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作曲研究会GCTを運営しなかった話

どうも。皆さん。こんにちは。
毎度お馴染み まいせりしるき です。
お馴染みじゃないひとは、初めまして!

 今回は初めてのnote投稿ということですが、なぜいつまでも書かない書けない書くものが無いと言っていたものが急に書くことになったのかと言うと、UT Doujin Advent Calendar 2023 に参加を誘われて、良い機会だなぁ(n回目)と思って書くことにした、からです。要は、気まぐれです。
 ちなみに、このアドカレには同人活動やサークル運営に関わる知見や経験など、本当に凄い同人作家さん達による本当に凄い記事がたくさん出ているので、是非リンクを辿って読んでみてください!

 この記事では、自分が趣味で音楽制作をしてきて、どのように同人活動に踏み込むことになったか、その経験から思うこと――大半は反面教師としてですが――についてざっくり時系列に沿って雑に共有していきます。正直なところ自己満足で書いているところがあるので、実利的な情報はあまりないかもしれません。単なる一つの事例でしかありませんが、何かの参考になれば良いな……と思います。
 長文を書き慣れないもので、お見苦しい、読みづらい、何を言っているのかまるでわからんぞ!といった箇所とかも度々あるかと思いますが、どうかご容赦いただければ…… と思います。前置きが長くなるのはぼくの悪いクセですのでそろそろ本編に入って行きましょう。
 ちなみに本編もやたら前置きが長いので、同人活動にガッツリ関わる話をとりあえず読みたいというひとは目次から「GCT?」の辺りまで飛ぶことをオススメします。


作曲?

 まずはここでする話の背景を伝えるのも兼ねて、少々身の上話をさせていただこうかと思います。毎度お馴染みでないひとは、お前は誰だ という状態だと思いますので、ここでぼくの存在を知っていただければとても嬉しい。

 自分は幼い頃から縁あって楽器を習っており、幼少期は大部分が苦痛(習い事あるある!)であったものの、これが後々音楽の素養として大いに役に立つことになった、という過去があります。
 そうして中学校とか高校とかで学生生活を送る傍ら、音楽って楽しいな(真理)…… と思い立ち、趣味の音楽を聴いては真似するとか、コンピューターを使って楽曲もどきを作ってみるとか、そんなようなことを細々とやり始めたわけです。
 とはいえ、高校生活というのは意外と拘束時間が長いうえに、自身が本質的に怠惰であったために、趣味と言えるほど熱心に打ち込むことはできなかったのです。今考えるとこれが 本当に 勿体なくて、周囲の同年代には早くからバリバリ活動し始めて相当の成果を上げたひともいましたので、老婆心ではありますが、「やりたい趣味は早くやれ」ということを、まずは是非ともお伝えしたいですね。
 さて、そうやって大して面白いものを作るでもなく過ごしてきた少年まいせりしるきは、大学入学に際して、目当てのサークルを探しておりました。するとすると……「東京大学作曲研究会GCT」。これだ。

研究会?

 東京大学を拠点に、学内外の大学生・大学院生らが集まり“音”を創るサークルです。五月祭、駒場祭、春秋M3などでコンピレーションアルバムを頒布しています。

東京大学作曲研究会GCT Twitter/X アカウントより

 (宣伝ではないよ!いや嘘だ宣伝だよ!聴いてね!!)

 大学入学前に細々とやっていた音楽活動は、単に頻度が低かっただけでなく、規模も大きくなかった、つまり周りに同好がおらず自分独りでやっていて、どこかで世に出すこともなかったし、その方法も情報も何もありませんでした。
 というのは自分が単にコミュ障であることも一因でしたが、それなりに田舎の高校であったとか、インターネットを活用できていなかったとか、とにかくいろいろあって、趣味で音楽をやっていて話が合うひとなんていないじゃん!という状態だったわけなんですね。

