「利子」のお話

「利子」の歴史は古く、
貨幣ができる前から存在していました。
人間の経済活動の根幹にある営みなのです。

紀元前3500年ごろのメソポタミア文明。
現在のイラク。
チグリス川とユーフラテス川の間にある肥沃地帯に、シュメール人の国です。

彼らは大規模な灌漑農業を始めると、やがて生産物に余りが生まれるようになりました。すると、農業で働かなくてもいい人間が登場します。そして、神官や暴力を行使して統治者となります。すなわち、権力者の誕生です。

権力者は、共同体の大半を占める食糧生産の従事者と違って、生産労働には従事しません。その代わり生産物を民に分配します。そのため、民から集めた余剰生産物の管理が重要課題でした。その年、自分の国で、どのくらいの収穫があったか?誰がどのくらい税を納めたか?を把握しないといけない。

その管理に「粘土製の板」が使われました。
そこには、文字で収穫物の情報が記録されています。こうしたタブレットに似た「粘土板の板」はすでに50万枚以上も出土しています。年に一度は棚卸しをして、決算まで行っていたといいます。

こうしたなかには、返済条件の書かれた借用書もありました。メソポタミアのハムラビ法典には、穀物の貸し借りには、「33.3%」が、銀の貸し借りには「20%」の利子が、約一年でつくことが明記されています。この頃は、まだ貨幣がないので、穀物や銀など現物に対する重量をベースに利子が支払われました。

"お金のなかった時代にすでに利子はあった"
これは、20世紀のある時期まで、貨幣のなかった地域でも普通にあることでした。
フィリピンの山奥では、豚の夫婦を借りた場合、その夫婦に子供ができたら、それを利子として返します。お金が流通することのない地域でも、利子は存在しているのです。

「利子」
お金を貸すことによって、他者の機会収益を作り出す。自分の機会収益を譲る。その対価として、利子による所得を得る。

日本の学校で、「利子」のようなお金に対する概念や考え方、そして歴史について、教育されることはありません。そして、今後も取り入れられる可能性は低いと思われます。

だからこそ、
生きていくのに大切な要素であるお金についての勉強を自ら率先して、お金の知識を深め、お金の奴隷になるのではなく、お金をうまく活用して、豊かに生きていく礎を作っていくのです。そして、深く知れば知るほど、アイデアや楽しさが生まれ、ますます豊かな人生を築いていくことになるでしょう。

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