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#197 番号付きでやることを示す

2022.11.9.
教員2年目は、5年生の担任だった。その時に学年を組んだ先生は、めちゃくちゃ細かくてめちゃくちゃ仕事ができる、同い年且つ同性の先生。歩く教員界の生き字引?とでも言ったらよいのだろうか。

みゃーさん、要録っていうのはね…
みゃーさん、行事準備を進める手順はね…
みゃーさん、何か提案をするときはね…
みゃーさん、この単元をやるときはね…

と、ただ「次これやるんだよ!」ではなく全体の見通しやその意図など、教員の仕事におけるスタンダードを教えてもらった。

実際、この時教えてもらったことを記録してファイリングしたものが、その後自分の仕事マニュアルのようになり、何年経っても役立った。

特別支援教室にいた経験もあり、子どもへの声かけやお出かけの準備も、その先生から教わることがたくさんあった。

私は、人から影響を受けやすい。
学年主任の指導を横で見ていて、口癖や指導方法などが似てくることはよくある。



★やることの順番を番号で示す

意図して取り入れた訳ではなかったが、その先生の指導を見てマネしだしたのは「やることの順番を番号で示す」ことである。

個人で進める課題の場合

①新出漢字(音読→空書き→なぞり)
②ドリルの15ページ
③作文のテーマ決め
④先生チェック
⑤下書き→完成したら提出
⑥読書

などと説明し、黒板にも書いておく。
みんなで進める場合にも順番を示し、番号の上にマグネットを置いて、「今ここをやってるよ」と示したりした。

こんな感じ


また、授業が終わる際、あいさつの前に
「この後のことを確認しましょう。
1番、あいさつ
2番、国語をしまう
3番、音楽の準備
4番、トイレ水飲み
5番、後ろに並ぶ
6番、出発
ですね。えーっと、1番は何だっけ?」
などと動きを確認する。

もちろん口頭バージョンは一部の子しか覚えていられないが、その子たちが全体の流れを作ってくれる。


これは、優先順位をつけるのが苦手な自分の頭の整理整頓にもなり、子どもたちに見通しをもたせることもでき、よい方法だなと思って活用していた。
結構多くの先生が使っている方法だとも思っていた。




ある年、個人面談でとあるお母さんに、
「みゃー先生は、特別支援について詳しいんですか?」
と聞かれた。不思議に思って
「これまで担任した中に個別の支援が必要な子はいましたが…どうしてそう思われたんですか?」
と、逆に聞いてみた。

聞くと、学校公開の授業で黒板にやることを書いて番号をふっている様子を見てそう感じたとのこと。そのお母さんは、お子さんが小さい頃から発達について心配されていて、病院や支援センター等とつながったり、自らもよく勉強されている方だった。
「そういう支援を意識してくださる担任の先生で嬉しいです!」
とのありがたいお言葉。そうか、あれは意外に役に立っていたのかもしれない。




またあるとき、特別支援の巡回指導の先生たちとご飯を食べに行ったとき、酔っ払った1人の先生から言われたこともあった。

「みゃー先生の授業覗かせてもらったら…子どもたちが個人作業してたんですよ。で、集中切れて周りにちょっかいかけ始めた子がいて、先生が近づいていったので見てたら『今、何番やってる?そうか、そこまでできてるんだね。で、次は何するの?そうだね!』って声かけてたんですよ!私これ絶対マネしようと思ってメモしました!!!」

その先生かなり酔っ払っていたので、同じこと3回くらい褒められた。ありがたいお言葉である。



というように、先輩のマネをして、自分のためにやっていたことが、意外にも支援の手立てになっていたという棚ぼた案件であった。

すぐできる手立てなので、使えそうなときはぜひ。…でもこれやっぱりみんな普通にやっているよね???




#教員エッセイ
#番号をつけて見通しを示す
#特別支援

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