「ZAZEN BOYS MATSURI SESSION 2024」@水戸 LIGHT HOUSE 2024.4.12
今年1月に発表されたZAZEN BOYSのニューアルバム「らんど」を聴いて、傑作きた!と思った人は多いでしょう。多分に漏れず私もそういうノリでして、これはライブを絶対見たいと。
2月のTOKYO DOME CITY HALLがぼーっとしてたら完売し途方に暮れていたら、追加販売のお知らせが。これはチケットすぐ取らねば!急げ急げ〜!とスマホを連打したら無事取れました。水戸のチケットが。間違えた。間違えて買っちゃった。同じ関東とはいえ、私の家から水戸は50駅以上先でとにかく遠い。しかも私は納豆が大の苦手で、物理的ならず精神的にも遠い街、水戸。しかし、奇跡的に行けなくはないスケジュールだったので、ZAZEN BOYSを見れるならという事で納豆王国水戸へGO。
「MATSURI STUDIOから茨城県水戸CITYへ久方ぶりにやってまいりましたZAZEN BOYZです。」4人が入ってきて歓声が上がり、静寂の中行われたチューニングが終わった後の向井秀徳(Vo.Gt.)の挨拶で場内が高揚感に包まれる。
前半の個人的ハイライトはなんと言っても「RIFF MAN」。黄金のリフが日本屈指の数と言っても過言ではないZAZEN BOYSのタイトルにリフがつくこの曲。殺し屋MIYA(Ba.)のベースが重なり至高のリフは踊らずにはいられない。観てた場所的にMIYAは揺れてる髪の毛ぐらいしか見れなかったのが残念だったけれど、その躍動感あるベースは音でバリ伝わりました。
そして、「バラクーダ」では向井秀徳の首振りダンスが炸裂。SNSで大人ブルーな動きを最近しているというのを知って、向井秀徳おもろーとしか思っていなかったが、生で観てかか、かっこいい…!まさか向井秀徳の首振りを見てかっこいいと思うなんて思わなかった。言ってしまえば場所が宴会ならただのおっさんの余興である。しかし、ZAZEN BOYSのライブで見せる向井秀徳の首振りダンスはかっこいいのだ。私はあの首の動きからは音楽を心から楽しむこと、そして大人の余裕を感じとった。向井秀徳はその素晴らしいキャリアにおいてもう日本のロックレジェンド枠にしっかり入っていると言えるだろう。そうなると、アイコンとしてのロックスター、過度に神格化された視線を送られる事も増えてきているのではないだろうか。少し深読みかもしれないが、それをかわしているのだ。あの首振りダンスで。このライブには学ランを着た学生も来ていたが、そんな彼らのキラキラした憧れの目線すら向井秀徳はかわしていくのだ。では向井秀徳はどのように大衆に見られたいと思っているだろう。おそらくそれはあらゆるラベリングやカテゴライズをかわした「This is 向井秀徳」。それでしかない。「バラクーダ」の後も2回首振りダンスが見れました。
後半の個人的ハイライトは「Weekend」で曲中に向井秀徳が「ミラーボール回転」の声で照明が回り始めたところも捨てがたいが、なんと言っても「Cold Beat」の松下敦(Dr.)とMIYAのプレイだろう。MIYAに負けない殺し屋っぷりの目つきのドラミングを刻む柔道二段の松下だが、この曲のソロだけは少し笑顔が浮かぶ。華麗な内股で一本勝ちを決めたように。そしてMIYAのベース。令和のフリーや!!と叫びたくなる圧巻のソロであった。
他にも向井秀徳がギターを下ろした曲では指揮者を始めたり、繰り返される諸行無常が「繰り返される繰り返される繰り返される…」といつまでも繰り返されたり、ラストは「K!I!M!O!C!H!I!」の掛け声をオーディエンスに促し自分達は静かに退場していくというシュールな終幕。
磨かれた巧みな技術。培われた阿吽の呼吸。そして大人の余裕。そんな賛辞を向井秀徳に伝える事ができたとしても、ZAZEN「BOYS」ですから。なんてかわされるんだろう。
1.DANBIRA
2.HIMITSU GIRL'S TOP SECRET
3.RIFF MAN
4.バラクーダ
5.八方美人
6.チャイコフスキーでよろしく
7.ブルーサンダー
8.杉並の少年
9.天狗
10.This is NORANEKO
11.SI・GE・KI
12.Cold Beat
13.ポテトサラダ
14.はあとぶれいく
15.黄泉の国
16.Honnouji
17.Weekend
18.YAKIIMO
19.乱土
20.胸焼けうどんの作り方
En1.永遠少女
En2.KIMOCHI
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