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#210(Re) 授業と広告ってちょっと似てるんだよ

2024.5.18.
家族がしばらく入院していたのだが、退院したぜーーー!めでたい。健康は本当に大事。みんな元気でいて。そして健康診断は定期的に行って。


さて、題名の件、仕事をしていてよく思うこと。
「これ買って!」と言うのではなく、買いたいと思うような気持ちにさせる企画や仕組みを作る。「これを学んで!」と言うのではなく、楽しんでやっていたことが実は学びになっている。
広告のセンスがある人、絶対授業のセンスもある!

そんな話ー!
(要約が上手すぎてこの先を読まなくてもまとまってる気がする)


◆◇◆◇◆◇

2022.11.22.
本日獅子座は最下位。カフェに行ったら「コーヒー今落としてますのでこちらの番号札でお待ちください」って言われて、延々とコーヒー来なかった。


さて、昨日の駒場祭の話の続き。
メインディッシュ、佐藤雅彦さんの講演である。

事例紹介にたくさんのCMなどの動画が使われるため、オンラインでの配信は無しになったそうで。行ってよかったーーー!!!


タイトルは「新しい分かり方 新しい伝え方」


これまでどんな手法で人に伝えてきたのか

佐藤雅彦さんは「how to 分かる」「how to 伝える」という、「どのようにどうやって」の研究をしている。その中で生まれたコンテンツをたくさん紹介してくださった。

★ISSEY MIYAKE 「APOC inside」

点だけなのに、アルファベットだけなのに、動きを見ていると人間が見えてくる。点の配置や動かす速さによって奥行きを感じさせることもできる。それは私たちの脳が勝手に足りない部分を補完しているから。


★ピタゴラスイッチ(ピタゴラじゃんけん)

大人もついつい考えちゃう、参加しちゃう。そして装置のトラップにまんまとひっかかっちゃう。


★考えるカラス「2本のろうそくの実験」

中盤あたりの蒼井優さんの実験より。二酸化炭素は酸素より重いから下にたまる。なので短い方が先に消えるはず…なのに?
仮説を立てる。実験(experiment)や経験・体験(experience)の大切さ。それらを積み重ねた人がexpert。
で、予想したことと違うと、え?どうして?と人はさらに考え始める。


★バザールでござーる

このCMで視線測定をして、見ている人が画面のどこを見ているのかを調べたそうだ。で、オチの前のところでは…

みんなはここを見ていると認識はしていないが、知らず知らずのうちにこの斜面を認識し、脳が勝手に「坂をくだっていきそうだ」と予測している。なので、その予測に反した結末になるので「面白いな」と感じるのだそうだ。



ここで本題。

スライドにも出てきた「ここで本題」の文字。だが、なんと全部で1時間半の講演で、この時点で残り10分。会場が笑いに包まれる。

佐藤さんの中には人に分かってもらうための、伝えるための手法がいくつもあって、それらの拠り所は「認知科学」にあるという。

認知科学とは…
知的な仕組みがどう働くのかを探る学問。情報処理の観点から人の知の働きや性質を理解する学問。
何かの情報を見たとき、人はどう処理するのか。それには一定の法則がある。群化、奥行き知覚、仮現運動、物語の生成…などなど。詳しく話すには最低でも1セメスター(半年分の大学の講義)が必要とのこと。佐藤さんは慶應SFCでこの授業をしている。


聞いていて思ったことは

ここまで、佐藤さんがどんな手法を使ってコンテンツや広告を作ってきたのかを聞いていたが、感じたことは題名にも書いたように「授業考えるのと広告考えるのって、似てるよな」ということ。

教員3〜4年目くらいまで、どこかでそれがよくないとは感じていたが、私は主に「自分が頑張る授業」をしてきた。学習内容を読み込んで、調べて、それをいかにわかりやすく興味をもてるように子供たちに伝えるか、というところに注力していたのだ。

広告で言えば、売りたい商品があったらダイレクトに「この商品はこんなところが良いところなんですよ!いいでしょう?ぜひ買ってください」って言っているようなもの。でも、それで売れるのって限りがある。

まずこの構図が似ている気がする。



その頃、学習指導要領の改訂があり、アクティブラーニングとか、主体的、対話的で深い学びとかそんな話が出てくるようになった。「教員が頑張る授業」ではなく、「子供たちが頑張る授業」になるように教員がサポートする方向へと動いていた。

極論、私は「なんだか楽しくて夢中になって活動していただけなのに、気付いたらすごく学んでいて力がついていた」みたいな風にできないかなとも思った。それがすごく難しいんだけど。

だけど、佐藤さんの作るコンテンツはそれができている。
子供たちは「さあ、プログラミングの勉強をするよ」などと言われたわけでもなく、ただ面白くて「テキシコー」を夢中で見ていて、結果的にプログラミング的思考を獲得しているわけだから。(それをメタ認知できているかは発達段階によると思うが。)

何も考えずに「ポリンキー、ポリンキー、三角形の秘密はね♪」とか口ずさんでポリンキー買っちゃったりさ。

何も考えずに「カリッと、サクッと、美味しいスコーン♪」とか口ずさんでスコーン買っちゃったりさ。



だから…もしかすると…
認知科学について勉強したら、なんだか取り組んじゃう、なんだか分かっちゃう、なんだかつい考えちゃう、なんだか楽しんじゃう授業のヒントが掴めるかもしれないよ?

俄然興味が湧いてきたぞ、認知科学!




なーんてことを考えた講義だったのでした。



#教員エッセイ
#佐藤雅彦
#新しい分かり方新しい伝え方
#広告と授業は似ている

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