読書感想『どうしようもない恋の唄』

私は基本的に小説を読まないが、こんなにも引き込まれた小説は初めてかもしれない。小説を読む行為自体は年に一回あるか、ないかぐらい。約1.2年前ほどにライトノベル原作のアニメを観て、どハマりをしアニメ後の物語を読みたくて友達から小説を借り読んだことはある。しかし、それはアニメを観てからだ。小説を読んだ後、別に自分で買ってまた読もうと思うこともなく、原作を追うこともなかった。やっぱりアニメが1番だなと思ったのだろう。でも今回は違う。あらすじを見てこれは読んでみたいと思ったのだ。こんなことは初めてだ。そして読み終えたら、違う小説を読んでみたいと思い、いろいろなサイトでおすすめの小説見てみた。今回はその小説の読書感想です。

今回読んだのは『どうしようもない恋の唄』という小説です。この小説は官能小説です。私はすごく変態です。自分で自分のことを変態というのはどうかと思うけど、本当なのだから仕方ない。最近なんて、エロ同人誌やエロ漫画しか見ていない。オナニーなんて毎日の日課だ。元々、官能小説は読んでみたいと思っていて、あらすじ見た感じ好きそうだったからって感じで選んだ。
ざっくりストーリーを言うとある男矢代が人生に絶望し自殺をしようとしたところ、ソープ嬢ヒナに拾われ人生を絶望のどん底から這い上がっていく純愛ストーリー。官能だらけの官能小説ではなく、官能が付け加えられた恋愛小説って感じです。私は少し官能シーンを飛ばしながら読みました。別に官能シーンが私の好みじゃなかったわけではなく、ただただ続きが気になったから、飛ばした感じです。

今回私が気になったところはヒロインのヒナの優しさ。ヒナはとてもとても寂しがり屋。病気なんじゃないかってぐらいどうしようもない寂しがり屋。その優しさが主人公の矢代を傷つける。まず、矢代はなぜ人生に絶望していたのか、それは妻は浮気をし会社は倒産したから。矢代の人生は周りから見たら、勝ち組も同然。大学は結構名のある大学に行き、会社も自分が入りたい所につけた。収入もいい感じで妻もいて、楽しい日々だったがある商品が失敗し、それを軸にどんどん会社は悪い方向に行く。しかし、ヒナと出会い今までのことを話すと同情され、3日に1回私のことを抱く条件でヒナのもとでお世話になることになった。たった1日の関係でここまで出来る彼女の優しさも一つの凶器でもある。その関係が数ヶ月続き、社会復帰するため矢代は失敗した商品をどうにかして利用できないかと考えいろいろ試行錯誤し無事成功。しかし、それの売り方は世間的にはあまりよろしくない。そのせいかヤクザに目をつけられ、商品を奪われまた人生のどん底になってしまった。せっかく社会復帰出来そうだったのに、もう少しの辛抱だったのに。またもや失敗し矢代はずっとヒナの家で酒を飲む毎日となった。でもヒナは何も言わない。3日1回抱くという条件はある温泉旅行での出来事でなしになる。なしというより、やりたくなくなったのが正しい。それもそのはず、やりたくもないことをするのは誰でも嫌なはず。最低なことをした矢代にヒナは何も文句を言わず、ずっと面倒を見てくれる優しい彼女。そんな生活が続き、ある日ヤクザにまた目をつけられた。ヤクザから逃げる矢代とヒナ。そこでヒナの秘密が分かる。ヒナは今まで沢山の男に貢いできた。しかし、沢山貢がれた後はポイと捨てられる毎日。貢ぐ理由は寂しいから。誰かが、私の家で待っているってだけで嬉しい。家の電気がついてるって嬉しい。そんだけの理由で貢ぐ。彼女にとってはそんだけではないのだろう。彼女にとって貢ぐことは人生。どんなに男に抱かれようとも、どんなプレイを要求されようとも自分の家で誰かが待っているだけで十分。それほど寂しがり屋。もしかしたら、矢代じゃなくても良かったのかもしれない。いや、矢代じゃなくても良かった。今回もたまたま、矢代と出会っていただけ。矢代じゃなくても、今まで通り男に貢ぐだろう。それが真相。それがヒナの闇であった。最終的に矢代はヒナを庇い、ヤクザに殺させる予定だったが、殺されずヒナが矢代を庇う側になった。ヒナは警察に捕まり、牢屋に入ることになった。釈放されるのは約1.2年と矢代は推測した。そして、矢代はヒナに手紙を送る。今度は俺がお前に貢いでやる。

『待ってるから』

と言葉を手紙に残し、物語は幕を閉じる。

とてもいい作品でした。初めて官能小説読みましたが、とても満足出来る一冊でした。ヒナの優しさと矢代の虚しさ、この2人の関係は本当にどうしようもないと私は思いました。文章はめちゃくちゃだと思うけど、自分的には一生懸命に書いたから満足。次は何を読もうかな。

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