ペグが無くなる 3
新しいペグに付け替わった。
ペグってなに?弦楽器の頭についてる弦を巻き上げ、音程を合わせるためのパーツの事。わたしのは、エレキアップライトベースのペグの話。
顔をみたら
「どうしたんですか、ビックリしましたよ」と店を訪ねた。前に会ったのは2年前ぐらいだと思うが思ったよりも顔は丸くて元気そうに見えた。別に気にしなくていいよ、マスク、とマスクをつけずに笑顔を見せて応対してくれた。わたしはもちろん外すことなく付けたままで居た。そう言えば店の移転の際にも、もしも合うパーツが出てきたら、とその後エレアプどう?とメールで尋ねてくれたのだった。思い出してもらえるのは、やはり嬉しいものだ。彼も次のバンドの活動のために、スラップの練習していると、ウッドの方、今度弾かせて下さいね、と言っていたのだが店にあったから弾かせてもらった。あれ?弦の弾く感じは、なんだか柔らかな感触で意外と弾きやすい。弦高が低いからかもしれない、そうかもしれない。ベースを弾きたいと思った10代のころ、まだ弾く前から同時に最後はこれをを弾けるようになりたいと、心に置いていたのだ。そう思ったのは、その頃チャールズ・ミンガスを聴いてゾクゾクときてしまったからだ。
それはさておき、ひとしきり身体のことや治療のことや近況など、話しを聞かせてもらい、さてわたしのエレアプをどうしようかという話になった。わたしとしては、買い替えを考えているが、このエレアプの修理の可能性があるならそれも考えの範疇であり、もっぱらお金をかけ過ぎずに、普通に弾けるものが欲しいのだと伝えてみた。修理もあり?ならば、と閃いたように次の手立てを提案してくれた。楽器店でバイトをしている友人がいるから、ちょっと聞いてみる、知ってるんかな?◯◯ちゃん。そうそう、ながらく会っていないが、わたしも面識のある人だった。こんな数珠つなぎな感じ、すごく大きく回った。有り難い。
ちょっと聞いてみてもらう、の数日間は、一旦彼に託して待つことにしたのだった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?