詩「紫紺にとけゆく」
海の果て、沈む陽の光
赤く染まり、青空に溶けていく
夕暮れの紫は、忘れえぬ過ぎし日々のよう
波は寄せては返し、静かに心を洗う
憂いは波に乗り、遠くへ運ばれ
冷えゆく風が、頬を撫でるたび
過去も未来も、ただ儚く散っていく
消えゆく光が、胸に残すのは
言葉にできぬ潮騒のうた
たった一つ、感じるものがある
この瞬間、君は確かにここにいる
広がる海のごとく、君の心もまた
静かに遠く、果てしなく続く
音も色も、すべては溶け合い
人もまた、この広い世界の一部となる
そうして、生まれ変わるのだ
新しい朝日が、また君を照らすように
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拙作をお読みいただきありがとうございます!時には心に花を、時には刺激をお届けできるようこれからも執筆を続けていきます。よろしければまた投稿があなたのもとに届きますように。