 とはいえその状態に満足できるはずもなく、大学に作曲をメインの活動とする団体があると知って鬼の首を取ったように狂喜乱舞、大興奮で加入の連絡をしました(当然のように首を取られる鬼に涙を禁じ得ない)。そこからぼくの同人音楽ライフは始まり、様々な趣味の合うひとや新しい音楽の世界と出会っていき、今に至るというわけです。
 ここから得られる教訓として、「自分から動こう」「情報を収集しよう」「同じ趣味のひとは一歩先にはいないかもしれないが、意外と近くにいる」ということを打ち出していきたいですね。入学通知後すぐにサークル紹介のウェブサイトを舐めるように読み漁ることがなければ今の自分はいませんでしたし、TwitterなどのSNSを上手に用いれば趣味を同じくするひとと意外と簡単に繋がることができます(なんか話がインターネットに偏っているな)。こうして貴方がこの記事を読んでいるのも立派な実践ですよ!

GCT?

部室で拾ってきた貴重な資料

 さて、ここからが本編の本編(?????)ということになりますが、ちょっとだけ東大作曲研究会GCT(以下、GCT)についてお話しようと思います。

 上に載せた画像の通り、GCTは元々2つのサークルだったものが合併してできたという経緯があり、ぼくが加入した頃には出来立てほやほや状態、とまでは行かないけれども、新体制になってからまだ日が浅かったわけです。ただ、上級生の雰囲気から推察するに部員同士の仲がそれなりに良くて、部員数もそこまで多くはなかったこともあってか、きっちりとした管理体制があったというよりかは、親密な雰囲気でわいわい事が進んでいた?ような気はします。
 (加入以前のことは本当に何も知らなくて、Discordサーバーのログとかから邪推することしかできないので、当時の事情を知っているひといましたらぜひ教えていただけるとうれしいです。)

 しかし、2019年~ と言えば……?そう!SARS-CoV-2感染症、もといCOVID-19、もとい新型コロナウィルス感染症、所謂「コロナ禍」によって、悉くあらゆる行動が"自粛"され、その影響で数々の大学サークルが運営体制崩壊・新入生不足により消滅・活動が制限され実質的に無化されてしまった、そんなことがありました。即売会も全部 ないなった し、他の同人活動界隈もこれによって大打撃を受けたことは間違いありません。
 GCTも例に漏れず、以前は部室で大盛況を博した(らしい)週1の定例会も、オンラインで淡々と事務連絡するだけの文書読み上げタイムとなってしまいました。そして、ちょうどこの活動制限期間明けくらいに加入したのがぼくの代であった、というわけです。

運営しなかった?

 そして、ここからが本編の本編の本編(??????????)ということになりますが…… こうして空白期間の後に加入した新入生から次期執行代を任命することになり、ぼくは副代表 兼 会計担当として運営に参加することになりました。
 GCTの活動は主に 音系・メディアミックス同人即売会 M3 での頒布に向けたコンピレーションアルバムの制作と、東大生同人即売会 コミックアカデミー (このAdvent Calenderの主催です!) への出展であり、基本的にこれらは欠かさず実施することになっています。その他の自主的な企画、他団体からの依頼・タイアップなどは追加で必要に応じて行う、といった雰囲気で活動しています。

 しかし、時はコロナ禍明け。先代からの引き継ぎが十分に行えていない状態であり、必須のイベントに向けた製作がなんとか完了しただけでも偉業、という雰囲気でした。先に述べたように、メンバーが集まる唯一の機会であった定例会においてコミュニケーションをあまり取れておらず、メンバー同士の結束を形成することができなかったため、追加の活動などの場を創出するにはかなり無理がありました。
 この時期に副代表として運営に携わる立場でありながら、ほぼ傍観者状態であったぼくが、不安定な運営体制に舞う同輩を横で見ながら思った問題点を以下に挙げておこうと思います。

問題1: 運営メンバーの引き継ぎが不足

 自分の代に関してはコロナギャップによる隔絶もありましたが、各役職の人員が何も知らない状態から運営の方向性を手探りしていたものでした。
 GCTは活動拠点となる部室が駒場にあったこと、新入生に対する教育としての意図もあったことから、1年夏の時期に引き継ぎ→前執行代が補助しつつ運営に携わるという体制で回しています。似たような運用をしているサークルも多いかと思いますが、ここでの問題は、前担当者が自らの業務を実演する機会がなかったために、実際の仕事の流れが理解されなかったということでした。

