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#356 今さら「大豆田とわ子と3人の元夫」

2023.6.3.
先日、カンヌ国際映画祭で坂元裕二さんが「怪物」で脚本賞を受賞した。

ニュースでその報道を聞きながら、「あれ、この人もしかして『大豆田』を作った人じゃなかったかな?」と思った。大豆田とは、「大豆田とわ子と三人の元夫」という、私の大好きなテレビドラマである。確か、「カルテット」という人気ドラマも同じ人が作っていたはずだ。

気になってすぐ調べてみると、やはりそうだった。

それどころかこの方、ドラマ「東京ラブストーリー」や映画「世界の中心で、愛をさけぶ」の脚本も担当されているではないか!とても活躍期間の長い方であることに驚く。



大豆田とわ子と三人の元夫

最初に挙げた「大豆田とわ子と三人の元夫」は、今のところ私のランキングのトップ3には確実に入るドラマである。何が素晴らしいのかと言えば…ストーリー、役者さんの演技、演出、音楽、衣装など…挙げればキリがない。


★ストーリー

大豆田とわ子はこれまでに三度結婚し、三度離婚している。「あの人、バツ3なんだって」「きっと人間的に問題があるんでしょうね」そりゃ確かに、人間的に問題がないとは言わない。だけど離婚はひとりで出来るものではなく、二人でするもの。協力者があってバツ3なのだ。
大豆田とわ子が三人の元夫たちに振り回されながらも、日々奮闘するたまらなく愛おしいロマンティックコメディー。

関テレHPより

最後の一文にあるように、「大豆田とわ子が三人の元夫たちに振り回されながらも、日々奮闘するたまらなく愛おしいロマンティックコメディー」という説明が的を得ている。

大豆田とわ子はもともと設計の仕事が好きで「しろくまハウジング」で働いていたが、先代から抜擢されて社長になった。「社長」…肩書的にはキラキラしたイメージだが、設計の第一線ではなくなるし、経営のことや社員教育のことなど向いていなさそうな仕事もやらなければならないし、トラブルは起きるし、立場的に社員たちとの距離感も難しい。日々悪戦苦闘しながら働いて生きている。
元夫たちとだって、それぞれに惹かれる理由があって結婚したし、それぞれに別れの理由もあった。

働くとは、恋愛とは、結婚とは、友情とは、生きるとは…

人生って大変だけど、いいもんだよね。

みたいなメッセージを、バタバタの大豆田とわ子の日常から感じることができるストーリーなのだ。


元夫たちとのコミカルなやり取りにも笑わされてしまうのだが、話の中に名言が多いというのも特徴だと思う。これが坂元節なのか?

◆人生に失敗はあっても、失敗した人生なんてない

◆幸せな結末も悲しい結末もやり残したこともない。あるのはその人がどういう人だったかっていうことだけ

◆ 人生にはふたつのルールがあって、亡くなった人を不幸だと思ってはならない。生きてる人は幸せを目ざさなければならない。人はときどきさびしくなるけど人生を楽しめる。楽しんでいいに決まってる

◆私の好きは、その人が笑っててくれること。笑っててくれたら、あとはもう何でもいい。そういう感じ

たくさんあるけどお気に入り名言



★役者さんの演技

もう、だってこのキャスティングだよ?
松たか子さんは文句なく美しいし、なのにジタバタ生きていて本当に大豆田とわ子。三人の元夫が松田龍平と東京03の角田さんと岡田将生だなんて羨ましすぎる!(ドラマだろうが)

それだけじゃない、大豆田とわ子の娘である唄ちゃん役の豊嶋花さんもよかったし、

破天荒な親友かごめの役は市川実日子さんだし、

もしかして4人目?という相手役にオダギリジョーさん!!!

松田龍平さんがやっているお店の心配性なシェフ役の方もいいなあと思っていたけれど、この長岡亮介さんという方は、知らなかったが東京事変のギタリストさんなんだと?

