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陰気だった子どもの頃のこと。

私は、東京の下町で生まれました。

小学校~学生時代は、あまり思い出したくない出来事がたくさんありました。
当時の写真を見るのは、あまり好きではありません。

私はとにかく人見知りで繊細な性格でした。
大人しすぎて、何故か先生からもいじめられることがありました。
私は不器用で、周りと馴染むのにとても苦労していました。友達は普通にいましたが、何かペアになって進むような場面で、奇数の人数でいるときには、いつも自然に取り残されていました。
花いちもんめみたいな遊びも好きではありませんでした。

中学の頃は校内暴力のはしりの時期でした。当時はあまり陰湿ないじめというものはなく、不良たちがごく普通に竹刀を持って登校していました。私は大人しいながらも、変に正義感があるタイプで、いじめを許せず、いじめられている子を守るために自分が竹刀で叩かれることもありました。
他人が嫌な思いをするを見るのは本当に嫌で、その苦しみを引き受けていたのかもしれません。おそらく私は長女の気質もあったのでしょう。実際二人の妹もいますから。

高校に入ると、私はさらに内向的になっていきました。男子も苦手で当然のように女子高に進学していました。
自己表現が苦手で、自分の考えや感情を人にうまく伝えることができませんでした。
そのころは極端ないじめはありませんでしたが、勉強をはじめとして、苦手なことにも悩むようになりました。
周りの友人たちは成績優秀で、進学校に進むことを目指している子も多数いましたが、私はそのレベルについていけませんでした。
成績は本当に極端。英語は学年でトップクラス、でも数学は学年でほぼ最下位。
友人たちは恋愛やアルバイト、お洒落に興味を持ち始めているのに、一方で私はまだ自分自身を見つけることができず、苦しんでいました。

高一の秋の文化祭。体育館で観たロックバンド部の女の先輩たちの演奏がかっこよくて、バンド部に入り、その時に、ちょっと悪っぽい雰囲気はあるけれど、陽気で楽しいけいこちゃんという女の子と仲良くなりました。
けいこちゃんはクラスの人気者。
私は、きっと相変わらず陰気な雰囲気があったろうとは思うのですが、けいこちゃんは、そんなことを気に掛ける様子もなく、気軽に話しかけてくれ、彼女がそばにいなかったら、声をかけてくることもない女子たちが親し気に話しかけてきてくれました。

そして、私にとって、転機となることが起こりました。 続く


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