いてあるのです。それがまた美味しそうなのです。よく覚えています。
だから私は東野圭吾さんが大好きです。

…意外と書けそう。なにを書いてもいいのなら。

頭の中で、読書感想文を書いてみたら、自分のスキが改めてわかった。私はやっぱり食べ物が好きなんだなあ。
これが読書感想文と呼べるのかはわからない。
だが少なくとも宿題だから嫌々書く、ということにはならずにすみそうだ。

どんな感想に、いいも悪いもないもんね。
小学生の自分に伝えたら、どんな感想文を書くのだろう。
少し読んでみたい。

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