どの役者さんも個性あふれていて(元から設定が個性的なのだが、それを具現化していると言ったらいいのか…)素晴らしい演技だと思う。ファンになっちゃう。



★演出

このドラマ、構成が面白くて、毎回…
①その週に起きたことのダイジェストが流れる
②「そんな今週あった出来事を、今から詳しくお伝えします」という伊藤沙莉さんのナレーション
③松たか子さんタイトルコール
でスタートする。可愛い↓

それだけではなく、元夫たちの痴話げんかがピヨピヨという音に変えられていたり、松さんがあの美声でドラゴンボールだのタッチだのの曲を歌ったり、布団が吹っ飛んだりと、面白演出もたくさんなのだが…

私のイチオシは第6話の最後。

親友が急に亡くなるという衝撃の展開を迎えるのだが…その葬式準備の様子がめちゃくちゃ明るいコミカルな曲の流れる中で進められていく。きっとこれが親友の好きな曲だったんだろう。

滞りなく式が進み、いよいよ出棺。その見送りのところでコミカルな曲が終わる。車が走りだし、とわ子がその人の名前を叫んだところで、大事な場面で流れるこの曲のイントロが。

ここからラストまで、もうずっと泣ける!!!その直前までかかっているコミカルな曲との対比がすごい。
このAll The Sameは今だに私の朝のアラーム音になっている。



★音楽

上で紹介したAll The Sameも大好きなのだが、ドラマ全体を通しての音楽への力の入れようもすごいのだ。音楽を担当したのは坂東祐大さんという方。おお、調べたら7歳も歳下ではないか。

ドラマの中で流れる曲は、最初のタイトルコールのところで流れている「序曲」は定番として使われているが、他の曲は毎回の作品に合わせて作ったり付け足したりアレンジしたりと変化させているそうだ。
◇ドラマの曲→こういうシーンではこの曲を流す、とパターンを決めて作る
◇映画の曲→それぞれのシーンごとに音楽を作る
というのが一般的だそうなのだが(確かにそういうイメージがある!)、このドラマでは映画での音楽の作り方に近いことをしたらしい。

この方の記事がとても詳しく説明してくださっている↓


且つ、毎回エンディングの曲が違うのだ!基本曲は同じで松さんがサビを歌うのだが、3人の夫たちが回ごとに人を替えて参加している。Aメロ部分は歌詞も違うし参加アーティストも違う。映像も違う。面白いしどれもオシャレ〜!



★衣装

忘れていはいけない、衣装の話。いいなあこれ!というものもあり、これは受け付けないというものもあり…なんでも着こなすさすがトップ女優。オシャレ上級者すぎて眩しい。


ファッションに疎い自分は…ほんの少しでいいのでこのおしゃれエキスをいただきたいところである。いつも心にとわ子のファッションを。



★ということで

長くなりすぎてだんだん何が言いたいか分からなくなってきてしまったが…
まず、自分がこのドラマについて語りたいことがこんなにあることにびっくり。興味ない方にとっては「なげーよ!」となってきっとこの文章まで辿りつかないはず…。逆にここまで読み進めてくださった方、本当にありがとうございます。

好きすぎてDVD買おうかと思ったり。

いや、ちょっと待って。DVDのイラストもめちゃくちゃ可愛い!

え、パッケージは可愛らしいイラストだし、Blu-rayのディスク、料理の写真だし!笑

まあ、Amazonプライムで見られることが分かってしまい、DVDは買わずにスマホからリピートしまくっているのだが…。




もし今、「時間があるから何かドラマでも見たいなあ」という方、「毎日いろんなことがしんどい」と疲れている方、ぜひこの大豆田とわ子と三人の元夫を見てみていただきたい。超絶おすすめ。

そしてなんと今日は、カンヌの脚本賞を受賞した「怪物」を観て衝撃を受けてきたので、なるべく早めに感想を書きたいと思う。



#教員エッセイではない
#大豆田とわ子と三人の元夫
#まめ夫

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