見出し画像

ジグソーパズルのように

私は何事も締め切りのギリギリまで戦ってしまうという性格の持ち主であるという話をしたのは2、3週間前になる。

今私は、タスクの量から見ると圧倒的にイージーモードな生活を送っている。
ただし、やることが全くないというわけではない。今日は、明日の午後に使う資料を仕上げなくてはならなかった。

真っ白な紙に定規も使わず図を描いて(定規で線を引くならそれは紙の辺と平行でないと気が済まないこだわりがある(謎)ので、最初からフリーハンドにした)、矢印を引っ張って…なんてしているとあっという間に時間は経っていった。

いつも大学で授業を受けるときはパソコンでの作業がメインだ。
今日のように緻密な図を描く機会は久々で、目も指先も疲れてしまった。

そんなこんなで16時ごろに一度集中力が切れて、ニュースも聞き飽きて、チャンネルを回していたら、Eテレにたどり着いた。

**********

自分には年下の兄弟はいないし、Eテレとはしばらく疎遠な生活を送っていた。
それが今日、偶然放送されていた「ピタゴラスイッチ」を見て、完全に見入ってしまった。

今日はどうやら、「ぼてじん」という立方体のキャラクター(知名度やいかに…)のコーナーがメインのスペシャルバージョンだったらしい。
展開図とか投影図とか面の形とか、その辺りに焦点を当てたシリーズとなっている。

最初に立体が進んでいく軌道が地面に描いてあって、その上を通るのは一体どんな立体か…というスタイルでアニメーションは進んでいくのだが、これが意外と想像力を使うもので、作業をする手を止めて考え込んでしまった。

そのコーナーを含め、ピタゴラスイッチは小さい頃から大好きな番組だ。でも、歳を重ねるごとに見る機会はほぼゼロになっていた。触れる機会が少なくなれば想像力も落ちているらしく、正解のアニメーションが流れ始めて「あぁ〜〜〜」となることもあった。
一方で大人らしく、これはあの立体だ、とすぐにわかるものもあった。

そしてお馴染みのあのピタゴラ装置。
なんとなくこうなると分かって見られる仕組みもあれば意外な仕掛けもあって、こちらも見入ってしまった。

今、この記事を書き起こしながらピタゴラスイッチの公式ホームページを見ていると、他にも様々なコーナーがあるのを知った。懐かしいと思うものも、初めて見るものもある。

ピタゴラスイッチめっちゃ楽しい!!!

**********

私はパズルゲームやペンシルパズル(数独やクロスワードの類い)が好きだ。

ピタゴラスイッチもそれに関連して好きなのだろうか(数理系という観点では共通点がなくはない?)、という節はある。
もしかするとそれ以上に、子ども向け番組に興味津々な性分、というのもあるかもしれない。このことに今日気がついた。

ピタゴラスイッチが終わったあと、子ども向け(幼児向け?)番組の怒涛のラッシュだったのだが、なんだかんだそれらを見続けてしまったのである

おかあさんといっしょとか。そういうやつ。

あ、今年成人式を迎えた者です。どうも。

**********

何がおもしろいかというと、子どもに楽しんでもらうために大人(出演者や製作者)がどんな工夫をしているのかがこの歳になれば分かる、というところだ。
あるいは、出演している子どもに楽しんでもらうために、歌のおにいさんたちがどんな配慮をさりげなくしているのかに目を配ることができる、というところもある。

勉強や将来という観点から考えると、私は心理・保育・芸術の道とは程遠い道を辿っているので全然偉そうなことは言えない。しかし、いち大人として見てみると、小さい頃は全く気にならなかったことが、今になればそちらの方が気になって仕方ないとか、そういうことがたくさんある。
これはどの子も楽しそうにやっているし、この展開になった瞬間にきっと子どもはテンションが爆発するだろうな…とか。

(ラッキィ池田と前山田健一による音楽か…とかもある)
(子ども向けの奇抜な歌詞や動きにこっちも笑ってしまうこともある)
(初めてオフロスキーを真面目に見てじわじわときてしまった)
(ピタゴラスイッチのエンドロールで「慶應義塾大学佐藤雅彦研究室」とあって「🤔」顔で検索をかけたりもした)

幼い頃に見ていたものと今見えるものは違う。
つまり、子どもと大人とではものの見方が違う。
これらも含め、今日私が書いていることのほとんどが至極当然のことではある。今日改めてそれに気がつかされた。

今日Eテレを見ていなければ、きっとその当たり前のことを意識する機会はまた先延ばしになっていただろう。

ジクソーパズルの隣り合うところは必ずでこぼこで、それらが組み合ってぴったり重なるように、見え方も実はでこぼこで、でもきっと同じものを見ているから、ぴったり重なるんだろうな、なんて。

そして同時に、こういった番組が子どものものの見方に影響してくるんだなあ、とも感じた。

ということでピタゴラスイッチにハマりそうだ。YouTubeの履歴が近いうちにそればかりになる予感がしている。
どうやら昔からそれは変わらないらしい。


(ちなみに本来やらなくてはいけなかった資料はEテレを1時間堪能したのち完成した)