 このことについて我々の代は、実際に自分らが行ったことを文章にまとめる(マニュアル化する)ことで必要な情報を受け渡そうと考えました。おそらく一定の功を奏したものと思いますが、そもそもこの代で十全な運営が行えていなかったので、完全に受け渡すことができても現状以上の改善は見込めなかったでしょう。
 ぼく自身の例で言うと、会計担当として過去の収支情報がどのように管理されていたのかを、何代か前から秘伝のたれのように継ぎ足し継ぎ足しされた領収書の束から推測することしかできなかった…… なんていうこともありました。

 引き継ぎどうこう以前の問題として、執行代の中でも学業が忙しかったりしてほぼコミットできなくなっていってしまったという例も多く、難しい所ではありますが、「運営に関わる人員は後任にちゃんとバトンを渡そう」という点を強調せざるを得ないですね。実演・文章問わず、何らかの形で業務内容を伝える、あるいは残すこと。

問題2: 仕事の割り振りができていない

 ところで、先ほどぼくは副代表兼会計担当になったと紹介しましたが、GCTの執行代には 代表・副代表・新歓担当・渉外・会計・Web担当・連絡委員 の7つの役職が存在します。業務内容は大体名称通りでわかるかと思いますが、あれ?イベント事の手続きは誰がやるのでしょう?定例会の司会や議事録の管理は?同人活動に必須の役目であるところの、進捗管理は……?
 うちのコンセプトとしては、執行代が全ての業務を負うわけではなく会員全員で協力して運営を行っていこう、執行代の中でも業務内容は固定ではなく適宜融通を利かせていこう、という感じで回すことになっているのですが、結局、代表をはじめとする一部の人員に仕事が集中し、そのために属人化が進み、どんどん負担が大きくなる…… という結果になってしまいます。

 仕事の割り振りとは意外と難しいもので、「他人に任せるくらいなら自分がやってしまった方が面倒が少ない」なんて思うひとも少なくありません。膨大なキャパシティと様々なタイプの業務をこなしてしまえる手腕がある場合などは別ですが、基本的にこれを続けるとタスク量に潰されてしまいます。
 他の種類の団体でもそうですが、同人活動サークルのような趣味活動を中心とする場では特に、必要となる業務が短いタイムスパンで変化しますし、大学サークルのような人員の入れ替わりが激しい場では特に、既存メンバーの脱離に伴って仕事の割り振り先が"謎"になりがちです。
 具体的な方策を何も提示できないことがやや心苦しいのですが、「仕事の割り振りぢからは大事なスキル」だ、という提示だけ、しておこうかと思います。

問題3: 運営の方向性・決定権の所在が不明

 サークルの代表じゃないの?
 実は代表って名義を貸しているだけでェ……

 初代代表などでそのサークルの創設者である等の場合でなければ、代表や他の執行代に 決定権 が帰属することが意外と難しい、という何ともし難い概念的な(?)問題がありました。
 先代から連綿と受け継がれてきた執行代の引き継ぎ資料には「執行代にDTMの技術は不要です!!」と、必ず大文字で書かれていたものでした(一応知らないひとのために説明しておくと、DTMとはDeskTop Musicの略称でコンピューターを使った音楽制作を表す言葉です)。その実、同人活動における創作の部分と実働の部分は明確に異なる能力であることは、作者と編集者が別の役職であることを見れば明らかです。

