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#204 「やりたいことがありすぎて働くヒマがない」?

2022.11.16.
今回は8月の下書きより。


私の思考に多大なる影響を与えているちきりんさん、かなり前から第一線を退くために動いているという話をされていた。

証券会社や外資系企業でバリバリ働き、早期退職後もブログで自らの意見を発信し続け、本を出版し、講演に呼ばれ、音声配信をする…
そんな華々しい経歴の方が今後やりたいことは「日本や海外のさまざまな場所を旅行する」こと。それも数日の旅ではなく数週間そこに滞在し、その土地の生活や歴史や文化に触れるというような過ごし方をする、というもの。

そういった過ごし方をするには時間が必要で、それに向けてどんどん仕事をセーブしているそうだ。新しい仕事は受けないし、特に紙の本の出版は凄まじい労力を必要とするのでもう出さないと。



この話を聞いたとき、「やりたいことがありすぎて(忙しすぎて)働く時間がない」と言っていた人、これまでにもいたなあと思い出したのだ。それも2人。



★友達の旦那さんのお兄さん

大学バレー部仲間のGMちゃん、みんなより一足早いタイミングで結婚・3人を出産し、一番上の子はもう中学生になる。
結婚相手は男子バレー部の先輩だったため私も顔見知りだし、大学時代からご夫婦どちらにもお世話になっていた。

GMちゃんは旦那さんの仕事の関係で横浜やら神戸やら長崎やら茨城やらに数年おきに引越ししていた。家族5人で。
3人子育てだけでも目の回る生活だろうが、さらに知らない土地。近くに親戚や知り合いもいない。引越しや各種手続き…私には計り知れない苦労を重ねてきたことだろう。

学生時代から私のメンター的存在であるGMちゃんに、年1回会うことを目標にしている。

数年前に神戸を訪れた際、旦那さんのお兄さんという人に会った。数週間GMちゃん一家の手伝いをしているらしい。

「そんな長い期間いられるなんて、お仕事は何をしてる人なの?」

こそっとGMちゃんに聞いてみた。

「働いてないと思うよ。」

「え?」

「『海外にありそうな空想のホテルの絵』を描いてるらしい。描くのに忙しすぎて働いてるヒマがないって。」

「ええっ?」

私には持ち合わせていない考え方だった。働くひまがないという人がいるのか。仕事の合間を見つけてみんな趣味だの習い事だの好きなことをしていると思っていた私には衝撃的だった。




★小学校高学年のときの担任の先生

恩師と言えばこの方!と言える、自分が教師になるきっかけとなったN先生。高学年のときの担任で、口癖は「遊ぼっか」。笑
体育の表現運動、算数の比など、思い出の研究授業をしたのもN先生である↓

私が紆余曲折を経ながらも教員になったことを報告した際には、とても喜んでくれたN先生。(まずい…辞めたことを報告しないといけないのだが…)



日本で新型感染症が流行の兆しを見せ始めた2020年2月末。あの「全国一斉休校」が突如発表された年に、N先生は定年退職を迎えた。
確か、今年が定年だったはず…一体最後はどんなことになってしまったのだろうと連絡を取り、感染症が少し落ち着いたタイミングでお会いする機会を得た。

数年ぶりの再会だったが、依然と変わらない大きな声、満面の笑顔。大変さで有名な自治体で、管理職にもならず担任しながら学校を支えていらしたようである。

「管理職に呼び出されて、クラス自習にして今後のこと打ち合わせしてさ、教員としての最後の授業がプリント配りで終わっちゃったよ!ま、最後なんてそんなもんだ!笑」

あっけらかんと笑い話として当時の様子を話すN先生、本当に変わってない。

「今後、再任用で働いたりはしないんですか?そういう方、多いですよね。」

「え?やらないよ?これからやりたいことを色々書き出してみたら、どう考えても130歳くらいまで生きないと全部終わりそうになくてさ。働いてるヒマないんだ!」

ここにもいた!働くヒマがない人〜!




ということで

ちきりんさんとN先生はこれまで相当ガツガツ働いてきた末の別フェース突入という感じなので、GMちゃん旦那のお兄さんとはまたタイプが違うのかもしれないが、

私の仕事への価値観に新しい視点を与えてくれたことに変わりはないし、

「仕事なんかしてらんない!」と思えるほどのやりたいことがあるって素敵だなと思うし、

それが仕事だったらいいよねとも思うし、

やりたいことに時間を使う方向へ舵を切る選択ができるのも素晴らしいなと思った。




仕事してる場合じゃないわ!って思えるもの、私にとっては何かなあ…




#教員エッセイ
#仕事をしてるヒマがない
#やりたいこといっぱい

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