 これはGCTに特有なのか、もっと言うと自分の代のGCT新入生のメンツに特有なのかはわかりませんが、DTMを趣味とする人員のみが集まったことは良いのですが、そのことと背反しないはずのサークル運営に積極的な人員が著しく不足しているという大きな問題がありました。
 創作にのみ精を出し、運営には興味ナシ…… そんなひと達が集まったところでただ作品だけが蓄積し、それをどうしていくかについては何一つ決定されません。実際、当時のGCTは 単にひとが集まっているだけ と言っても過言では――いや少し過言かもしれませんが――いずれにしろ方向性の決定に関与することを放棄するひとが続出していた状況でした。音楽性の違いにより解散するバンドはよく聞きますが、解散するほどの方向性すらなかったので逆に集まることができていたなんてね

 現在のGCTでは後輩たちの活躍によって、サークルとしての結束や部室などの共用リソースの整備、イベント事での集客など少しずつサークルらしく成長してきました。これらも創作の得手不得手とは全く異なる運営力の成す業であることはもう繰り返さなくても良いかもしれません。
 雑な喩え方ですが「作者役と編集者役は両方揃っているか?」と今一度省みることが重要なのではないかな、と喚起しておきます。もちろん、一人で作者も編集者も兼任してしまえるひともいますし、必ずしも別々のひとに振り分ける必要はありません(ただ、個人的には編集者役専任のひとがいると大変助かるな と感じております)。また、直近のGCTでもやや問題になっていましたが、編集者役にあまり向いていないにも関わらず担当せざるを得なくなり負担が集中してしまうパターンもあるので、この辺は分担して行うとか工夫する必要があるでしょう。

話?

 結局何の話をしたかったのかわからずいろいろ散らかってしまいましたが、各見出しごとの太字+鍵括弧で括った強調箇所をここにまとめ直して、まとめ としたいと思います(小泉進次郎構文)。

  • 「やりたい趣味は早くやれ」

  • 「自分から動こう」「情報を収集しよう」「同じ趣味のひとは一歩先にはいないかもしれないが、意外と近くにいる」

  • 「運営に関わる人員は後任にちゃんとバトンを渡そう」

  • 「仕事の割り振りぢからは大事なスキル」

  • 「作者役と編集者役は両方揃っているか?」

 う~ん結局何の話をしたかったのかわからない
 こんな感じでぼくがGCTと関わる中で感じてきた、趣味と同人活動、サークル運営に関するあれこれを話してきました。未だにサークル運営については全力でコミットした経験が薄いため、月並みな問題提起しかできませんでしたが、自分がなんとなく曖昧に感じていた問題点を言語化する良い機会となりました。
 同人サークル運営に関してはいろんな形態があり、特に大学サークルで対象とする活動の範囲が広いという特徴ゆえの問題が顕在化していたように思えたので、こういう難しさがあるよ!ということを知ってもらえるだけで嬉しいです。
 ただ、これたの所為で創作活動やサークル運営に踏み出すことを躊躇うことは無いようにお願いしたいところです。というのも、それ以上に得られるものは想像以上の大きいものであり、経験を積むことで解決されることも多いはずです。更に、同人活動の始め方や広げ方については、経験豊かな同人作家から成る コミックアカデミー や UT Doujin のコミュニティから手厚いサポートを受けられますからね!

 ここまで読んできたひとは、作曲研究会GCTとかいう団体ボロボロではないか みたいな印象をお持ちでも無理はないかと思います(ごめんなさい、愛ゆえの厳しさみたいなものだと考えてください……)
 もちろん、現在でも運営に関しては未だに問題が残っておりいろいろと模索しながら頑張っているところですが、本当に創作のレベルは第一級で、更にDJなどの隣接分野への活動拡大も積極的に行われている最中です。これからもGCTをよろしくお願いいたします。
 ちなみに、今回ぼくがこの記事で参加したアドベントカレンダーには、作曲研究会GCT名義で後輩も記事を提供するようなので、ぜひお楽しみに!

 最後に、こんなところまで慣れない文字書きの駄文を読んでくださり、ありがとうございました!今後も当記事を機にnoteなどでいろいろ書いて行ければ良いなと思います。
 それでは、また会う日まで!

※この記事は「東京大学で同人創作活動をするサークルによる、同人創作とサークル運営についてのアドベントカレンダー」UT Doujin Advent Calendar 2023 10日目の記事です。

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